酒井玲子の日々

2009年9月15日(火)
 「酒井玲子の日々」をおとずれてくださって、ありがとうございます。
どうやってここにたどり着かれたかはわかりませんが、これも何かのご縁です。
酒井玲子ってどんな人間なの? と興味を持っていただけたら、時々のぞいてみてください。

 私自身は、一期一会を大事にしたいと思いながら日々生活していますので、そんな酒井玲子のつぶやき、出会った人々、読んだ本の感想、失敗談(たくさんあってこまるだろうなぁ)、もちろん仕事のうえで参考になるようなことも、色々と徒然なくままに書いてみたいと思っています。

 2023年7月26日(水)
 このページを書き連ねてから14年が過ぎました。なかなかマメに更新できませんが、これからも私が出会った出来事を書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いください。

追悼 大切な友人

事務所開所10周年に頂いた胡蝶蘭  園芸担当者の手により毎年花をつけます

2022年の誕生日に届いた花束と

2023年の誕生日

 2024年4月7日(日)

 昨年の5月にある男性が亡くなりました。私にとって友人というのも変な感じがする、不思議な関係のSさんは、色々なことを私に伝え、多くの物を残してくださいました。

 最初の出会いは私が社会福祉士の資格を取るための勉強をしている時、ボランティアで参加したある自治体の社会福祉協議会のお出かけイベントでした。そこに脳血管性認知症で車いすを利用しているお母様と一緒に参加していたのがSさん。タクシーを使った八景島シーパラダイスへのお出かけで、各家族に1名ボランティアが同行してお手伝いをすることになっていたのですが、まだ福祉の勉強途中で、ましてや介護の理論も技術も持ち合わせていない私は、車いすの操作も良くわからず、ただ、お母様を介助するSさんを見ていることしかできませんでした。何のために同行したのだろう、もっと何かできなかったのかなと、お出かけが終わってからもモヤモヤした気持ちが続いたので、そんな率直な気持ちをお手紙に書いて、Sさんに送ることにしました。
 すると、Sさんから「一度うちに遊びにいらっしゃい」とお誘いをいただき、ご自宅に伺ったのがSさんとのお付き合いの始まりになるのでしょうか。お話を伺うと、お父様は何年か前に亡くなり、一軒家のご自宅でお母様を一人で介護しているそうで、もちろんヘルパーさんは入っているけれど、デイサービスには行っておらず、介護についても一人で色々と研究してしっかりした考えを持ってやっていることが感じられました。
   その後は1年に1,2回お家に遊びに行くほかに、クリスマスにカードやちょっとしたプレゼントを贈り合ったり、誕生日にメールのやり取りをしたりということが続きました。遊びに行った時に教えてもらったのが、近くのケーキ屋さんで作っているという「タルトタタン」。Sさんはそれをお母様と「タッタラタン」と言い合って、3人で楽しく美味しく食べました。この「タッタラタン」の例のように、Sさんはとてもユーモアがあって、誕生日プレゼントは前後6か月いつでも受付中とメールに書いてあったり、そのやり取りはとてもほっこりするものでした。私の行政書士開業10周年に蘭を送ってくださったのもSさんです。

 何年かそのような時間が流れた後、お母様の具合が悪くなり、結局病院で亡くなられました。亡くなる少し前に病院にお見舞いに行くことができ、ご葬儀にも参列させていただきました。

 その後も思い出したように遊びに行っていましたが、ある時「しばらく冬眠するので連絡できなくなります」とのメールが。私はあまり深く考えもしないでいましたが、何か月後かに連絡が来た時には、癌になって入院治療していたとのこと。家に戻られてからも抗がん剤治療を続けていらしたようですが、なかなか合う薬がなく、色々と試しているとお聞きしました。

 その後も年1回程度お会いして近況報告し合うような感じでしたが、お亡くなりになる半年前位に、ご自宅近くの病院に仕事で行く用事ができたので、お会いできないかと連絡したところ、わざわざ病院まで迎えに来てくださって、ご自宅でお話ししたのが最後になってしまいました。ご病気のことも詳しいことは知りませんでしたし、よく考えたらご本人のこともほとんど何も知らないまま来てしまいました。
 私の誕生日には、ここ何年か花束を送ってくださって、お亡くなりになった年(2023年)の私の誕生日にも素敵なバラの花束が届きました。

 そして5月のある日、突然Sさんの訪問看護師さんから電話が。「Sさんが危ない状態です。やっと連絡してもいいとご本人がおっしゃったので、電話しました」との言葉に、しばらく状況が呑み込めないでいましたが、これは早く行った方がいい!と、入っていた約束を調整してご自宅に駆けつけたのですが、本当にちょっとの差で最期には間に合いませんでした。聞いたところによると、その前にも入院していたけれど、ご本人の希望でご自宅に帰ってきたところだったそうです。ご本人もこんなに早く逝ってしまうとは思っていなかったようで、これからまだやりたいこと、やらなくてはいけないと考えていたことがあったのだろうと思うと残念でなりません。 

 Sさんはご両親が既にお亡くなりになっているので、親族はご兄弟お一人だけですが、日頃からあまり関係が良くなかったうえに、そのご兄弟も体調が悪く、火葬、埋葬はお付き合いのあったお仲間が中心となって取り仕切ってくださり、私も立ち会わせていただきました。ご本人が亡くなってから初めてお会いした方ばかりでしたが、皆さん温かく輪の中に加えてくださって、私が知らなかったSさんの若い頃のお話なども聞かせていただきました。

 『ご縁』というのは本当に不思議なものだと思います。ちょっとしたきっかけで知り合ったSさん。私がお手紙を出さなければ、その後のお付き合いは無かったでしょうし、Sさんの生き方や考え方から色々と学ぶこともできなかったと思います。何よりユーモアの大切さを教えていただきました。これからも、気になることは自分なりに納得いくまでやって、色々なご縁を大切に、そしてユーモアを忘れずに生きたいと思います。

  このブログはずっと書きたかったのですが、うまくまとめられなくて、今頃公開することになりました。それでも思うようにまとまらず長文になってしまいました( ;∀;)。

もうすぐSさんの1周忌になります。感謝を込めて。

 

講演会「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その2

2023年7月25日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからが主催した上記の講演会は、7月2日(日)10時~12時 石神井公園区民交流センターで開催されました。講師はその1でお願いすることになった経緯を記した高林克日己先生です。

 当日は日曜日の午前中、暑い中にもかかわらず100名を超す方にご参加いただきました、在宅医療や事前指示書について、あらためて皆さんの関心の高さを実感したところです。

 講演の前半は、日本の人口推移や今後の人口構成予測といった統計的な資料を示して、このままいくと少子高齢化がどんどん御加速して、老々介護や孤独死が増え、病院も満床で医療崩壊が起こることが予想されるので、救命第一という今までの医療に対する考え方を大きく変えなければ未来はないという話をされ、在宅医療へのシフトを提唱されました。高林先生曰く、医療資源や医療費の問題だけではなく、在宅医療がご本人にとって幸せだから勧めるのです、とのこと。在宅医療を受けながら自宅で過ごす患者さんの、穏やかな表情や素敵な笑顔の画像を披露してくださいました。

