酒井玲子の日々

2009年9月15日(火)
 「酒井玲子の日々」をおとずれてくださって、ありがとうございます。
どうやってここにたどり着かれたかはわかりませんが、これも何かのご縁です。
酒井玲子ってどんな人間なの? と興味を持っていただけたら、時々のぞいてみてください。

 私自身は、一期一会を大事にしたいと思いながら日々生活していますので、そんな酒井玲子のつぶやき、出会った人々、読んだ本の感想、失敗談(たくさんあってこまるだろうなぁ)、もちろん仕事のうえで参考になるようなことも、色々と徒然なくままに書いてみたいと思っています。

 2023年7月26日(水)
 このページを書き連ねてから14年が過ぎました。なかなかマメに更新できませんが、これからも私が出会った出来事を書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いください。

追悼 大切な友人

事務所開所10周年に頂いた胡蝶蘭  園芸担当者の手により毎年花をつけます

2022年の誕生日に届いた花束と

2023年の誕生日

 2024年4月7日(日)

 昨年の5月にある男性が亡くなりました。私にとって友人というのも変な感じがする、不思議な関係のSさんは、色々なことを私に伝え、多くの物を残してくださいました。

 最初の出会いは私が社会福祉士の資格を取るための勉強をしている時、ボランティアで参加したある自治体の社会福祉協議会のお出かけイベントでした。そこに脳血管性認知症で車いすを利用しているお母様と一緒に参加していたのがSさん。タクシーを使った八景島シーパラダイスへのお出かけで、各家族に1名ボランティアが同行してお手伝いをすることになっていたのですが、まだ福祉の勉強途中で、ましてや介護の理論も技術も持ち合わせていない私は、車いすの操作も良くわからず、ただ、お母様を介助するSさんを見ていることしかできませんでした。何のために同行したのだろう、もっと何かできなかったのかなと、お出かけが終わってからもモヤモヤした気持ちが続いたので、そんな率直な気持ちをお手紙に書いて、Sさんに送ることにしました。
 すると、Sさんから「一度うちに遊びにいらっしゃい」とお誘いをいただき、ご自宅に伺ったのがSさんとのお付き合いの始まりになるのでしょうか。お話を伺うと、お父様は何年か前に亡くなり、一軒家のご自宅でお母様を一人で介護しているそうで、もちろんヘルパーさんは入っているけれど、デイサービスには行っておらず、介護についても一人で色々と研究してしっかりした考えを持ってやっていることが感じられました。
   その後は1年に1,2回お家に遊びに行くほかに、クリスマスにカードやちょっとしたプレゼントを贈り合ったり、誕生日にメールのやり取りをしたりということが続きました。遊びに行った時に教えてもらったのが、近くのケーキ屋さんで作っているという「タルトタタン」。Sさんはそれをお母様と「タッタラタン」と言い合って、3人で楽しく美味しく食べました。この「タッタラタン」の例のように、Sさんはとてもユーモアがあって、誕生日プレゼントは前後6か月いつでも受付中とメールに書いてあったり、そのやり取りはとてもほっこりするものでした。私の行政書士開業10周年に蘭を送ってくださったのもSさんです。

 何年かそのような時間が流れた後、お母様の具合が悪くなり、結局病院で亡くなられました。亡くなる少し前に病院にお見舞いに行くことができ、ご葬儀にも参列させていただきました。

 その後も思い出したように遊びに行っていましたが、ある時「しばらく冬眠するので連絡できなくなります」とのメールが。私はあまり深く考えもしないでいましたが、何か月後かに連絡が来た時には、癌になって入院治療していたとのこと。家に戻られてからも抗がん剤治療を続けていらしたようですが、なかなか合う薬がなく、色々と試しているとお聞きしました。

 その後も年1回程度お会いして近況報告し合うような感じでしたが、お亡くなりになる半年前位に、ご自宅近くの病院に仕事で行く用事ができたので、お会いできないかと連絡したところ、わざわざ病院まで迎えに来てくださって、ご自宅でお話ししたのが最後になってしまいました。ご病気のことも詳しいことは知りませんでしたし、よく考えたらご本人のこともほとんど何も知らないまま来てしまいました。
 私の誕生日には、ここ何年か花束を送ってくださって、お亡くなりになった年(2023年)の私の誕生日にも素敵なバラの花束が届きました。

 そして5月のある日、突然Sさんの訪問看護師さんから電話が。「Sさんが危ない状態です。やっと連絡してもいいとご本人がおっしゃったので、電話しました」との言葉に、しばらく状況が呑み込めないでいましたが、これは早く行った方がいい!と、入っていた約束を調整してご自宅に駆けつけたのですが、本当にちょっとの差で最期には間に合いませんでした。聞いたところによると、その前にも入院していたけれど、ご本人の希望でご自宅に帰ってきたところだったそうです。ご本人もこんなに早く逝ってしまうとは思っていなかったようで、これからまだやりたいこと、やらなくてはいけないと考えていたことがあったのだろうと思うと残念でなりません。 

 Sさんはご両親が既にお亡くなりになっているので、親族はご兄弟お一人だけですが、日頃からあまり関係が良くなかったうえに、そのご兄弟も体調が悪く、火葬、埋葬はお付き合いのあったお仲間が中心となって取り仕切ってくださり、私も立ち会わせていただきました。ご本人が亡くなってから初めてお会いした方ばかりでしたが、皆さん温かく輪の中に加えてくださって、私が知らなかったSさんの若い頃のお話なども聞かせていただきました。

 『ご縁』というのは本当に不思議なものだと思います。ちょっとしたきっかけで知り合ったSさん。私がお手紙を出さなければ、その後のお付き合いは無かったでしょうし、Sさんの生き方や考え方から色々と学ぶこともできなかったと思います。何よりユーモアの大切さを教えていただきました。これからも、気になることは自分なりに納得いくまでやって、色々なご縁を大切に、そしてユーモアを忘れずに生きたいと思います。

  このブログはずっと書きたかったのですが、うまくまとめられなくて、今頃公開することになりました。それでも思うようにまとまらず長文になってしまいました( ;∀;)。

もうすぐSさんの1周忌になります。感謝を込めて。

 

講演会「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その2

2023年7月25日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからが主催した上記の講演会は、7月2日(日)10時~12時 石神井公園区民交流センターで開催されました。講師はその1でお願いすることになった経緯を記した高林克日己先生です。

 当日は日曜日の午前中、暑い中にもかかわらず100名を超す方にご参加いただきました、在宅医療や事前指示書について、あらためて皆さんの関心の高さを実感したところです。

