酒井玲子の日々

2009年9月15日(火)
 「酒井玲子の日々」をおとずれてくださって、ありがとうございます。
どうやってここにたどり着かれたかはわかりませんが、これも何かのご縁です。
酒井玲子ってどんな人間なの? と興味を持っていただけたら、時々のぞいてみてください。

 私自身は、一期一会を大事にしたいと思いながら日々生活していますので、そんな酒井玲子のつぶやき、出会った人々、読んだ本の感想、失敗談(たくさんあってこまるだろうなぁ)、もちろん仕事のうえで参考になるようなことも、色々と徒然なくままに書いてみたいと思っています。

 2023年7月26日(水)
 このページを書き連ねてから14年が過ぎました。なかなかマメに更新できませんが、これからも私が出会った出来事を書いていきたいと思いますのでどうぞお付き合いください。

練馬終活フェスタ2025(2)

2025年10月19日(日)

 10月12日(日)に練馬駅近くのココネリホールで開催された「ねりま終活フェスタ2025」ですが、午後は舞台で中高校生による終活劇「おばあちゃんの話」が披露されました。茨城県鹿嶋市の訪問診療医細井崇弘氏が、訪問診療や延命治療について、多くの人に知ってもらいたい、ということで、地元の清真学園の演劇部に働きかけて、脚本はその時の学生さんが作り、終活劇が誕生したそうです。

 祖母と両親、中学1年生になった女の子の一家が。おばあちゃんの延命治療について決断を迫られるお話ですが、同じ場面を、最初はおばあちゃんが延命治療を望まないという希望を、両親には言わず孫にだけ伝えておくというシチュエーションでした。そうすると、実際に延命治療をどうするかの決断を迫られた時にどうなるか。両親は本人もできるだけ生きたいと思っているだろう、と考えて、医師に治療をしてくださいと伝えます。おばあちゃんの願いを思い出した孫が、希望を伝えても、とり合ってもらえません。孫自身も、どうしておばあちゃんが延命治療を望まないと考えたのかわからなくて、強くは言えませんでした。 

そこで一旦医師の解説が入ります。延命治療を含めた自分の医療や介護についての希望を家族や医療関係者と繰り返し話し合いをする人生会議についての簡単な説明があり、どのようにすると、自分の望む最期が迎えられるのか、見てみましょう、ということで、再度同じ場面から劇が始まります。2回目は、やはりおばあちゃんが延命治療は望まないことを孫にだけ伝えるのですが、孫は、どうしておばあちゃんはそう思うの?みんなで話をしようと語りかけ、家族による人生会議が始まります。そこでおばあちゃんから、自分は家族に迷惑をかけたくない、との想いが伝えられ、みんなでその想いを共有することができたのです。 

そうすると、実際におばあちゃんが最期を迎える時には、家族みんながおばあちゃんの希望を叶える方向で医師にもその想いを伝えて、おばあちゃんは自然のままに穏やかに旅立っていったところで終わりとなりました。最後にも細井医師の解説があり、いわゆる終末期の医療についての事前指示書、というものを書いておくことは大切だけれど、どうして自分がそのように希望するのか、そこにはどんな想いがあるのか、ということが遺される人に伝わるように、話しをすることが大切で、そこに人生会議の意味があります。と話されました。

字で書くとありふれた、中身の薄い話のように感じるかもしれませんが、実際に演劇としてその場面を目撃(?)すると、伝わってくるものがありましたし、細井先生のお話には、なるほどと納得させられました。

 昨年行われた、練馬区の「私の生き方ノート」記入支援セミナーは、今年も開催される予定です。「NPO法人成年後見推進ネットこれから」も講師を務めることになると思いますので、今回の「終活フェスタ」は、自分が講師を務める際の参考になりました。

 ねりま終活フェスタ2025(1)

第5回 ねりま終活フェスタのチラシ

0251012日(日)