 後半は、人間の終末期にはどのようなことが起こるか、延命治療にはどのようなものがあり、自分の終末期の希望を書いておく事前指示書がないとどうなるのかというお話があり、事前指示書の重要性を説明されました。参加者にお配りした資料には、高林先生が提案される事前指示書も付けておきました。

 そして最後には、患者さんたちを連れて欧州旅行をした時(今までに21回も行かれているそうです!)の画像を映して、いきがいがあると人生は楽しく生きられることを強調され、「皆さんも楽しく生き抜きましょう」と締めくくられました。

 終了後に回収したアンケートには83名の方から回答をいただき、「このようなお話が聞きたかった」とか「帰ったら早速事前指示書を書こうと思います」といった声が多く見られました。

 お忙しい中で練馬にお越しくださって、貴重なお話をしていただいた高林先生には感謝の気持ちでいっぱいです。私は講演会の時に初めてお会いしたのですが、とても素敵な方で、もっと色々とお話を伺いたいと思いました。

 

↑ 講演会の様子   ↓ 高林先生

オレンジカフェアリスと関根奈々さんのコラボ展

2023年5月31日(水)

 光が丘のNPOむすびでやっているオレンジカフェアリスは、5/12-14の3日間、練馬駅すぐの練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)にある産業イベントコーナーにおいて、関根奈々さんとのコラボ展を開催しました。

 奈々さんは知的障害がありますが、独特のイラスト的な絵を描いて、展覧会で入賞したこともあります。その奈々さんの作品の展示と、関連グッズの販売をする一方、アリスに参加している方が作った作品の展示・販売や、水引アクセサリーのワークショップも行いました。
 中には95歳の方が丁寧に作って袋物もあり、93歳の方はお得意の布草履をコツコツ作って出品してくださいました。亡くなった奥様の絵を出してくださった方もいて、会場に花を添えてくださいました。
 当日はアリスの参加者が交代で受付や販売員を務めながら、自分たちも楽しみました。スタッフも含めると1日平均100人以上の来場者があり、初めての試みとしては良かったのではないかと思います。

 今回の企画は、アリスのリーダーが関根奈々さんのお母様と知り合いだったというご縁で、アリスとして奈々さんを応援したいという気持ちから企画されたものですが、アリスは高齢の方だけでなく、障害のある方も子どもたちも、誰もが安心して生活できる地域を目指す、インクルーシブな活動をしていることを発信する機会にもなったと思います。

 また、コラボ展を訪れてくださった福祉事務所の所長さんに、アリスで福祉事務所についてお話をしていただけないかと直談判(?)したところ、週明けすぐにご連絡をいただき、高齢者支援課かの方がアリスを見学に来てくださいました。また、コラボ展の隣のホールで「看護の日」というイベントをやっていたのを覗いてみた際には、地域の在宅看護の事業所さんにもアリスでのお話をお願いしたところ、こちらもすぐに連絡をいただき、近いうちにアリスに来てくださることになりました。これにはこちらからお願いしてみたものの、その反応の速さにこちらのほうがびっくりしてしまいました。なんとありがたいことでしょう!

 

コラボ展の隣に朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士がいたので、一緒にパチリ!

NPO「これから」の講演会
「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その1

2023年7月18日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからの今年度のメインイベントである講演会が、7月2日(日)午前中に石神井公園区民交流センターで開催されました。
 講師には「高齢者終末医療 最良の選択」の著者であり、松戸市の医療法人社団鼎会 三和病院顧問である医師の高林克日己氏をお迎えして、100名を超える参加者の皆さまが熱心に耳を傾けてくださいました。

 当日参加者にお配りした資料に、理事長としてのご挨拶文をつけたのですが、そこから抜粋したものを載せたいと思います。

 『…本日の講師である高林先生は、現在は松戸市の三和病院にお勤めで、ご自身が在宅医療にも関わって、地域に根差した医療を実践されているお医者様です。そのような高林先生を講師としてお迎えすることになった経緯を、ここで少しお伝えしたいと思います。
 私はNPOの活動を通して、また個人的にも成年後見人の活動を通して、支援している方の医療や看取りにも関わることが多く、また自分の家族や自分自身も最後の時をどうしたら自分らしく穏やかに過すことができるのか、いわゆる終末期の医療や介護の在り方について関心を持つようになりました。そんな時に出会ったのが高林克日己先生が書かれた『高齢者終末医療 最良の選択 ~その基礎知識と生き方のヒント~』(2016年 扶桑社)という本でした。それだけであれば、そのような書籍を出版されるようなお医者様、しかも千葉の病院の先生にご講演をお願いしようとは思わないのですが、そこに不思議なご縁がありました。
 後日、私の卒業した高校の同窓会誌を読んでいたところ、同窓会の記念講演で、卒業生であるお医者様が「最期まで自分らしく生きる」というタイトルでお話された内容をまとめたものが掲載されていました。そのご講演をされたのが高林先生だったのです。
 珍しいお名前なのできがつきましたが、そうでなければそのままになっていたかもしれません。そこにもご縁を感じてしまった私は、ぜひ「これから」の講演会でもお話をしていただきたいと熱望し、単に同じ高校の卒業生であるというだけの伝手を使って、厚かましくも先生にお手紙を書き、病院宛に講演の依頼書をお送りしました。
 ダメで元々の気持ちでしたが、直ぐにメールでおのお返事を頂戴し、しかも講演についても「いいですよ」と快諾していただきました。この時は、本当に「願いは通じるのだな」と感激したことを覚えています。それが2019年の秋ごろのこと。その後、新型コロナウィルスの感染拡大が顕著になり、せっかくの高林先生の講演会も残念ながら中止の判断をせざるを得なくなりました。
 それから2年たった2022年の秋。コロナの感染も少しずつ収まり、大勢の人が集まるイベントも開催可能になったのを機に、あらためて高林先生にご講演をお願いしたところ、今回も快くお引き受けいただいて、ようやく本日を迎えることができました。

 先生の今回のご講演のテーマは、私ども「これから」としても、個人としてもじっくり考えなくてはいけないこと、そして悩みつづけなくてはいけない大事なことだと思っていますので、本日は皆さまと一緒に学ばせていただきたいと考えております。
 そして、参加してくださった皆さまにとっても本日の講演が、ご自身やご家族、支援する方々のこれからを考えるうえでの一助となることを願いつつ、ご挨拶とさせていただきます。2023年7月2日』

9月のこれから塾

2020年9月21日(日)

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練馬高野台駅高架下の街かどケアカフェこぶしで開催している「これから塾」は、8月に再開することができ、真言宗僧侶で1級FP技能士の高橋泰源氏に動画によるお話をしていただきました。できることを何とか続けたいということで、9月は私、酒井が「死後の手続きと相続問題」というタイトルで、パワーポイントの資料にナレーションをつける形で、やはり動画を上映しました。今回は私もその場にいたので、上映後の質疑応答には直接お答えすることができました。

 人が亡くなった後にやらなくてはいけない手続きを時系列で説明し、特に期限のあるものには注意するようにとお伝えしました。相続については、誰が相続人になるのか、そして被相続人の財産をどのように調べるかといったことから、遺産分割協議で注意すべきことについても説明しました。