 講演の前半は、日本の人口推移や今後の人口構成予測といった統計的な資料を示して、このままいくと少子高齢化がどんどん御加速して、老々介護や孤独死が増え、病院も満床で医療崩壊が起こることが予想されるので、救命第一という今までの医療に対する考え方を大きく変えなければ未来はないという話をされ、在宅医療へのシフトを提唱されました。高林先生曰く、医療資源や医療費の問題だけではなく、在宅医療がご本人にとって幸せだから勧めるのです、とのこと。在宅医療を受けながら自宅で過ごす患者さんの、穏やかな表情や素敵な笑顔の画像を披露してくださいました。

 後半は、人間の終末期にはどのようなことが起こるか、延命治療にはどのようなものがあり、自分の終末期の希望を書いておく事前指示書がないとどうなるのかというお話があり、事前指示書の重要性を説明されました。参加者にお配りした資料には、高林先生が提案される事前指示書も付けておきました。

 そして最後には、患者さんたちを連れて欧州旅行をした時(今までに21回も行かれているそうです!)の画像を映して、いきがいがあると人生は楽しく生きられることを強調され、「皆さんも楽しく生き抜きましょう」と締めくくられました。

 終了後に回収したアンケートには83名の方から回答をいただき、「このようなお話が聞きたかった」とか「帰ったら早速事前指示書を書こうと思います」といった声が多く見られました。

 お忙しい中で練馬にお越しくださって、貴重なお話をしていただいた高林先生には感謝の気持ちでいっぱいです。私は講演会の時に初めてお会いしたのですが、とても素敵な方で、もっと色々とお話を伺いたいと思いました。

 

↑ 講演会の様子   ↓ 高林先生

オレンジカフェアリスと関根奈々さんのコラボ展

2023年5月31日(水)

 光が丘のNPOむすびでやっているオレンジカフェアリスは、5/12-14の3日間、練馬駅すぐの練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)にある産業イベントコーナーにおいて、関根奈々さんとのコラボ展を開催しました。

 奈々さんは知的障害がありますが、独特のイラスト的な絵を描いて、展覧会で入賞したこともあります。その奈々さんの作品の展示と、関連グッズの販売をする一方、アリスに参加している方が作った作品の展示・販売や、水引アクセサリーのワークショップも行いました。
 中には95歳の方が丁寧に作って袋物もあり、93歳の方はお得意の布草履をコツコツ作って出品してくださいました。亡くなった奥様の絵を出してくださった方もいて、会場に花を添えてくださいました。
 当日はアリスの参加者が交代で受付や販売員を務めながら、自分たちも楽しみました。スタッフも含めると1日平均100人以上の来場者があり、初めての試みとしては良かったのではないかと思います。

 今回の企画は、アリスのリーダーが関根奈々さんのお母様と知り合いだったというご縁で、アリスとして奈々さんを応援したいという気持ちから企画されたものですが、アリスは高齢の方だけでなく、障害のある方も子どもたちも、誰もが安心して生活できる地域を目指す、インクルーシブな活動をしていることを発信する機会にもなったと思います。

 また、コラボ展を訪れてくださった福祉事務所の所長さんに、アリスで福祉事務所についてお話をしていただけないかと直談判(?)したところ、週明けすぐにご連絡をいただき、高齢者支援課かの方がアリスを見学に来てくださいました。また、コラボ展の隣のホールで「看護の日」というイベントをやっていたのを覗いてみた際には、地域の在宅看護の事業所さんにもアリスでのお話をお願いしたところ、こちらもすぐに連絡をいただき、近いうちにアリスに来てくださることになりました。これにはこちらからお願いしてみたものの、その反応の速さにこちらのほうがびっくりしてしまいました。なんとありがたいことでしょう!

 

コラボ展の隣に朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士がいたので、一緒にパチリ!

NPO「これから」の講演会
「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その1

2023年7月18日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからの今年度のメインイベントである講演会が、7月2日(日)午前中に石神井公園区民交流センターで開催されました。
 講師には「高齢者終末医療 最良の選択」の著者であり、松戸市の医療法人社団鼎会 三和病院顧問である医師の高林克日己氏をお迎えして、100名を超える参加者の皆さまが熱心に耳を傾けてくださいました。

 当日参加者にお配りした資料に、理事長としてのご挨拶文をつけたのですが、そこから抜粋したものを載せたいと思います。

 『…本日の講師である高林先生は、現在は松戸市の三和病院にお勤めで、ご自身が在宅医療にも関わって、地域に根差した医療を実践されているお医者様です。そのような高林先生を講師としてお迎えすることになった経緯を、ここで少しお伝えしたいと思います。
 私はNPOの活動を通して、また個人的にも成年後見人の活動を通して、支援している方の医療や看取りにも関わることが多く、また自分の家族や自分自身も最後の時をどうしたら自分らしく穏やかに過すことができるのか、いわゆる終末期の医療や介護の在り方について関心を持つようになりました。そんな時に出会ったのが高林克日己先生が書かれた『高齢者終末医療 最良の選択 ~その基礎知識と生き方のヒント~』(2016年 扶桑社)という本でした。それだけであれば、そのような書籍を出版されるようなお医者様、しかも千葉の病院の先生にご講演をお願いしようとは思わないのですが、そこに不思議なご縁がありました。
 後日、私の卒業した高校の同窓会誌を読んでいたところ、同窓会の記念講演で、卒業生であるお医者様が「最期まで自分らしく生きる」というタイトルでお話された内容をまとめたものが掲載されていました。そのご講演をされたのが高林先生だったのです。
 珍しいお名前なのできがつきましたが、そうでなければそのままになっていたかもしれません。そこにもご縁を感じてしまった私は、ぜひ「これから」の講演会でもお話をしていただきたいと熱望し、単に同じ高校の卒業生であるというだけの伝手を使って、厚かましくも先生にお手紙を書き、病院宛に講演の依頼書をお送りしました。
 ダメで元々の気持ちでしたが、直ぐにメールでおのお返事を頂戴し、しかも講演についても「いいですよ」と快諾していただきました。この時は、本当に「願いは通じるのだな」と感激したことを覚えています。それが2019年の秋ごろのこと。その後、新型コロナウィルスの感染拡大が顕著になり、せっかくの高林先生の講演会も残念ながら中止の判断をせざるを得なくなりました。
 それから2年たった2022年の秋。コロナの感染も少しずつ収まり、大勢の人が集まるイベントも開催可能になったのを機に、あらためて高林先生にご講演をお願いしたところ、今回も快くお引き受けいただいて、ようやく本日を迎えることができました。