 本日、練馬駅すぐの練馬区立 区民・産業プラザのココネリ・ホールで開催された「ねりま終活フェスタ」を見に行ってきました。

 私の所属するNPOは参加していませんが、区内で終活関係の活動をしている「NPO法人楽膳倶楽部」、後見活動をしている「NPO法人のぞみ会」を中心とした「練馬終活協働チーム」が企画運営し、練馬区が後援。「練馬区社会福祉協議会権利擁護センターほっとサポートねりま」、地域包括支援センター、区内の葬儀会社、有料老人ホーム紹介会社等がブースを出して、来場者の相談を受けたり、舞台上では、午前中に杉並区で訪問診療をしている結クリニック院長清水裕智先生による『自分の最期をイメージして、どう生きるかを決める』と題した講演、午後は茨城県鹿嶋市から来た清真学園演劇部の生徒さんによる終活劇『おばあちゃんの話』が医師の細井崇弘先生の解説を交えて披露されました。講演と舞台を観た感想です

 結クリニックの清水医師は、元々病院で消化器外科医として患者さんと接し、その後病院の訪問診療科を経て、家に帰ると元気になる患者さんを多く見てきたことから、ご自身で訪問診療のクリニックを開業されたという経歴をお持ちです。

 清水医師によると、自分の最期の時間を住み慣れた家で過ごしたいと思う人は多いけれど、それができることを高齢者ご本人も、その子ども世代を中心とする家族も知らないので、仕方なく病状が悪くなると病院へという流れになっていると話されました。また、参加者に、老いや病気を敵とみなして、少しでも心配なことがあると病院へ行き、検査をして、薬をもらわないと不安になるような生活と、病院にも行かず、自分の好きなことをして毎日楽しんで暮らすのと、どちらがいいですか?と問いかけられ、病気を敵とみなす人は、最期はその敵に滅ぼされます。片や老いや病気を受け入れて、上手に付き合っていける人は、最期も穏やかに逝くことができます。極端な例ではあるけれど、経験上そういう場合が多いですとも言われました。ただ、病気を敵とみなす人の方が一般的で、自分の好きに生きる人は、特に高齢になると、自分勝手、頑固とも言えるでしょうとの発言には、妙に納得してしまいました。

 また、薬について、高齢の方はたくさんの薬を飲んでいる場合が多いけれど、ほとんどは飲まないほうが元気になります、と断言されたことは衝撃でした。個人的には薬はできるだけ飲みたくないと思っていますが、現役の医師がはっきり公の場でそのような発言をされたことにびっくり!ただ、処方された薬は勝手に止めるのはダメですよ、とは言われていましたが。

 そして、最も共感できた言葉は、自分の人生は自分で責任をもってください、というものでした。誰のものでもない自分の人生、自分勝手と言われようと、最終段階ぐらいは自分の思うように過ごして、自分で責任をとれるようでありたいと、あらためて感じた講演でした。

清水先生の率直なお話は、とても胸に沁みるものでした。ありがとうございました。

 

「終活」に思う ~オレンジカフェアリス広報誌への投稿エッセイ~

 2025年9月14日(日)

 最近「終活」という言葉を聞くことが多くなりました。「終活」とは簡単に言うと、自分の最期の時のために事前に準備しておくことです。以前は「死」について考えることは「縁起でもない」と言われてタブー視されていましたが、今ではメディアでも様々な例や取組みが取り上げられるようになり、「終活」は、積極的に自分の死について考え、準備しておく、そうすることによって、生きている今、そしてこれからをより良いものにしよう、という積極的な意味を持つようになりました。

「終活」とひと言で言っても、具体的にどのようなことがあるのでしょうか?すぐに頭に浮かぶこととしては、①家財整理、②財産に関すること(遺言書の作成等)、③介護や医療の希望、④葬儀やお墓のこと、⑤思い出や写真の整理等、考えると結構やらなくてはいけないことがありそうです。

色々な準備を全部やろうとすると、途中で息切れして、結局進まなくなってしまうので、まず自分の現状を把握することが第一歩ではないかと思っています。自分の持っている物(どこの金融機関にどれだけお金があるのか、不動産はあるのか、保険がどうなっているのか等)と自分の気持ち(この先どこで暮らしたいのか、介護が必要になったら誰に面倒を見てもらいたいのか、延命治療はどうするのか等)の両面から自分のことを把握することによって、今後の生活設計も立てやすくなるでしょうし、まずどこから手をつけたらいいのかもはっきりするかもしれません。