 自分の親や配偶者の相続については、本人がある程度元気な時から、本人の相続人が誰になるのか、どのような財産をもっているのか、といったことを把握しておいたほうがよいこと、相続人となる親族とは日頃からコミュニケーションを図っておくと、いざというときに揉めることも少なくなるのではないかということ。親の介護を担っている兄弟姉妹がいたら、日頃から感謝の気持ちを伝えたり、たまには介護を代わって休む時間を作ってあげる等、相手の立場を想像して思い遣る気持ちが大切ではないか、といったこともお話ししました。
 また、成年後見制度と死後事務についてや、民法の改正によって変わったこともまとめてみました。

 私としても、パワーポイントにナレーションを入れるというのは初めての試みでした。何度もナレーション部分を録音し直すことになり、最後には呂律が回らなくなり、気力も途切れそうで苦労しました。また、自分のパソコンではうまくできていたものが、当日会場でお借りしたパソコンで再生しようとしたところ、音声が出ずに慌ててしまいましたが、別の方法で保存しておいたファイルで何とか本番を乗り切ることができてホッとしました。

 今回の資料や動画の作成は必要に迫られたことだったのですが、パワーポイントについても勉強になりました。少しではありますが、できる事が増えたのはうれしいことです。

8月のこれから塾終了

2020年8月23日(日) 

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 8月4日(火)の午後、練馬高野台駅にある「街かどケアカフェこぶし」で久しぶりの『これから塾』を開催しました。

 今回は「得して徳する終活術 葬儀とお墓はどう決める」というタイトルで、川口市にある真言宗のお寺の僧侶 高橋泰源氏にお話ししていただいた画像を流すという方法で行いました。

 その様子は『これから』のブログに載せましたので、ご覧ください。場所を提供してくださった「街かどケアカフェこぶし」と、画像を撮って丁寧な資料も作ってくださった高橋氏には心より感謝申し上げます。状況が許すようになったら、翏橋氏にはぜひ実際に練馬に来て、お話をして頂きたいと思っています。せっかく再開できた「これから塾」です。今後もなんとか継続していきたいと考えています。 

 下記がこれからのブログです

https://blog.canpan.info/korekara/

小さな思い遣り

2020年5月25日(月)

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 自宅マンションの階段を8階まで歩いて上る途中、ちょうど足が重くなり、息がハアハアと上がってくる頃、目の前がパッと明るくなり、思わず笑顔に。ある家の玄関先に置かれた鉢植えのアマリリスの大輪の花は、私の「もうひと頑張り」の原動力になっています。

 この家には90歳の男性が独りで住んでおられます。以前はご夫婦二人暮らしでしたが、奥様が施設に入られて、現在は独り暮らし。最近では外出には念のために杖を使っていらっしゃいますが、お元気で頭もしっかりしていらっしゃる、ダンディでステキな方です。

 この方は、私が日頃から階段を上り下りしているのをご存じなので、普段はベランダで育てている鉢植えを、花が咲くと、見えるようにと玄関先に出してくださるのです。なんて優しい心遣いでしょう。花を見るたびにその方のお顔を思い浮かべて、ありがとうございますと心の中で呟きながら、あと少しの階段を上っています。

NPO法人成年後見推進ネットこれからの理事長に就任しました

2020年4月4日(土)  今まで練馬区で成年後見制度をもっと身近に、もっと使いやすくを掲げて活動している『NPO法人成年後見推進ネットこれから』の理事を務めておりましたが、前理事長の退任を受けて2020年4月1日より理事長に就任いたしました。 今後とも『これから』が目指す下記の理念が実現できるように努力していきたいと思っています。
 ☆認知症や障がいを抱えた人の思いが大切にされる社会に
 ☆自分の高齢期を自分で設計、自分で選択できるように

 そして、石川前理事長が掲げた「ご縁を大切にして高齢期を考える」という目標に沿って、会員の皆さまの要望や社会の状況に合った活動をしていきたいと考えています。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での厳しい船出となりますが、今後とも皆さまのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

想いは通じる うれしかったこと(2)

2020年3月7日(土)

 一生懸命願えば通じるのだな、と感じた出来事、その2です。

 何年か前に、終末期医療についての事前指示書、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)といったことについて調べていた時に、超高齢社会となった今、高齢者が人生の最後をどのように過ごすべきかを考える時代になったとの認識で、延命治療や在宅医療についての基礎知識や事前指示書の必要性を説いた本『高齢者終末医療 最良の選択 〜その基礎知識と生き方のヒント〜』に出会いました。そしてその著者が、千葉大学病院を定年退職し、松戸市の三和病院で現役の医師として在宅医療にも関わっておられる高林克日己先生でした。 その著書には、急速に進む少子高齢社会における医療の危機、入院から在宅へと進む流れ、その流れの中での終末期医療をどう考えたらいいのか、そして最後に終末医療についての事前指示書の重要性と、作るにあたっての基礎知識が書かれています。実際に在宅医療に関わる中で出会った事例も豊富に載っていて、とてもわかりやすい本でした。

 そしてその数年後、高林克日己先生の名前と出会ったのが、私が卒業した高校の同窓会誌の中でした。年に1度開かれる全卒業生を対象にした同窓会では、それに併せて記念講演会をやることが多いのですが、平成30年の同窓会の講演会でお話しされたのが高林先生でした。そして、その内容を基にして同窓会誌に寄稿してくださった文章が載っていたのです。 最初にその文章を読んだ時に 「この名前、どこかで見たような…」と思い、ハタとあの本を書いた先生だ!と気づきました。しかも、高林先生ご自身も同じ高校を出た大先輩だったことが判明。これは何かご縁があるに違いない! そう思ったら何かせずにはいられないのが私です。理事をしているNPO法人成年後見推進ネットこれからの2020年夏の講演会の講師に高林克日己先生をお呼びして、終末期医療の実際や事前指示書の必要性についてお話ししていただけないだろうか、と考えたのです。そして、早速これからの事務局メンバーに諮ったところ、皆さんの同意を得ることができました。

 ただ、高校の先輩といっても、手掛かりは著書にあるプロフィールぐらいで、特に連絡先は書いてありません。連絡を取るには今も現役で診療していらっしゃる病院宛にお手紙を出すしかない状況。しかも、練馬区の小さなNPOで、大した謝礼もお出しできないような依頼にお応えいただけるのかどうか…。それでも、やってみなければわからない、当たって砕けろ! ということで、理事長からの依頼書に、私が先生に講演をお願いしたいと思った経緯、高校の後輩であること等を書いた手紙を添えて、勤務先の病院宛に郵送しました。

 すると、手紙が届いたであろう日から何日もおかずに、理事長と私宛に講演を承諾してくださる旨のメールが届いたのです。思わずヤッター!とひとりで叫びそうになりました。 しかも、高林先生が在宅医療について最初に現場を見て回ったのが練馬区光が丘近辺であり、息子さんも光が丘に住んでいらっしゃるとのこと。先生も「色々とご縁があるのかもしれません」と書いてくださいました。

 この出来事も私にとってはとてもうれしく、自分が強く願ったことは、できるだけのことをやってみると、いつかは叶うものだなと感じた経験でした。

 高林克日己先生の講演会は2020年7月5日(日)の午後に、石神井公園の区民交流センター集会室で行われる予定です。今は先生のお話を直接聴くことができるのを楽しみにしているところです。