 先生の今回のご講演のテーマは、私ども「これから」としても、個人としてもじっくり考えなくてはいけないこと、そして悩みつづけなくてはいけない大事なことだと思っていますので、本日は皆さまと一緒に学ばせていただきたいと考えております。
 そして、参加してくださった皆さまにとっても本日の講演が、ご自身やご家族、支援する方々のこれからを考えるうえでの一助となることを願いつつ、ご挨拶とさせていただきます。2023年7月2日』

2010.9.20(祝・月)

 東村山市にハンセン病の療養所である「多摩全生園」があります。現在でも広い敷地内に住居があり、生活している方々がいらっしゃいますが、敷地内は自由に通り抜けることもでき、グラウンドは草野球のお父さんや子どもたちが使用しています。桜の大木もあって、春にはお花見もできます。

 私は近くの施設に時々行くことがあり、全生園はとても良いお散歩コースになっています。昨日も車いすを押してお散歩に行って、少し時間があったので、敷地の一角にある「国立ハンセン病資料館」を訪れてみました。その存在は知っていながら、なかなか入る機会がなかったのですが、せっかくなので思いきって足を踏み入れてみました。平成5年に「高松宮記念ハンセン病資料館」として開館したものが、平成19年に現在の「国立ハンセン病資料館」として再開館したそうです。

 新館が増築されたということで、中はきれいで常設展示は「らい病」と言われて忌み嫌われた病気の歴史、療養所の様子とその中での生活、療養所の今と患者のこれから等が写真や実物の道具等によって生々しく伝わってきました。 小学生用の説明書きが備えられていたり、映像による証言等も多く、わかりやすく説明する努力がなされているようでした。

 ちょうど9月25日(土)〜12月26日(日)には

 「全生病院」を歩く −写された20世紀前半の療養所−  という秋季企画展が予定されているようです。 http://www.hansen-dis.jp/ をご参照ください。

  資料館のパンフレットから「ハンセン病とは」との解説を抜粋してみます。

  ハンセン病はらい菌による経過の慢性な感染症です。
 感染しても発病するとは限らず、今では発症自体がまれです。
 また万が一発症しても急激に症状が進むことはありません。
 初期症状は皮疹と知覚麻痺です。
 治療薬がない時代には変形を起こしたり、治っても重い後遺症を残すことがありました。
 そのため、主に外見が大きな理由となって社会から嫌われてきました。
 現在では有効な治療薬が開発され、早期発見と早期治療により
 後遺症を残さずに治るようになりました。

  かつては間違った情報や偏見によって、患者本人だけでなく家族みんなが人としての尊厳や権利を奪われて、人生そのものが絶望と深い悲しみに包まれてしまったという事実を、これからの世代にも少しでも伝えていかれたらと感じました。

2010.8.12(木)

 成年後見制度は、判断能力が衰えてしまってから利用する法定後見と、判断能力がしっかりしているうちに、いざというときのために自分で契約を結んでおく任意後見と、大きく二つに分かれています。

 法定後見制度については、ご本人はすでに判断能力が衰えているわけですから、施設との契約を結ばなくてはいけないとか、相続手続きのために、不動産の処分が必要というように、どちらかというと家族や周りの人が必要に迫られて利用を考える場合が多いようです。しかも、後見人等になる人を決めるのは、最終的には家庭裁判所です。  一方、任意後見契約は自分がしっかりしているうちに、自分が判断能力が衰えたときにお世話になる人と、やってもらいたいことを自分で決めることができます。そのため、任意後見人になってもらいたい人に、自分の希望をしっかりと伝えておくことができます。施設に入りたいのか、ずっと在宅で過ごしたいのか、病気になったらどうするのか等々……。

 前に団地内の住民の皆さんの集まりで「成年後見制度について」ということで、主に「法定後見制度の概要と、相談窓口」のお話をさせていただきました。そのときにも、高齢の方が多くいらっしゃいましたが、皆さましっかりしていて、法定後見のお話よりも、これからのご自分のことを今のうちに考えて備えておくという趣旨の「任意後見」のご案内をしたほうがよかったのではないかと思いました。  また、日々のご相談を受ける中でも、最近は「任意後見」について知りたい、という方が多くなっていることを感じます。平均寿命が延びている現在、自分の老後(いつからを老後というのかも疑問ですが……)は自分でプロデュースしたい、家族に迷惑をかけないように準備しておきたいとお考えになる方が多くなっているようです。

 私もこれからは「任意後見契約」について、皆さまに有益な情報をご提供できるように、もっと研究を重ねたいと思っています。

2010.8.10(火)

 前にお知らせした練馬区社会福祉協議会『ほっとサポートねりま』主催の「演劇でわかる成年後見制度」が、8月7日(土)に本番を迎えました。今回は積極的に広報活動を行い、当日の読売新聞東京版には結構大きく取り上げられたこともあり、練馬公民館ホールには230名ほどの観客が詰めかけました。

 私自身は本番を見ることはできませんでしたが、リハーサルをじっくり見せていただきました。「ほっとサポートねりま」の職員が劇団と一緒になって作り上げた劇ということで、プレ公演の際と内容的には同じですが、改良されたところが色々とみられて、さらにバージョンアップしていました。  劇中で、記憶や判断能力が低下してきたお父さんのために、家族が成年後見制度を利用しようとして、「ほっとサポートねりま」に相談に行く場面があり、そこでは実際の職員が登場人物としても「ほっとサポートねりま」の職員となって、家族に成年後見制度について説明をしていくのですが、その内容がプロジェクターで舞台上に映し出されるので、見ている側にもポイントが理解しやすかったと思います。

 

 ちょうど1時間程の劇なので、ストーリーもその中に納まるようにできていますから、実際の現場を知っている福祉関係の方々にとっては、こんなきれいごとでは済まないといった感想もあったかもしれませんが、制約のある中で感動的な場面もあり、制度の説明もありで、なかなかよくできていると思いました。

 成年後見制度の普及推進機関となっている各地の社会福祉協議会では、制度の理解や普及のために色々な取り組みをしていることと思います。寸劇や視覚的なものを使っての説明はやっているところもあるのでしょうが、本格的な演劇でそれをわかりやすく伝えようという試みは、珍しいことでしょう。しかも職員からの提案でそれが実現したということですので、実現までにこぎつけた職員の皆さんの熱意と、その熱意に応えて舞台を作り上げた劇団関係の皆さんの努力があったからこそ、見る人の心に訴える舞台になったのだと思います。