そのような自分の現状把握に役立つものとして、いわゆる「エンディングノート」があります。練馬区でも昨年秋に「私の生き方ノート」というものを無料で区民に配布するようになりました。こういったものを活用して、自分の現状や希望を書き留めておく、そして、それを家族や周りの人に伝えておく、それが大事だと思います。

個人的には、自分の万が一の場合の延命治療の希望については、早目に考えて、望まないのであれば、『回復の見込みがない場合は、心臓マッサージや人工呼吸器といった延命のための治療はしないでほしい』といったことを周りの人に伝えて、書面にも書いておく、それはまずやっておくと良いと思います。今は元気でも、いつ急に脳梗塞や心臓の疾患で倒れるかもしれないですし、事故に遭って意識不明になることだって、ないとは言えません。そんな場合に自分の希望が伝わっていないと、病院に運ばれて、望んでいない延命治療をされることになるかもしれません。いざという時に、自分で意思を表明できなくなったら、代わりに自分のことを決めてくれる人を選んでおくことも重要です。そして、その人には自分の気持ちや希望を予め伝えておくと良いでしょう。

「終活」は、もしもの時に備えるという意味で、「防災」にも似ているように感じます。ただ、災害はやってくるかどうかわからないけれど、人生には必ず終わりが訪れます。小説でも、途中は面白かったのに結末が何だかなぁ・・・とすっきりしないことはありませんか?自分の人生という物語の終わり方については、死ぬまで考え続けないといけないのかなと思ったりするこの頃です。

我家のクリスマス
 

ブッシュドノエル風ケーキ

2025年1月4日(土)                 

 我家のクリスマスは、毎年決まったメニューがあります。鶏の骨付きモモ肉のロースト、コーンスープ、サラダ(どんなサラダになるかはその時によって違います)。そして、クリスマスケーキはマリービスケットの間に生クリームを挟んで重ねたブッシュドノエル風簡単ケーキ。ある時からずっとこれを作っているので、このところクリスマスケーキは買ったことがありません。子ども達もこのケーキが好きで、家を出た今でも、クリスマスに帰ってくることがあると、このケーキを食べたいと言います。何とも安上がりな家族です。

行政や地域とのつながり

2024年7月13日(土)

 このところ公的な会議の委員として参加することが増えました。練馬区の関係では、以前のブログにも書いた練馬区地域福祉計画検討委員会の権利擁護部会員は今年度も拝命して続けることになりました。また、練馬区がこれから作ろうとしている「エンディングノート」の作成委員会にも、NPO法人成年後見推進ネットこれからの理事長として、事務局長と一緒に参加しています。こちらは区としてエンディングノートを作成する際の参考意見を述べるもので、会議は2回だけ開催され、他の地域団体や練馬区社会福祉協議会の権利擁護センターもメンバーに入っています。
 
また、練馬区社会福祉協議会の権利擁護センター運営委員会には今年度から参加させていただくことになりました。

上記はいずれもNPO法人成年後見推進ネットこれからの理事長としての立場ですが、このほかにぱあとなあ東京会員の社会福祉士としては、練馬区社会福祉協議会権利擁護センターが主催する、成年後見についての検討支援会議に、他の社会福祉士と交代で、弁護士、司法書士の先生方と並んでアドバイザーとして参加しています。 

 NPOとしては、これまで練馬区で成年後見を中心とした活動を地道に続けてきたことで、行政や社協とも信頼関係を築けた結果なのだろうと思います。会議等には理事長としてNPOを代表して参加していますが、事務局スタッフ一人ひとりが、それぞれの役割を果たして、「これから」の日頃の活動を支えてくれているからこそ得られた信頼だと思っています。

色々な会議に参加するたびに、自分の考えの及ばないところに他の参加者が気付いたり、深い考えをお持ちであることに感心するばかりで、自分のふがいなさに情けなくなります。それでも、自分の求められる役割を果たせるように、これからも考え続けたいと思っています。

追悼 大切な友人

事務所開所10周年に頂いた胡蝶蘭  園芸担当者の手により毎年花をつけます

2022年の誕生日に届いた花束と

2023年の誕生日

 2024年4月7日(日)