新型コロナウイルス感染拡大により、7月の講演会も中止するとの判断をいたしました。
 今の状況が落ち着いて、安心してたくさんの方に集まっていただけるようになったときにあらためて高林先生にご講演をお願いする予定です(2020.4.16)

想いは通じる うれしかったこと(1)

2020年1月26日(日)

 2019年夏頃に、練馬区内の介護事業所のケアマネージャーから、成年後見制度の利用が必要そうな方がいるけれど、どのように制度に繋げればよいかわからない、とのご相談がありました。

 ご本人は、奥様に先立たれてお子さんのいない90代の男性で、練馬区内の一軒家に一人住まいをしています。このところ認知症の症状が進んできて、生活はヘルパーさんの支援が入ってなんとか成り立っていますが、金銭管理の面で、署名と印鑑でお金を下ろしている金融機関から、自分の名前の漢字が書けなくなってきたということで、もう払戻しが難しいと言われ、困っているということでした。(この方は銀行のカードを作っていませんでした)

 私もご本人にお会いしに行きましたが、デイサービス等には行きたがらずに、一日中家の中のソファに腰かけて過ごしているような感じでした。 ケアマネが後見制度の利用が必要だろうと考え、弟さんに相談したところ、「もう年齢も年齢だし、費用もかかるから成年後見なんて利用しなくてもいい」と言われ、申立人にはなってもらえない状況でした。そうなると、本人申立か首長(区長)申立でやるしかないのですが、診断書を訪問医に依頼したところ「後見」類型となり、それでも本人申立で実務は司法書士に依頼しようとしたところ、申立の依頼も委任契約になるので、本人が契約できる判断能力がないと難しいと言われ(判断能力がないから後見の申立てをするのに!)断念せざるをえませんでした。

 それならば区長申立でお願いするしかないので、まずは管轄の地域包括支援センターに連絡をして、こういう方がいるので、区長申立をお願いできないか、と伝えたところ、弟さんがいるのなら、区長申立は難しいと言われたのですが、それでも「区長申立をするかどうかに関係なく、まずはご本人の所へ行って状況を確認してきてください」とお願いしたところ、担当の方がご本人の自宅を訪問してくださいました。ただ、ご本人に後見制度について説明してもあまり理解していただけず「そんなの使わなくていい」と言われるし、弟さんも必要性を感じていない状況では、むりやり事を進めることもできず、地域包括もそれ以上は動いてくれませんでした。

 ご本人は、今後お金が出せないと困ることは目に見えているので、後見制度が必要な方であることは間違いありません。それなのに制度に繋がらないのはおかしい!と思い、何か手立てはないだろうか、と色々と考え、知り合いの他の地域包括の職員さんや、社会福祉協議会の権利擁護センターにも相談してみました。そして、預金が下せなくなるといった金融機関のほうから行政に働きかけてもらえないか、とも考えましたが、ご本人が希望しなければそれも無理なことでした。

 そんな折に社会福祉協議会の権利擁護センターが定期的に主催している、区内の成年後見に関わる専門職と行政の担当者が集まる「ネットワーク会議」が開催されました。ちょうどそこに、このご本人の担当である地域包括の職員や区長申立をする場合に事務を行う福祉事務所の係長も参加しており、会議の後には名刺交換をして直接話をすることもできました。今までは電話でしか話をしていませんでしたが、後見制度に関する情報交換をする会議で、日頃抱える疑問や悩みを話し合った後に、直接顔を合わせて話をすることで、お互いの意識も変わったようで、地域包括の方も、このご本人の区長申立について、福祉事務所の担当に相談してみますと言ってくださいました。

 しばらくしてどうなっただろうか、と電話で地域包括に問い合わせたところ、福祉事務所の会議にかけたけれど、家族(弟さん)がいるのだから、その家族の協力が得られないと区長申立も難しいということになったとのこと。「そんなぁ」と思いましたが、そうなったらキーパーソンは弟さんなので、弟さんにもお願いしてみようと電話をしたところ、既に地域包括のほうから連絡が行っていて、ご本人のところで職員にも会って「あとは任せたからよろしく頼みます」というようなことを言われました。再度地域包括に電話で確認してみると、本人と弟さんの了解が得られたので、区長申立の手続きに入りますとのこと。ようやくここまで来たか、という感じで、本当にうれしかったです。

 そのしばらく後に、成年後見人の団体「ぱあとなあ東京」の研修があり、最初の自己紹介の際に、最近あったうれしかったことを話してください。というお題が出たのですが、すぐに頭に浮かんだのがこの件で、「なかなか成年後見制度に繋がらなかった人が利用に繋がったこと」と言っている私がいました。

 途中で諦めずに「何とかしたい」と強く想ったことが結果につながったのかなと思うと、想いは通じるのだなと実感した出来事でした。

人生会議

2020年1月14日(火)

「人生会議」とは、人生の最終段階における医療や介護について、あらかじめ医療関係者を含めて家族や周りの人と話し合いをして、自分の希望を伝えておくアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に付けられた愛称(?)です。その人生会議について、地域の皆さんに学んで実践してもらうために、練馬区光が丘の地域福祉おたすけ隊と東京福祉大学の佐藤惟講師が主催して開かれた「人生会議講座」は1月13日に全3回を終えました。

 第1回は福祉関係者の話、第2回が医療関係者の話ときて、最終回は私が理事を務めるNPO法人成年後見推進ネットこれからが独自に作成している人生整理ノート「これからノート」の活用について話をさせていただきました。

 「これからノート」の中でも特に重要だと考えている「もしものときの自分の意思」のうちの延命についての自分の希望を皆さんに考えてもらおうと、その材料とするために、「これから」のメンバ―で寸劇をやることにしました。

 母が同居している息子の嫁に、自分はもし終末期になっても、余計な延命治療はしないで、家で静かに逝きたい、という希望を伝えていたのですが、いざ実際にそういう場面になったときに、今までずっと遠くに離れて住んでいた娘がやってきて、「なんでお母さんを病院に入れて延命治療をしないのか」と強く主張し、医師も結局娘の意見には従わざるを得なかったため、母は病院で管につながれてしばらく生かされた後に亡くなった。というシナリオと、同じ設定で、母が自分の終末期についての希望を書面に遺していたので、娘もそれを見て母の希望を知り、家族みんなで母が自宅で静かに亡くなるのを見守った、というシナリオの2パターンを演じました。

 両方の場合を続けて演じて15分程度のもので、やるほうも素人ばかりであまり準備もできなかったので、セリフは飛ぶしアドリブは出るし・・・と、中々思っていたとおりにはいきませんでしたが、その割には皆さんの評判は良かったようです。その素人っぽさが逆に良かったのかもしれないですし、設定を単純にしてわかりやすくしたところも、受け入れられた要因かもしれません。

 その後のグループでの話し合いには、ボランティアスタッフとして参加してくれた日本社会事業大学と東京福祉大学の学生さんも加わって、終末期の医療や介護を中心に、活発な意見交換が行われました。