 来場してくださった方々からも、「感動的だった」、「演劇で見ると、成年後見制度について理解しやすかった」という声が多く聞かれたようです。

  「ほっとサポートねりま」では、演劇の前後に弁護士や司法書士による『相談会』も開催していました。

 

2010.7.19(月)

 前に地域福祉おたすけ隊のお出かけのことについて書きましたが、今回はお出かけ企画で「シンフォニー号に乗ってランチクルーズ」に行ってきたご報告です。

 7月12日(月)は朝から風が強い雨模様で、参加予定の皆さんも心配されているだろうなと思ったのですが、30名程の申し込み者のうち当日キャンセルの方はほとんどいらっしゃらなくて、まずは一安心。おなじみとなった目印の赤いバンダナを身につけた一団は、大江戸線汐留駅からゆりかもめに乗り換えて、日の出桟橋を目指しました。雨はそんなにひどくはなりませんでしたが、シンフォニー号に乗り込む頃にも降り続き、いつもの航路では揺れがひどそうとのことで、東京湾内の安全コースを周遊することになりました。

 4〜5人ずつのテーブルについた皆さんは、船のスタッフの説明を聴きながら、おしゃべりとおいしいランチを堪能していました。  せっかくなので、メニューをご紹介しましょう。


     〜ウィークディスペシャル〜

    〈オードブル〉
    夏野菜の煮込みと白身魚のマリネ

    〈メインディッシュ〉     ブランドポークの低温ロティーワサビ風味のソース

 

    〈デザート〉
    白桃のコンポート ヨーグルトソース
    季節のシャーベット盛り合わせ

    パン

    コーヒー または 紅茶

   
 なかなかヘルシーでおいしいお料理でした。
特にパンは自然な甘みがあって、おたすけ隊某代表は6回お代わりしたそうです

 食事が終わるころ「本日お誕生日のお客様がいらっしゃいます。お連れ様のリクエストでバースデーケーキをご用意しました」とのアナウンスが。見ると若いカップルの男性が、女性のためにサプライズで用意していたようで、びっくりした女の子はうれし涙を流していました。周り中のお客さんが拍手でお祝いする中、「いくつになったの?」との質問が……。女の子は嫌な顔もせずに「21歳になりました」と、はにかんで答えてくれました。かつての女の子たちは、自分の21歳の頃を思い出してかどうかわかりませんが、皆さん笑顔で若い二人を祝福していました。

 食事を終えると、思い思いにデッキに出てみたり、窓から外を眺めたりとゆったり時間を過ごし、最後に参加者皆さんで記念撮影をして、今回のお出かけ企画も無事終了となりました。

 天候が心配されましたが、雨は降ったものの、そんなに船が揺れることもなく、皆さんお元気で帰途に着かれました。聞くところによると、最年少の男性スタッフは船酔いで、その日は夜まで食欲がなかったとか……。お疲れさまでした。参加してくださった方々のほうがよほどお元気だったかもしれません。

2010.7.8(木)

 練馬区社会福祉協議会の中に「ほっとサポートねりま」という部署があります。そこは練馬区の成年後見制度推進機関となっており、成年後見制度についての相談を受けたり、制度の周知・普及活動、後見人のサポート等をしています。

 「ほっとサポートねりま」では、8月に成年後見制度を演劇にして、皆さんにわかりやすく解説するイベントを行います。  題して 演劇でわかる成年後見制度 『ある成年後見の物語』 〜アネモネ〜

 私はこの演劇のプレ公演を見る機会がありましたが、プロの劇団による物語は、高齢の方の身近な場面を取り上げて、どんな場合に成年後見制度が必要になるのか、ご本人はどんな気持ちなのか、周りの家族はどのようにかかわるのかといったことを、わかりやすく、そして自然に見せてくれる舞台でした。  今回はプレ公演を見た観客の意見を取り入れて、さらに進化しているものと思われます。

 お近くで興味のある方はぜひ見にいらしてください。

  成年後見制度の演劇公演   演劇でわかる成年後見制度『ある成年後見の物語』〜アネモネ〜

  場所:練馬公民館ホール
  日時:平成22年8月7日(土) 17時開場  17時半開演

 

 *詳細は下記のサイトをご参照ください。

 http://www.neri-shakyo.com/modules/news/article.php?storyid=309

2010.6.17(木)

 私事ですが、ひとり暮らしをしている私の実母が光が丘内の近くの団地に引越ししてきました。

 長年住み慣れた新宿から江戸川区の団地に移ったときには、両親と私、父方の祖母の4人家族でしたが、そこから私が結婚して出て行き、祖母が亡くなり、2年前には父も他界して、75歳になる母がひとりで暮らしていました。年齢相応に膝が痛いとか、新しいことは覚えにくいといったことはありますが、特に体に悪いところがあるわけではなく、なんとかひとりでやっていたのですが、やはり今後のことを考えると、今のうちに娘の近くに来たほうがお互いに安心だろうということで決心したようです。

 実は父が亡くなって割合すぐのときにも、そのような話が出たのですが、その時は母は引越しのことを考えただけで「大変だ」という思いが強く、夜眠れないとか食欲がなくなるという状態が続いて、結局軽いうつ状態にまでなってしまいました。  そのため、メンタルクリニックに通ってお薬を飲み、引越しもいったん白紙に戻すことにしたら、うつ状態は改善されました。

 その過程で、あまりに食欲がないので、どこか身体的に悪いところがあるのではないかと、色々と検査をしたら、本当に初期の胃がんがみつかるというおまけが付きました。結局、内視鏡で焼き切るという手術をして、事なきを得ましたが……。

 「引越しといっても、今はある程度お金を出せば、荷造りも業者がやってくれるから、そんなに心配しなくても大丈夫よ」といくら娘が言っても、やはり高齢になってから、ひとりで荷物を片づけて、大移動しないといけないということは、私たちが考える以上に大変なことなのだろうなと、つくづく感じました。

 そんなことがあったので、しばらくは元の家に住み続けるのかなと思っていたところ、昨年末あたりに、また「今度こそ、光が丘にいいところがあったら引越しを考えようかな」と母から話が出たので、今度は本格的に物件探しをしたところ、たまたまいいお部屋が売りに出ていたので、購入することになり、あれよあれよという間に引越しということになったのです。

 今回も母は「大丈夫かしら」と心配そうではありましたが、なんとか引越しにこぎつけ、無事光が丘の住人となったのでした。母が光が丘での生活に、早くなじむことができたらいいなと思いながら、 行政や金融機関の手続きに同行したり、買い物の場所を案内したりしています。