 昨年の5月にある男性が亡くなりました。私にとって友人というのも変な感じがする、不思議な関係のSさんは、色々なことを私に伝え、多くの物を残してくださいました。

 最初の出会いは私が社会福祉士の資格を取るための勉強をしている時、ボランティアで参加したある自治体の社会福祉協議会のお出かけイベントでした。そこに脳血管性認知症で車いすを利用しているお母様と一緒に参加していたのがSさん。タクシーを使った八景島シーパラダイスへのお出かけで、各家族に1名ボランティアが同行してお手伝いをすることになっていたのですが、まだ福祉の勉強途中で、ましてや介護の理論も技術も持ち合わせていない私は、車いすの操作も良くわからず、ただ、お母様を介助するSさんを見ていることしかできませんでした。何のために同行したのだろう、もっと何かできなかったのかなと、お出かけが終わってからもモヤモヤした気持ちが続いたので、そんな率直な気持ちをお手紙に書いて、Sさんに送ることにしました。
 すると、Sさんから「一度うちに遊びにいらっしゃい」とお誘いをいただき、ご自宅に伺ったのがSさんとのお付き合いの始まりになるのでしょうか。お話を伺うと、お父様は何年か前に亡くなり、一軒家のご自宅でお母様を一人で介護しているそうで、もちろんヘルパーさんは入っているけれど、デイサービスには行っておらず、介護についても一人で色々と研究してしっかりした考えを持ってやっていることが感じられました。
   その後は1年に1,2回お家に遊びに行くほかに、クリスマスにカードやちょっとしたプレゼントを贈り合ったり、誕生日にメールのやり取りをしたりということが続きました。遊びに行った時に教えてもらったのが、近くのケーキ屋さんで作っているという「タルトタタン」。Sさんはそれをお母様と「タッタラタン」と言い合って、3人で楽しく美味しく食べました。この「タッタラタン」の例のように、Sさんはとてもユーモアがあって、誕生日プレゼントは前後6か月いつでも受付中とメールに書いてあったり、そのやり取りはとてもほっこりするものでした。私の行政書士開業10周年に蘭を送ってくださったのもSさんです。

 何年かそのような時間が流れた後、お母様の具合が悪くなり、結局病院で亡くなられました。亡くなる少し前に病院にお見舞いに行くことができ、ご葬儀にも参列させていただきました。

 その後も思い出したように遊びに行っていましたが、ある時「しばらく冬眠するので連絡できなくなります」とのメールが。私はあまり深く考えもしないでいましたが、何か月後かに連絡が来た時には、癌になって入院治療していたとのこと。家に戻られてからも抗がん剤治療を続けていらしたようですが、なかなか合う薬がなく、色々と試しているとお聞きしました。

 その後も年1回程度お会いして近況報告し合うような感じでしたが、お亡くなりになる半年前位に、ご自宅近くの病院に仕事で行く用事ができたので、お会いできないかと連絡したところ、わざわざ病院まで迎えに来てくださって、ご自宅でお話ししたのが最後になってしまいました。ご病気のことも詳しいことは知りませんでしたし、よく考えたらご本人のこともほとんど何も知らないまま来てしまいました。
 私の誕生日には、ここ何年か花束を送ってくださって、お亡くなりになった年(2023年)の私の誕生日にも素敵なバラの花束が届きました。

 そして5月のある日、突然Sさんの訪問看護師さんから電話が。「Sさんが危ない状態です。やっと連絡してもいいとご本人がおっしゃったので、電話しました」との言葉に、しばらく状況が呑み込めないでいましたが、これは早く行った方がいい!と、入っていた約束を調整してご自宅に駆けつけたのですが、本当にちょっとの差で最期には間に合いませんでした。聞いたところによると、その前にも入院していたけれど、ご本人の希望でご自宅に帰ってきたところだったそうです。ご本人もこんなに早く逝ってしまうとは思っていなかったようで、これからまだやりたいこと、やらなくてはいけないと考えていたことがあったのだろうと思うと残念でなりません。 

 Sさんはご両親が既にお亡くなりになっているので、親族はご兄弟お一人だけですが、日頃からあまり関係が良くなかったうえに、そのご兄弟も体調が悪く、火葬、埋葬はお付き合いのあったお仲間が中心となって取り仕切ってくださり、私も立ち会わせていただきました。ご本人が亡くなってから初めてお会いした方ばかりでしたが、皆さん温かく輪の中に加えてくださって、私が知らなかったSさんの若い頃のお話なども聞かせていただきました。