 今回の連続講座を通じて、地域の高齢者の方たちが、子ども…というより孫に近い世代の若者と話をすることが、とても楽しそうでよい刺激になることを感じました。一方、福祉を志す若い学生さんにとっても、普段はあまり接する機会のない、地域の元気な高齢者がどんなことを考えているのか、ということを知る良い機会になったのだろうと思います。

 思いつきでやってみた「これから劇場」(?)ですが、やる側も結構楽しめて、しかも今回ダメだった点をなんとか改善したいと考えている自分がいたりして…。今回だけで終わりではもったいないと思っているところです。

2020年新年のご挨拶

2020年1月2日(木)

 明けましておめでとうございます。

本年も皆さまが健康で笑顔でいられることを願っています。

 令和元年となった昨年は、“想いは通じる”を実感した年でした。自分がやりたいと強く願った事については、ちょっと無理かなと思っても、できるだけのことをやっていると、自ずと道が拓けて実現できるという経験が重なりました。

 春に開催したドキュメンタリー映画「さなぎ〜学校に行きたくない〜」の上映会は、以前から光が丘で開催できないかと考えていましたが、多くの方の協力によって実現することができました。
 成年後見制度の利用が必要と思われる方が、なかなか後見制度に結び付かなかったときも、必要な人が制度を利用できないのはおかしい、何とかならないだろうか、と強く思い、考えられる手を色々と尽くした結果、最終的には区長申立に至りました。この時も、本当にうれしかったです。
 また、NPO成年後見推進ネットこれからの講演会の講師をお願いしたいと思っていた先生方にも、たまたま伝手があって、そこを通じてお願いすることができたり、お医者様については全く伝手はなく、個人の連絡先もわからない中、たまたま私の高校の先輩だったということが判明し、厚かましくも著書に記されていた勤務先の病院にいきなり理事長と私でお手紙を書いてお願いしたところ、快く講師を引き受けていただけたということもありました。
 詳細はまたブログに書きたいと思っています。

 本年も『自分にできることはとにかくやってみること』を旨として、そのうえで、ワクワクする気持ちを大事にしながら、公私ともに充実した1年になるように努めたいと思っています。

 そして、想いの実現には、周りの色々な方の協力や支援によるところが大きいということも実感していますので、そういった方々への感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。

 皆さまの『想い』もきっと通じるものと信じています。

2020年が皆さまにとって良い年となりますように!

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

事務所開設10周年

2019.7

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 先日知り合いの方から突然胡蝶蘭が届きました。

誕生日でもないし、なんだろう?と思ったら、『10周年おめでとう!』のメッセージが! そういえば行政書士登録をして事務所を開いてから10年が過ぎたのです。自分でも忘れていることを覚えていてくださったことに感動するとともに、うれしいサプライズに 感謝の気持ちでいっぱいになりました。 

 そして、今まで支えてくださった皆さまにも心から感謝申し上げるとともに、これからもしっかり仕事していかないといけないなと身の引き締まる思いです。

 現状としては今は社会福祉士として成年後見関係の業務がメインとなっています。被後見人等となった方々が安心して暮らせるように日々奮闘(?)しているところです。

 練馬区が来年度からの地域福祉計画(練馬区地域福祉・福祉のまちづくり総合計画)を策定するにあたり、推進委員会が意見を述べることになっていますが、その中の権利擁護部会員になりました。
 私はNPO法人成年後見推進ネットこれからの理事でもあるので、練馬区で活動する成年後見関係のNPO法人の代表という立場での参加です。ぱあとなあ東京の代表としては別の社会福祉士の方が参加しています。小さなNPO法人が活動する中で感じていることを、少しでも発信できたらと考えています。

間に合った遺言書〜後日談〜

2019年12月3日(火)

 前回は、唯一の相続人であるお兄様が認知症になられた方が公正証書を作成して、お兄様のお子さんたちに遺産を残したという例を載せました。その遺言書には財産とは別に祭祀の承継についても書いておきました。私はご本人のご主人が生きていらっしゃるときからお手伝いしていたので、ご主人が亡くなられた際には葬儀の手配や火葬、納骨までお付き合いさせていただきました。その時には奥様は事前に「主人に万が一のことがあったら、ここに連絡してください」と連絡したい人や葬儀社についてもきちんと決めていらっしゃいました。お墓も群馬県で遠くはあるのですが、ご主人がそこがいいと決めて購入されたところがあって、ご主人のご両親もそこに眠っておられるので、ご主人はそちらに納骨されました。そして、永代供養の手続きもされていました。

 そういった経緯があるので、私はてっきりご本人もご主人と一緒のお墓に入る希望をお持ちだと思っていました。そして、遺言書にも「夫と一緒の○○に納骨してほしい。時々はお参りに来てもらえると嬉しい」といった文言を入れておいたのです。

 ところが、遺言書を作成してほどなくご本人が話をすることができなくなった時に、姪御さんから連絡があり、叔母が「実家のお墓に入れてもらうことはできるかしら?」と言ったのだけれど、何か聞いていますか?と言われたので、「えっ! そんな話は聞いていません」とびっくり! だって、遺言書を作成する際には、公証人が内容についてご本人の前で読み上げて「これでいいですか?」と確認し、ご本人は「大丈夫です」とお答えになっていたのですから。 しかも、姪御さんからその話を聞いた時にはご本人はもう意識がはっきりせず、話もできない状態だったので、確認しようもありません。ただ、姪御さんがご本人からその話を聞いたときに、「実家のお墓に入ってもいいよ」と答えたら、安心したようだったとのこと。さらに葬儀についても、ご主人の時には団地の集会所で関係する方をお呼びして行ったのですが、姪御さんたちは、そういう形式的なものには違和感があるので、自分達親族だけでこじんまりとやりたい、というご希望をお持ちでした。私としては、遺された方のお気持ちが大事だと思ったので、姪御さんたちの望まれる葬儀、納骨をされればよいと思いますとお伝えしました。

 結局ご葬儀は行わず、直葬のような形で火葬炉の前でお別れをする形になりました。参列したのも姪御さん二人とその娘さん、そしてご本人のケアマネ、長くかかわってきた介護事業所の責任者、そして私という顔ぶれでした。その後、実家のお墓に無事納骨を済ませました、とのご連絡を姪御さんからいただいて、これで良かったのだろうなと安どしました。

 結果的には色々なことが無事終わりましたが、遺言書を作成するときには、財産だけでなくて、祭祀承継その他についても、当たり前のことなのですが、きちんとご本人に確認しないといけないな、と深く反省しました。思い込みは怖いです。

間に合った遺言書

2019年11月23日(土・祝)

 私が任意後見受任者となっていた80代の女性が7月にお亡くなりになりました。脳性麻痺で手足に麻痺があったので、電動車いすでヘルパーの支援を受けてひとりで生活されていました。判断力には問題なく、しっかりしていたのですが、お体が不自由なので、銀行に行ったり、諸々の手続きをすることが難しく、支援が必要ということで、任意後見契約と同時に任意代理契約を結んでお手伝いさせていただいていました。

 元々乳がんの手術をして、その後も抗がん剤治療を続けていましたが、昨年秋頃から薬の効果が感じられなくなり、その割には吐き気や下痢といった副作用がひどい状態になって体への負担が大きくなったため、抗がん剤治療はやめて様子をみることになりました。 ご本人は最後までできるだけ自宅で過ごしたいという強い希望をお持ちで、それについては主治医も理解していて、ケアマネージャー中心に訪問医、訪問看護師、ヘルパー等関係者みんなでご本人の希望に添うように支援していました。