2010.5.31(月)

 今年度よりNPO法人成年後見推進ネット「これから」の会員になりました。

 その「これから」の春の会員の集い、ということで、昨日、任意後見を受任して活動している社会福祉士を講師にお迎えして「あなたのための任意後見」と題した講演会が開かれ、お話を聴いてきました。

 講師の方とは個人的にも面識があったので、どんなお話をされるのか楽しみにしていたのですが、実際に任意後見受任者として活動していらっしゃるので、その実践を通じて感じたこと、制度の理念だけでは片づけられない現実の難しさ等も含めたお話は、わかりやすくて説得力もあり、とてもおもしろかったです。

 講師の方が強調されたのは、自分が信頼できる任意後見受任者を見つけることが一番大事だというところです。

 私が特に印象に残ったのは、実際に活動するうえでは、制度だけ作ってすばらしい理念があっても、それを実現するだけの環境がまだ整っていないことを実感しているということと、契約を結んだご本人に感想を聞いたところ、今後のことについて安心できたので、契約をしてよかったし、受任者が専門職であれば、組織として不正防止の体制も整っているし、苦情申し立てもできるので、契約したいと思うだろうとの返事が返ってきたというところでした。

  講演会には行政で関係のお仕事をしている方や、病院関係者、議員さんも参加されていて、皆さんの意識の高さに感激しました。

 「これから」では任意後見や法定後見について、講演会を含めた勉強の機会を引き続き作っていく予定なので、私もまだまだ学んでいかないといけないと思いました。それと同時に、ただ話を聴いたり本を読んで身につける知識だけでなく、やはり実際に活動していくことでしか学べないことがたくさんあるのだろうということも感じています。

 2010.5.11(火)

 「地域福祉おたすけ隊」ってどんな人たちなのでしょう? 何を助けてくれるの?

 もともとは平成16年に練馬区が地域福祉の課題把握のために区内13か所で開催した、住民による地区座談会(地域福祉を考える会)から生まれ、その後も活動を継続している7か所のうちのひとつで、光が丘・高松・旭町・土支田地区のグループです。

 地域で顔の見える関係を作り、来るべき災害に備えましょう ということを主な目的として、実際には防災に関する講演会を企画したり、家具転倒防止器具の取り付けができない方のために取り付けを行ったり、ひとりではなかなか外出できない高齢者のために「お出かけ企画」を実行したり、地道に活動を続けてきました。

 私は前の仕事の関係で「おたすけ隊」の定例会にオブザーバーとして参加していましたが、職場を離れてから、最近メンバーとして参加するようになりました。

 その「おたすけ隊」の「大江戸線に乗って楽しもうシリーズNo.12 〜築地市場・朝日新聞社見学〜」が昨日5月10日に行われました。

 当初の定員は、朝日新聞社の見学定員の関係で40名だったのですが、参加希望者がとても多く、結局60名近くが集まりました。これでも泣く泣くお断りした方もいらしたそうです。

  一緒に行くスタッフは10名で、参加者を10名前後のグループに分けて担当を決めて責任を持つかたちにしましたが、これだけの人数の、しかも健脚ではない高齢の方と一緒に外出するのは不安もありました。ただ、皆さん自分のことは自分で責任を持つということが基本ですということはご了解いただいているので、築地へ着いても、昼食は各自自由にというかたちにしました。それでも結局はスタッフお勧めのお寿司屋さんで、30名以上がランチを堪能しました。

 朝日新聞社の見学は40名に限定されていたので、見学できない方が出てがっかりされるかなと心配していたのですが、別に「築地本願寺と聖路加タワーの展望室」コースを急きょ設定したところ、そちらのコースを希望した方も結構いらしたため、無事二手に分かれて見学することができました。

 私は築地本願寺コースに同行しましたが、一緒に行った方は「ひとりだとどうしても引きこもりがちになってしまうし、散歩もなかなか長時間は歩けないけれど、こういう機会があると、皆さんと一緒に結構たくさん歩いてしまうからいいのよね」とおっしゃっていました。

 この「お出かけ企画」始めた頃は参加者よりもスタッフのほうが多いのでは、という感じでしたが、回を重ねるに従って参加者が増え、このところは企画を発表したとたんに申し込みが入って、情報誌等で公に広報する頃には、すでに満員に近いという状況になってきました。  ただ、一度参加してくださった方がまた次も申し込むというかたちが増え、そうすると人数の関係で、なかなか新しい方に参加していただけないということになり、スタッフとしてもジレンマに陥りそうです。

 それでも、この会の目的のひとつである『地域で顔の見える関係を作る』というところは、着実に達成されつつあるのではないかと思います。

 次回の「お出かけ企画」は、なんと豪華!! 「クルーザーに乗ってランチを食べてみませんか?」ということで、7月12日(月)にシンフォニー号でのランチを計画しています。昨日、この企画を発表した時点で、すでに多数の方が申し込みされたそうなので、きっとこれもすぐに満員となることでしょう。

2010.4.16(金)

 光が丘内の他の団地で、民生委員さんを中心に高齢の居住者の集まりを定期的にもっているところがあります。その中の希望者で光が丘近くにある介護付き有料老人ホームを見学するツアーがあるということで、便乗させていただきました。

 ちょうど見学の日は施設内で若い女性の音楽家によるアルパ・フルート・ピアノのコンサートが催されており、まずはそれを聴いてから、職員に案内していただいて施設内を見学しました。

 もともと医師が創設した施設なので、敷地内に診療所が併設され、入居時は自立していないと入れませんが、その後介護が必要になった場合には、医師や看護師の意見と、本人の同意によってケアセンターに移ることができることになっています。認知症の方も、身体的にお元気であれば、その人に合った接し方で、なるべく普通に生活できるように心がけているとのことでした。

 施設自体は設立から25年経っているそうなので、真新しくはありませんが、内部も清潔感があって落ち着いた雰囲気です。入口を入るとロビーから桜の木のあるお庭が見えて、光が丘公園もすぐ近くにあるので、お散歩するにはちょうどよい環境です。

 気になるのは費用のことです。入居一時金が、年齢と部屋の広さによって異なりますが3200万円〜4500万円前後で、それとは別に管理費と食費等で月々20万円弱かかるとか。持家を処分して入る場合は一時金がなんとかなっても、年金だけで毎月の費用をやりくりするのは結構大変だろうなと思います。ただ、食事も吟味した食材を使用し、味も高齢者施設によくある薄味ではなく、おいしさを追求しているそうですし、医療体制も整っているので、入居できたら快適かもしれません。特に高齢の親を抱える子どもの身としては、親が近くのこのような施設に入っていたら、安心できるでしょう。

  いずれにしても、老後をどのように過ごすかということは、元気なうちにこのような施設に入るのか、最後まで住み慣れた家で過ごしたいのかということも含めて、ある程度の年齢になったら自分で考えて、家族にも希望を伝えておくほうがいいのだろうなと思います。ともすると子どもの都合で親が振り回される可能生がなくもないですし、もちろん、子どもは親にとって良かれと思ってすることが多いのだと思いますが、それが本当にご本人にとってうれしいことなのか、ということを、よく考えてみる必要があるのかもしれません。

 当日開催されたコンサートには、入居者だけでなく、家族や入居者のお友達等100人以上が聴きに来ていて、普段は食堂として使われている会場は満員の盛況でした。  アルパというのは南米の民族楽器でハープのような形をしていますが、とても魅力的な響きで、クラシックからJ-POPまで、幅広いレパートリーの曲を楽しむことができました。

 内部の居室や診療所、入浴場までみせていただきましたが、なかなか貴重な機会だったと思います。この施設では食事の試食や体験入居もできるそうですし、見学は随時受け付けているとのことです。施設への入居を考える場合は、見学だけでなく、一度体験入居をしてみるほうがいいのでしょうね。

2010.3.30(火)

   きょうは私の祖母の女学校時代からのお友達に会いに、青梅線の羽村にある特別養護老人ホームを訪ねました。春休みで家にいた娘も一緒です。 

 私の祖母はもう10年ほど前に亡くなりましたが、その祖母には女学校時代から仲の良かったお友達が二人いました。学年は違っても寄宿舎で一緒だったそうです。

 私はずっと祖母と一緒に暮らしていましたが、よくそのお二人は我家にも遊びにこられていました。そのうちお一人は何年か前にお亡くなりになりましたが、もう一人のお友達が102歳で特別養護老人ホームで暮らしていらっしゃいます。

 私の祖母はきちっとした人で、私は孫として可愛がってもらいましたが、しつけには厳しい面もありました。それに対してお友達は全く違うタイプで、ちゃきちゃきしていながらおおらかな方です。今考えると、違うタイプだからこそ、祖母にとっては心の拠り所になるかけがえのないお友達だったのだろうと思えます。  若いころからずっとお着物を素敵に着こなしていらして、80代になってから絵を始めたり、意欲的で楽しい方なので、私も子どもの頃から大好きな祖母のお友達でした。

 ただ、ご家族には恵まれず、ご主人を早くに亡くし、息子さん、お嫁さんも次々と亡くなられてしまったので、結局お一人でずっと郊外の特養に入っていらっしゃいます。

 私はその方が99歳になったお誕生日の頃から、1年に1回はお顔を見に行くようになりました。100歳のお誕生日はまだお元気で、私のことも覚えていてくださっていました。 でも、さすがに年齢とともに記憶があいまいになり、きょうは言葉もなかなか出てこない感じでした。ご本人もそんな自分のことをふがいなく思っている様子が伝わってきます。

 実は私の娘は小さい頃からバイオリンを習い始め、ちょうど祖母の喜寿のお祝いのときに、始めたばかりのバイオリンを披露したことがあります。なので、今度大学生になります、ということで、バイオリンを抱えて一緒に行き、ご本人の前で演奏を聴いていただきました。 こういうときにバイオリンはいいですね。どこへでも持って行って、すぐに弾くことができます。娘のことは多分わかっておられなかったと思いますが、目をつぶって、手を合わせて聴いてくださいました。

 帰りがけも、とても名残惜しそうにエレベーターの前で見送ってくださいました。こちらも「また来ますからね」と言いながら、施設を後にしました。

 この方、関係者は遠縁の方ぐらいしかいらっしゃらないようですが、訪ねてくるお客様は多いそうで、施設の職員も「先生か何かしてらしたのかと思いました」と話していました。きっとお人柄なのだろうと思います。私もまた機会を見つけてお顔を見に行きたいと思っています。

 一緒に行って心のこもった演奏をしてくれた娘にもありがとう!

 ちなみにその娘は、この春から大学の看護学科に進みます。

2010.3.9(火)

 東京都行政書士会練馬支部では区内の高齢者センターや区民センター、敬老館等で「相続と遺言」に関する講演と無料の個別相談会を開催しています。

 昨日は東大泉敬老館で行われ、日頃敬老館を利用している方を中心に参加してくださいました。講演の後の個別相談に残ってくださった方も、現在抱えている心配事について相談されたり、ご自分で書いた遺言書を持参して、「これで大丈夫か確認してほしい」という方もいらして、皆さん、ご自分のもしものときのことや、残されたご家族のことをしっかり考えていらっしゃるなということをあらためて感じました。

 次回は3月19日(金)午後2時から練馬区役所19階会議室にて、講演と相談会を開催する予定です。 そして、次回は私が最初にお話しをする役目を仰せつかりました。何をどのようにお話ししたら皆さんに理解していただけるか。わざわざおいでくださる方に、聞いてよかったと言っていただけるように、いま一生懸命に考えているところです。

2010.2.15(月)

 昨日の続きになりますが、成年後見制度が一気に広まっていかない理由のひとつとして、家庭裁判所に申し込み(申し立て)をしないといけないという点もあるのかもしれません。裁判所というと、なんとなく刑事事件のイメージがあって、そういうところにお世話になるのはちょっと…と躊躇される方も多いようです。

 昨日観た啓発ビデオの最後に弁護士が、「成年後見制度を、よりよく生きるための道具のひとつとして利用すると考えれば、一歩前に踏み出せるのではないか」とお話されていましたが、そのとおりだと思います。

 家庭裁判所も成年後見制度を利用してもらうために、相談窓口を設けていますし、後見人になった後でも、わからないことや不安に感じることがあれば、電話ででも相談に応じてくれます。この制度を必要とする方がなるべく多く利用することによって、制度自体がもっと使い勝手の良いものになっていくことでしょう。

2010.2.14(日) St. Valentine's Day

 練馬区社会福祉協議会の権利擁護センター「ほっとサポートねりま」主催による講演会 『成年後見制度〜それぞれの幸福』に参加してきました。

 (財)シニアルネサンス財団事務局長 河合和(かわい やまと)氏による「成年後見制度の理念と現状」というタイトルの講演と啓発ビデオの上映がありました。  講演では、成年後見制度を理解するためのキーポイントを七つ挙げて、制度の理念や仕組み、介護保険との関係、なぜこの制度が必要なのかといった点について簡潔にわかりやすく説明がありました。