 今年の春頃になると手足にむくみが出てきて、痛みの訴えもあったので、主治医の勧めで緩和ケアに移ることになりました。私の中では、緩和ケア病棟に入ると、最期までずっと入院しているイメージがあったのですが、そんなことはなくて、辛い時に入院して点滴等の処置を受け、落ち着いたら自宅に戻ることができるということで、ご本人も一度入院して鎮痛薬の点滴を受け、医師の許可をもらって1週間自宅に戻ることができました。

 この方はご主人に先立たれてお子さんはいません。万一の場合の相続人はお兄様1人ということでした。ただ、そのお兄様が既に認知症で施設に入っているとのこと。そうなると、このままご本人が亡くなった場合は、お兄様がすべて相続することになりますが、お兄様自身が手続きできない状態だと、お兄様に成年後見人を就けないと…ということになってしまいます。それはお兄様のご家族にとっても大変なことです。 そこで、ご本人に遺言書を作ることを提案しました。お兄様には娘さん(ご本人にとっては姪)が2人います。姪御さんたちもご本人のことは気にかけてくださっていたので、その姪御さんに財産を遺してはどうかとお話しして、ご本人もそうしたいということだったので、急いで公正証書で遺言書を作成することにしました。

 遺言書は作成者の意思を書面に遺すものですから、何よりご本人が自分の意思をはっきり表明して、公証人がそれを確認できて初めて作成することができます。 ご本人は緩和ケア病棟に入院中で、日に日に状態も悪化していく中、このままご自分の意思を表明できなくなったら遺言書は作れない。どうしよう!と焦りが募りましたが、できる限り急いで戸籍等の必要書類を集めに走り、忙しい公証人の先生にもなるべく早く作成していただくよう無理をお願いしました。もちろんご本人は公証役場に出向けないので、公証人に病室まで来ていただき、私ともう一人、亡くなったご主人の保佐人をしていた社会福祉士が証人となり、ご本人の希望で、緩和ケアの医師も立会う中、無事に遺言公正証書を作成することができました。

 それから間もなく、ご本人は痛みや咳をとる薬によって話をすることができなくなり、遺言書作成から2週間後に病院でお亡くなりになりました。

 その後遺言執行者として相続手続きをして、無事に諸々の手続きが終了したところです。相続人である姪御さんたちにも「遺言書があって良かった」と言っていただけました。

 結果として今回は本当にギリギリのところで遺言書を作成することができました。本当はもっと早くにご本人に状況を説明して作成しておけばよかったと、そこは反省点ですが、間に合って良かったとホッとした例でした。 

 ただ、この遺言書については後日談があるのですが、それはまた次に…。

成年後見セミナーの講師

2019年9月8日(日)

 昨年講師を務めたNPO成年後見のぞみ会主催の「成年後見セミナー」で、ありがたいことに今年も声をかけていただき、お話する機会を頂戴しました。昨年は特に在宅の方の後見活動の実際ということでしたが、今回は在宅に限らず、後見人等として実際にどういう活動をしているかということについて、約1時間、私が担当している方の例を主にお話しさせていただきました。

 成年後見人等がやらなくてはいけないことは大きく分けると、生活、療養看護(身上監護)と財産管理ということになっています。それについては練馬区社会福祉協議会の権利擁護センター「ほっとサポートねりま」で出している『成年後見制度ガイドブック』にわかりやすく出ているので、それを参照していただくことにして、では、実際はどういうことをやっているの?という部分をお話ししました。ただ、ご本人も皆さんそれぞれ違う人、違う環境なので、後見業務も1件1件違ってくるはずです。あくまでも私が行っている身上監護の例ということでご承知いただいたうえで聴いていただきました。

 私がお伝えしたかったことは、まず、後見業務をするうえで、対象となるご本人のことを知ることが大事だということ。その方が今までどんな生活をしてきて、どんな仕事をして、何を大事に考えてきたか、趣味は? そういったことを知ることによって、その方らしい生活とはどんなものか考える手掛かりになります。 ご本人とコミュニケーションがとれるようであれば、面談を重ねる中で色々と話を聞いていく、それが難しい場合はご家族や周りの支援者に聞いたり、ご本人の自宅や衣類、持っているもの等から類推することもできると思います。

 それから、延命治療をどうするかということについては、ご本人しか決める権利はないはずなので、あらかじめお元気な時に確認しておく。認知症や障害があっても、ある程度は希望を表明することはできると思うので、聞いておいて、できればそれを書面に残しておくことが大事だと思います。

 また、終末期の延命治療については、元気な時に考えることと、実際そういう時期になってしまってから思うことでは違ってくることもあるはずです。ですから、一度聞いてそのままではなくて、折にふれて確認するということも必要です。

 のぞみ会の皆さまにはこのような機会をいただき感謝申し上げるとともに、少しでも参加してくださった方々の参考になったのであれば幸いです。

相次いだお別れ

2019年8月23日(金)

 今年の7月には任意後見契約を結んで任意代理人としてお手伝いしていた方と、成年後見制度の保佐人として支援していた方が続けてお亡くなりになってしまいました。

 どちらも高齢の女性で、ご主人が先にお亡くなりになっていて、お子さんはいなかったので、ご自身の兄弟姉妹の子どもである姪ごさんが最期に関わってくださって、亡くなった後はその姪御さんたちのご意向で、お身内だけですぐに荼毘にふされました。どちらの方の火葬にも立ち会わせていただき、7月は2回同じ斎場へ足を運ぶことになりました。

 任意後見受任者(任意代理人)としてお手伝いさせていただいていた方(Aさんとします)は脳性麻痺による四肢麻痺だったので、電動車いすを利用して都営住宅で1人暮らしでした。判断能力はしっかりしていたので、ご自分の希望をしっかり表明できて、最期まで自宅で過ごしたいと望んでおられました。

 被保佐人の方(Bさんとします)は認知症で、有料老人ホームで生活されていました。短期記憶の保持が難しいので同じ話を何度もされますが、明るくウィットにとんだ会話のできるステキな女性でした。

 どちらもある程度お元気なときに、ご自分で自分の終末期には延命治療はしないでほしいということを表明されていました。Aさんは乳がんの手術をしていて、その手術をした医師が大好きで、先生の言うことなら何でも聞きますと公言されていましたし、医師も何かあれば自分の病院にくればいいからと言ってくださっていました。そして、できる限り自宅で過ごしたいというご本人の希望については、ケアマネージャー、訪問医、訪問看護師、ヘルパー等々関係者が皆で情報を共有していて、できるだけ本人の希望に添うようにしましょうという合意ができていました。結果的に最期は病院でお亡くなりになりましたが、ある程度ご本人の希望を叶えることができたと思っています。

 お二人とも周りの人を気遣ってくださる優しくて明るい方で、そのお人柄故に関係する周りの人は皆ご本人のことが大好きでした。認知症であっても、障害があったとしても、人として人生の最期の時にどのように過ごすか、どのように周りの人と関わるかということについて、とても良い見本を示してくださったように感じて、そんなお二人と関わらせていただけたことはとても有難く幸せなことでした。