 その中で、本来後見制度を利用すべき人は500万人はいるはずなのに、実際には17万人程度しか利用していないという現状も示されました。制度の利用が進まない一因として、行政が措置として福祉的支援を行っていた時代から、せっかく自分でサービスを選んで契約するという仕組みに変わったにもかかわらず、サービスを使う側の我々市民に、自分の意思で選んで利用するという意識がなかなか浸透していかない点があるというお話しに、なるほどそうだなと納得するところがありました。  ただ、たくさんあるサービスの中から自分に合ったものを選ぶためには、制度やサービスについての情報がまず必要になるので、そういう情報を必要な方にお知らせするのも私の役割なのではないかと感じました。また、各地域の社会福祉協議会では「ほっとサポートねりま」のように成年後見制度についての勉強会を開いたり、利用についての相談にも応じていますので、疑問のある場合は一度相談してみられるといいのではないかと思います。ただ、そのような機関での対応にも限界がありますので、もっときめ細かい情報がほしい、実際に利用するまでサポートしてほしいという方はぜひ一度当事務所にご相談ください。何がご本人や家族にとっていいのかという視点で、ご一緒に考えていきたいと思っています。

  講演会の最後に観たビデオの中に、ご主人を亡くしてひとり暮らしになり、悪徳商法にひっかかってしまうお年寄りが、後から気付いた息子に問い詰められる場面がありました。お母さんを軽い認知症と診断した医師が「一番辛いのはご本人なんですよ」と息子に対して言っていたのが印象に残りました。余計なものを買ってしまったとか、片付けができない、といった行為にばかり注目してしまいがちですが、ご本人のとまどい、気持ちに想いを寄せることが大事なのだということを忘れてはいけないと思いました。

  帰りがけに新宿へ出て、TOPSのチョコレートケーキをお土産に買って帰りました。ちょっとだけバレンタインデーの気分?

2010.01.30(土)

  ここ何年か、この時期に冬の葉山の海に会いに行くのが恒例となっています。夏の湘南は海水浴客で賑わっていて、たどり着くのも一苦労というイメージがあるので、あまり好きではないのですが、冬の葉山の海は静かで、何十年経っても変わらずにいてくれます。あと何十年もきっとこのまま変わらないのだろうな、という感じがして、毎年ここで夕陽が沈むところを眺めて、1年分の元気をもらって帰ってきます。

 昨年は江ノ島へ行って、しらす丼を食べてから葉山へ行きました。鎌倉を経由したこともあります。あの辺りには見るところがたくさんあって、何度行ってもあきません。

 今年は風もあまりなく、お天気も良かったので、比較的暖かでした。
ちょうど5時前後に日没を迎えますが、だんだんに夕陽が落ちていき、

最後はあっという間に太陽が水平線に隠れてしまいます。

 そうすると、今までみえなかった富士山がシルエットとなって浮かび上がるのですが、それがまたいいんです。

 ちょっと見難いですけれど、

シルエットの富士(右側)です。

さて、この自然の美しさや波の音に元気をもらったので、また今年1年頑張ろうっと!

2010.01.27(水)

 練馬区社会福祉協議会 練馬ボランティア・市民活動センターが主催する地域市民講座に参加してきました。今回のテーマは“練馬で身近な「貧困」を考える”です。新宿で路上生活者の支援をしている「スープの会」代表 後藤浩二さん、路上生活者緊急一時保護センター練馬寮の指導員 鈴木健一さん、婦人保護施設いずみ寮の施設長 横田千代子さん、国際協力団体「シャプラニール=市民による海外協力の会」前ダッカ事務所長 藤岡恵美子さんがシンポジストとしてそれぞれの活動について話をして、そこから見えてくる「貧困」の実態や地域とのかかわり、抱えている問題点等にも言及してくださいました。

 今回の講演会は定員が100名のところ、120人もの参加希望者があったと聞きました。それだけ「貧困」問題に対する関心が高まっているのでしょう。そして、面白いと思ったのは、今回は単なる講演会だけに終わらずに、講演会を聴いた人が希望すれば、それぞれの団体や施設で活動を体験できるプログラムが用意されている点です。話を聞いて興味を持った人が、では実際にはどのようにボランティアや地域の人がかかわっているのか、というところを自らが活動に参加することによって実際に体験できるプログラムは、「ボランティアとして関わってみたいけれど、いきなり1人で参加するのは心細い」という人でも、安心して参加できるものだと思います。 そのうえ体験した後、別途日にちを設けて、振り返りをすることになっているそうです。

 そこまで丁寧にフォローしてくれる講座はなかなかないだろうと思います。

 この講演会の中で私が印象に残ったことは、様々な困難を抱えて路上生活をしている人も、婦人保護施設に入っている人も、海外で貧しい生活をしている人も、みな「仕事をしたい」という気持ちが強いということです。自分が社会の中で役に立っているという実感を得るためにも、仕事をしたいと考えている人が多いということ。そして、たとえ地域での生活に踏み出せたとしても、地域の中で孤立しがちでは生き難いんだなということです。地域の人や施設が関わることによって、「あなたは1人ではないんだよ」というメッセージを繰り返し伝えていくことは、とても大事なのだなと感じました。

2010.1.9(土)

  昨年12月に日本ボランティア・コーディネーター協会(JVCA)が主催する『ボランティアコーディネーション力検定(3級)』の試験を受けたのですが、無事合格の通知と認定カードが届きました。

 JVCAの定義するボランティアコーディネーション力とは、以下のとおりです。

『ボランティア活動を理解し意義を認め、その活動のプロセスで多様な人や組織が対等な関係でつながり、新たな力を生み出せるように調整することで、一人ひとりが市民社会づくりに参加することを可能にする力』

 価値観が多様化する現代社会の中では、このようなコーディネーション力が求められる場面が多くなると考え、ボランティアコーディネーションの重要性を多くの人に知ってもらうとともに、 その力を身に付けた人が地域社会の中で力を発揮できるようにするために、検定というシステムを開発したそうです。

 3級はその一番基礎となるもので、1日の事前研修+試験によって、ボランティアコーディネーションに関する基礎的知識の理解度を審査し、協会が定めた合格基準に達した人を合格者としています。

 この事前研修でボランティアについての理解や市民社会とボランティアコーディネーションといった基礎的なことを体系的に学べるので、その点はとてもよかったです。

 自分のこれまでやってきた仕事を振り返ることができたので、これをまた、今後の地域の中での活動に活かしていきたいと思います。

 「ボランティアコーディネーション力検定」については以下のJVCAのホームページをご覧ください。http://www.jvca2001.org/modules/pico/jigyo/kentei.html