 まだお二人の笑い声が耳の奥に残っているような気がします。Aさん、Bさん、ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。

再びの富士登山

2019年8月4日(日)

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 今年も富士山に登ってきました。昨年『一生に一度は富士登山』ツアーに参加して、素晴らしい体験をしたものの、登山の大変さや下山後しばらく残った筋肉痛を考えると、もう富士山はいいかなと思っていたはずなのに…。昨年、一緒にツアーに参加しながら、高山病のために登頂を断念した仲間のリベンジで、今年も別のツアーで富士山を目指す、という話が持ち上がったのを聞くと、何だか気持ちがざわつき始め、しかも昨年登頂した人は今年は富士火口一周する「お鉢巡り」に参加するという話。それでは私もということで、結局今回は3人で富士山を目指しました。

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 つい先日まで雨続きだったという富士山も、今シーズン一番の晴天。しかも途中は霧が出てちょうどいいぐらいの涼しさとなり、最高のコンディションでした。今年は初日に八合目まで登って山小屋で休み、夜中に出発したので、頂上を目指す渋滞の列の真っただ中に入ってしまいましたが、その分じっくり夜空を眺める余裕があり、それこそ手が届きそうな星を堪能しました。
 昨年、頂上に着いてから御来光までの間、本当に凍えるかと思うほどの寒さを味わったので、寒さ対策ばかり考えていましたが、今回は頂上に着く時間もちょうどよく、風もほとんど吹いていない中、寒さを感じることもなく、お鉢巡りの途中で富士山の火口越しの御来光を拝むことができました。反対側を見るとくっきりと影富士が!富士登山では富士山を見ることはできないと思っていたので、とても感動的。右上の写真は御来光後に最高峰の剣が峰手前で撮ってもらったものです。

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 結局、昨年登頂を断念した仲間もリベンジを果たし、その他はお鉢巡りをすることができて、今度こそ富士山は卒業かなという感じです。もう一人の重大なミッションは富士山頂の電子基準点と二等三角点を確認することでしたが、お鉢巡りをして剣が峰まで行ったことにより、それも無事達成されました。

 右は私と屋久島から二度の富士登山を共にしたザックです。2018年と2019年の『富士山保全協力者証』(木札)がついています。鯉のぼりは今回のツアーのメンバーの印として配られたもの。
 何度登山をしてもパッキングがうまくならないのが昔からの悩みですが、今回もその課題は残されたままでした。必要最低限のものだけを持ち物とするということは、自分の生活の中でも大事なことだけれどできていないと痛感しています。

 東京に戻った時のモワッとした空気は何とも言えず不快です。富士山の爽やかな風を思い出しながら、早く涼しくなるのを待ち望んでいます。

NPOこれからの講演会「第二の我が家、ホームホスピスでむかえる終末期」

2019年6月2日(日)

 5月18日(土)にNPO法人成年後見推進ネットこれから主催の講演会「第二の我が家、ホームホスピスで迎える終末期」が開催されました。小平でホームホスピス楪(ゆずりは)を運営されている嶋叔子様を講師にお迎えして、そもそもホームホスピスとはどういうものか、そして、楪を立ち上げるに至った経緯や楪での日常について、スライドを交えてお話ししていただきました。また、楪でお母様を看取ったご遺族からは、ホームホスピスで過ごすことの意義や看取りを経験した感想等を具体的に伺うことができました。

 参加してくださった方には、まだ日本中でも数が少ないホームホスピスについて知る機会を提供するとともに、私たち自身も良い勉強になりました。

 ちょうど、この講演会があった次の週、5月25日(土)の日本経済新聞夕刊のコラム「明日への話題」に、緩和ケア医の山崎章郎先生が楪のことを書かれていました。山崎先生は嶋様のお母様を看取った医師で、楪にも在宅診療医として関わっていらっしゃいます。

 講演会の詳しい報告はこれからのブログに掲載していますので、ご参照ください。

 http://blog.canpan.info/korekara/

「さなぎ」上映会&交流会を開催しました

2019年5月21日(火)

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 5月19日(日)は地元光が丘のNPOむすびで、ドキュメンタリー映画「さなぎ 〜学校に行きたくない〜」の上映会&交流会を開催しました。私の持ち込み企画のような感じで、どれだけの方に来ていただけるか不安もありましたが、定員を上回る40名の方に参加していただくことができました。 
 映画を観ていただくことが一番の目的ですが、不登校や子育てで悩みを抱える方が、その悩みや想いを話せる場、そして相談窓口等の情報を提供する場にもなればと思い、資料を用意したり、上映後には三浦淳子監督にもお越しいただいて、撮影時のエピソードやその後のこと等をお話しいただくとともに、皆さんからの質問にもお答えいただく時間を作りました。
 機材のトラブル等で音声がはっきり聴き取れない部分もあって、監督にも皆さんにもご迷惑をおかけしましたが、何とか無事に終了してほっとしています。

 上映にあたってはたくさんの方に協力していただきました。まちかどシネマという不思議なグループ(?)のメンバーにはステキなチラシを作っていただいたり、急なお願い(無茶ぶり)にもかかわらず、交流会の進行を和やかに進めていただいたり、練馬の珈琲豆屋ビーンズアクトさんには宣伝でお世話になりました。仲間に協力してもらって、資金作りのためにリサイクルマーケットへの出店もしました。また、私がメンバーとなっている「NPOむすび」には主催を引き受けてもらい、会場や機材の提供、何よりもメンバーには準備や当日の運営で本当にお世話になりました。むすびで開催しているオレンジカフェアリスの参加者の方にも協力していただいたり、当日も観に来てくださったり。練馬区で不登校やひきこもり、発達障害家族会を開催している「灯火」からも、担当の方が参加して会の紹介をしてくださいました。

 資料として不登校についての相談窓口の情報や、映画の舞台となっている長野県下伊那郡喬木(たかぎ)村のパンフレットも用意して自由に取ってもらえるようにしました。

 当日は私があたふたしている間に皆さんが動いてくださったので、本当にありがたかったです。交流会も三浦監督が映画にはならなかった部分のお話をしてくださったり、参加者からも率直な感想や質問が出て、和やかな雰囲気のうちに終了しました。

 いつもは高齢者が集うことが多いむすびですが、これを機会に新たな繋がりもできたらいいなと思っています。協力してくださった皆さま、参加してくださった方々、そして三浦監督に心より感謝申し上げます。

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ドキュメンタリ―映画「さなぎ 〜学校に行きたくない〜」上映会&交流会

2019年4月24日(水)

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 練馬区光が丘の介護事業所「NPOむすび」で5月19日(日)の午後にドキュメンタリー映画「さなぎ〜学校に行きたくない〜」の上映会と三浦淳子監督を交えた交流会を開催することになりました。

『南信州伊那谷の自然につつまれて一生懸命に遊ぶ少女の輝きとそれを見守る母親の心の軌跡を14年間にわたって見つめたドキュメンタリー』

 上映後には三浦淳子監督のトークと監督との交流会を予定しています。また、練馬区の子育てや不登校についての相談窓口、家族会等についても情報提供できればと考えています。

 詳細は下記のとおりです、興味のある方はご参加ください。

 「さなぎ 〜学校に行きたくない〜」をともに観る会
   上映会
(103分)&交流会 

 日時:219年5月19日(日) 13:30〜

 場所:NPOむすび 練馬区光が丘3-9-3 2F

   参加費:600円(上映会のみ) 700円(交流会込)

 定員:30名

 主催:NPOむすび 協力:まちかどシネマ 

 問合せ:NPOむすび 03-6904-3275 mail:musubiclub@yahoo.co.jp

光が丘図書館での講座

2019年4月23日(火)

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 4月13日(土)の午後、光が丘公園内にある光が丘図書館にて、光が丘図書館利用者の会主催の高齢者医療・介護関連の連続講座 第3回として「知って安心・成年後見制度の実際」と題したお話をさせていただきました。

 お天気も良く、お出かけ日和の土曜日でしたが、40名近い方にお集りいただきました。

 このお話をいただいた時に、どのような内容にしたら良いのか、色々と悩みました。最初は制度そのものや理念、利用の仕方等についてお話ししようかと考えましたが、そのような話は他でも聞く機会はあると思いましたし、私が地元の光が丘でお話をする意味はなんだろうと考えた時に、後見人が実際にどのような活動をしているのか、現実にどのようなことが起こって、どのように対応したのか、といった実例をお話ししたほうが、皆さんに成年後見制度をより身近に感じていただけるのではないかと思い至り、制度や利用の仕方については大まかなことだけをお伝えして、詳しいことは練馬区社会福祉協議会の権利擁護センターほっとサポートねりまで作成している「成年後見制度ガイドブック」をお配りして見ていただくことにしました。

 そして、私が後見人等としてお手伝いしている方について、実際にどのような支援をしているかをお話ししました。職業婦人だった方には毎回名刺をお渡ししてご挨拶すること、金銭管理について工夫している例、お墓の改葬をした例、そして麻雀がお好きなご婦人のために、有料老人ホームで麻雀大会をしたこと等々。

 その中で一番お伝えしたかったのは、いざご家族の判断能力が不十分になって、成年後見制度を利用する必要が出てきてから慌てるのではなく、どのような場合に必要になるのか、どのようなことに気を付けて利用したらいいのか、予め知っておくと成年後見制度を上手く使うことができるということ。それから、成年後見制度の利用だけでなく、判断能力が不十分になってしまった方を支援する場合には、その方がどのような性格で、今までどのような生活をしてきたのか、何を大事にしてきたのかといったことがわかるとより良い支援につながるので、ご自身で自分の今までのことや希望することを書いておくことが大事。特に終末期の医療についての意思表示を書面に残しておくことをまずやりましょうということです。

 それから、成年後見制度に関する最近の動向として、利用する際の申立てに必要な医師の診断書が改訂され、福祉関係者が記入する「本人情報シート」の運用が始まったこと。これも本人のことを知ることによって、よりふさわしい後見人等の選任につなげようという裁判所の考えの現れです。

 また、後見人等の報酬についても、現在は本人の持っている流動資産の額によって基準が決められていますが、今後は行った仕事についていくらという積み上げ方式にすべきとの通知が最高裁判所から出されたので、変わって来ることと思われます。

 成年後見制度だけではなく、家族信託、委任代理契約、遺言、死後事務委任契約といった備えもありますが、いずれも本人の判断能力がしっかりしている時でないと利用できないものです。自分自身が元気でしっかりしているうちに色々と準備しておくことが大切です。

 今回も反省点がたくさんでしたが、参加者してくださった皆さんが真剣に耳を傾けてくださったことがとてもありがたく、このような機会を作ってくださった光が丘図書館利用者の会に感謝申し上げます。

山石敬之さんのコンサート

2019.3.18(月)

 以前もコラムで書いたことがありますが、私の高校時代のクラスメイトである山石敬之さんは、ずっと音楽活動を続けていて、今は池袋「FILD」というライブハウスのオーナーでもあります。

 毎年自分の誕生日である4月8日には必ずライブをやっていますが、節目となる今年は、誕生日前夜の4月7日に還暦コンサートとして、有楽町の「ヒューリックホール東京」という大きなホールでコンサートを行うことになりました。タイトルは「ここに立てば星は輝く」、私の大好きな曲です。

 私が山石さんが音楽活動をしているのを知ったのは、前回の同期会の時(10年前)ですが、同期会をきっかけに彼のライブに足を運ぶようになり、彼の曲とパフォーマンスに元気をもらうようになりました。同級生なので、私と同じ年齢ということですが、いつも全力での歌とピアノ演奏。本番でそのパフォーマンスをするためには、どれだけの日頃の節制や練習、準備が必要なことか!普段のライブでも大変だと思いますが、それをさらに上回る事に挑戦しようとする山石さんの心意気を私は尊敬し、応援したいと思っています。山石敬之さんの渾身の歌とピアノ演奏を体感したい方、ぜひコンサートに足を運んでみてください。もちろん私は行きます!

*山石敬之 One Night Stand 「ここに立てば星は輝く」

 2019年4月7日(日)「ヒューリックホール東京」開演17時

 チケット:前売り5,500円 当日 6,000円 (ワンドリンク500円別)  

      チケットぴあにて発売中

 http://www10.big.jp/~t-town/Y'sFactory/ (Y’sFactory ホームページ) 

 https://www.youtube.com/watch?v=iAKTJS_--dI(You Tubeここに立てば星は輝く)

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NPOこれから 任意後見報告会

2019年3月17日(日)

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 私が理事を務めるNPO法人成年後見推進ネットこれから は3月9日(土)に第12回定時総会を開催し、全ての議案が承認されて無事終了しました。

 また、総会に先立ち、「これから」が法人として任意後見を受任した方について、担当スタッフによる報告会を行いました。題して「Aさんとの2年4か月、そして死後事務を終えて」

 Aさんは80代後半の男性で、世話をしてくれる身近な親族がいない方です。このAさんの具体的な状況や、「これから」が任意後見契約と委任事務契約を結ぶことになった経緯、実際に行った事務の内容や、お亡くなりになった後の死後事務について、進行役の問いかけに応じるかたちで話を進めました。

  「これから」が法人として任意後見を引き受けることには、複数の人が関わることができ、法人内で相談しながら対応できるというメリットがありました。さらに、お引き受けして感じたこととして、行政とのかかわりが大切であること、本人意思実現のために延命措置、遺言、死後事務について事前に取り決めておくことが重要であることが挙げられました。

 担当者の「Aさんご本人の持っている力に引っ張られるようにして支援させていただいたような気がします」との言葉と、「最初はどのように接して良いかわからなかったけれど、じっくりお話を聴いて、どうしたらご本人の気持ちに寄り添えるかを考え続けたら、次第にご本人からもっと早く来てほしいと言われるようになった嬉しさは忘れられません」との感想が強く印象に残りました。

「これから」が法人としてAさんと関わらせていただいたことで得られた経験はとても大きく、それを今後の活動に活かしていくためには、「これから」という小さなNPOにしかできない強みをあらためて自覚し、それを活かした支援ができるように体制を整えていくことが大切だと感じました。

報告会に参加してくださった50名近い方からは、具体的な話を聴くことができてとても参考になりました、との声が多く聞かれました。

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