2010.1.4(月)

 明けましておめでとうございます。

 日付を思わず2009と打ってしまって、「もう2010年なんだ」と思い直しました。まだ頭が切り替わっていない証拠ですね。いけない、いけない!!  今年も人との出逢いを大切にして、一つひとつの仕事をしっかりやっていきたいと決意を新たにしております。何より毎日を楽しんで過ごしたいと思います。

 これを読んでくださっている皆様にとっても、良い1年でありますようにお祈りしております。

 さて、お正月を過ぎてからクリスマスの話題で申し訳ないのですが……

 毎年12月25日の夜中に「小田和正のクリスマスの約束」という音楽番組をやっています。当初は小田さんが手紙を書いて出演をお願いしても、誰もゲストが来ないという状況だったのが、毎年何組かのゲストが登場するようになり、今回は20組以上のアーティストが、それぞれの楽曲の一部をメドレーにして全員で歌い倒す、という趣向でした。   選ばれた楽曲が一流だし、もともと歌の実力がある人たちばかりなので、本番のメドレーは歌の完成度も高く、感動しないわけがないというものでした。何よりアーティスト自身がとっても活き活きと楽しそうに歌っている様子が画面からもヒシヒシと伝わってくるのです。その様子を見ていて、私はふと昔大好きだった音楽番組を思い出してしまいました。 1970年代にNHKで毎週放送されていた「ステージ101」という番組です。これはオーディションで選ばれた「ヤング101」というメンバーが歌って踊って、時にはコント風のことまでやる、いわゆる音楽バラエティのはしりみたいなもので、私はこの番組を通じて当時流行っていた洋楽を覚えたような気がします。

 今回のメドレーと「ステージ101」に共通するものを考えてみました。すると、いずれもメンバー一人ひとりに実力があり、ちゃんと自分を確立している。それぞれが忙しい時間を割いて練習を重ねて、本番に臨んでいる。ソロもあるけれど、アンサンブルが主になっている。 そんなことが思い浮かびました。

 ソロもいいけれど、完成度の高い個が集まったアンサンブルは、ソロにはない感動を聴く者にも、そしてアーティスト自身にももたらすのではないかなと思います。それはやってみた人にしかわからないものなのかもしれません。そんなアンサンブルの中に、お互いを尊敬し、思いやる気持ちも生まれるのだと思います。

 そういうことって、音楽だけではなくて、私たちの生活している社会の中でも同じなのではないかなと、ふと思ってしまいました。

 「曲の一部をつなげて歌って、それでどうなるの?」 と小田さんに疑問を呈した若いアーティストにも、あの小田和正によくそういうことをはっきり言えるなぁと、ある意味感心しましたが、そんな周りの声に対しても真摯に耳を傾けつつ、へこみながらも「それでもとりあえずやってみようよ」とみんなを引っ張って、あの本番にこぎつけた小田和正というアーティストは、やはりすごい人だなと、ますます好きになりました。

2009.12.24(木)

 きょうはクリスマスイブですね。皆様に素敵なクリスマスがやってきますように!

 最近読んで感動した本のご紹介です。新聞やテレビCMもやっていたようなので、ご存知の方も多いかと思います。

 『神様のカルテ』 夏川草介著 

 信州の24時間365日対応の小さな病院で働く内科医「栗原一止」は、医師不足のために専門分野でない患者に対応しなくてはいけなかったり、何日も睡眠がとれないこともしばしば。  そんな栗原が母校の医局からの誘いに迷いながらも、結局はそこにいる患者たちと精一杯向き合うことを選ぶという話。

 ストーリー自体はそんなに目新しいものではないと思うのですが、登場人物が皆ひと癖もふた癖もあるのに妙に魅力的で、感動を呼び起こすのです。電車の中で読んでいたら、目がウルウルしてきて困りました。主人公が夏目漱石を敬愛していて、その漱石調の語り言葉も何とも言えない味わいを出しています。 

 私はいつも前を向いて進まなくちゃと自分に言い聞かせているようなところがあったのですが、立ち止まることの大切さに気付かせてくれたような気がします。

2009.12.20

 2009年10月にスタートした若年認知症ねりまの会「MARINE」のクリスマス会に参加しました。 若年認知症のご本人や家族を支えあう仕組みづくりをめざすグループで、家族同士、本人同士の交流の場としての集いを開催しています。

 プログラムは1部と2部に分かれていて、1部では家族同士が話し合いをしている間に、若年認知症のご本人はスポンジケーキにデコレーションをしてケーキ作り。ケーキが出来上がった頃に2部のクリスマス会が始まりました。プロによるキーボードの弾き語りでクリスマスソングやお気に入りの歌をリクエストして楽しみ、手作りケーキを味わった後にはビンゴ大会。

 若年認知症の方々はご夫婦で参加していましたが、皆さん生き生きと楽しそうな様子でした。仕事で要職にあって、ストレスが溜まっていた方が、若年認知症をきっかけに仕事も休み、かえってほっとして、新しい生き方ができるようになったのかもしれないと奥様がお話しされるのを聞き、お互いを気遣いながら楽しそうに過ごしているご夫婦の姿を見て、なんだか心が温かくなりました。

 認知症の家族会というのは各地にできてきましたが、なるべく近くに、安心して参加できる場、本人も一緒に行かれるような場があることは、ご家族にとっては大きな心の支えになるのだろうと思います。

2009.11.16(月)

 今年は同窓会が目白押しです。7月の中学に始まり、特に11月は高校のクラス会、福祉系専門学校の同窓会交流会、大学のクラブの同期会と週末のたびに何かの行事が入っています。今年は私の同期にとって節目の年(敢えて何歳とは申しません)ということも理由の一つだと思います。

 卒業以来何十年ぶりという再会でも、ちょっと話すとすぐ当時の感覚に戻ってしまうのがクラスメイトの不思議なところです。そのうえ、学生時代にはあまり親しく話したことがなかったような人とでも、今のほうが自然に、あたかも元からの友達だったかのように話ができるような気がします。同じ時代と場所、経験を共有した者同士の仲間意識といったものなのでしょうか。

 再会をきっかけに、お互いの仕事関係でつながりがあることを発見したり、趣味の世界を共有できたり、そこからまた新たな広がりが生まれるということを実感して、そのような出会いやつながりを大事にしたいなと、あらためて思うこの頃です。

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