 『ご縁』というのは本当に不思議なものだと思います。ちょっとしたきっかけで知り合ったSさん。私がお手紙を出さなければ、その後のお付き合いは無かったでしょうし、Sさんの生き方や考え方から色々と学ぶこともできなかったと思います。何よりユーモアの大切さを教えていただきました。これからも、気になることは自分なりに納得いくまでやって、色々なご縁を大切に、そしてユーモアを忘れずに生きたいと思います。

  このブログはずっと書きたかったのですが、うまくまとめられなくて、今頃公開することになりました。それでも思うようにまとまらず長文になってしまいました( ;∀;)。

もうすぐSさんの1周忌になります。感謝を込めて。

 

講演会「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その2

2023年7月25日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからが主催した上記の講演会は、7月2日(日)10時~12時 石神井公園区民交流センターで開催されました。講師はその1でお願いすることになった経緯を記した高林克日己先生です。

 当日は日曜日の午前中、暑い中にもかかわらず100名を超す方にご参加いただきました、在宅医療や事前指示書について、あらためて皆さんの関心の高さを実感したところです。

 講演の前半は、日本の人口推移や今後の人口構成予測といった統計的な資料を示して、このままいくと少子高齢化がどんどん御加速して、老々介護や孤独死が増え、病院も満床で医療崩壊が起こることが予想されるので、救命第一という今までの医療に対する考え方を大きく変えなければ未来はないという話をされ、在宅医療へのシフトを提唱されました。高林先生曰く、医療資源や医療費の問題だけではなく、在宅医療がご本人にとって幸せだから勧めるのです、とのこと。在宅医療を受けながら自宅で過ごす患者さんの、穏やかな表情や素敵な笑顔の画像を披露してくださいました。

 後半は、人間の終末期にはどのようなことが起こるか、延命治療にはどのようなものがあり、自分の終末期の希望を書いておく事前指示書がないとどうなるのかというお話があり、事前指示書の重要性を説明されました。参加者にお配りした資料には、高林先生が提案される事前指示書も付けておきました。

 そして最後には、患者さんたちを連れて欧州旅行をした時(今までに21回も行かれているそうです!)の画像を映して、いきがいがあると人生は楽しく生きられることを強調され、「皆さんも楽しく生き抜きましょう」と締めくくられました。

 終了後に回収したアンケートには83名の方から回答をいただき、「このようなお話が聞きたかった」とか「帰ったら早速事前指示書を書こうと思います」といった声が多く見られました。

 お忙しい中で練馬にお越しくださって、貴重なお話をしていただいた高林先生には感謝の気持ちでいっぱいです。私は講演会の時に初めてお会いしたのですが、とても素敵な方で、もっと色々とお話を伺いたいと思いました。

 

↑ 講演会の様子   ↓ 高林先生

NPO「これから」の講演会
「最期まで自分らしく生きる ~在宅医療の可能性と事前指示書の重要性~」 その1

2023年7月18日(火)

 NPO法人成年後見推進ネットこれからの今年度のメインイベントである講演会が、7月2日(日)午前中に石神井公園区民交流センターで開催されました。
 講師には「高齢者終末医療 最良の選択」の著者であり、松戸市の医療法人社団鼎会 三和病院顧問である医師の高林克日己氏をお迎えして、100名を超える参加者の皆さまが熱心に耳を傾けてくださいました。

 当日参加者にお配りした資料に、理事長としてのご挨拶文をつけたのですが、そこから抜粋したものを載せたいと思います。

 『…本日の講師である高林先生は、現在は松戸市の三和病院にお勤めで、ご自身が在宅医療にも関わって、地域に根差した医療を実践されているお医者様です。そのような高林先生を講師としてお迎えすることになった経緯を、ここで少しお伝えしたいと思います。
 私はNPOの活動を通して、また個人的にも成年後見人の活動を通して、支援している方の医療や看取りにも関わることが多く、また自分の家族や自分自身も最後の時をどうしたら自分らしく穏やかに過すことができるのか、いわゆる終末期の医療や介護の在り方について関心を持つようになりました。そんな時に出会ったのが高林克日己先生が書かれた『高齢者終末医療 最良の選択 ~その基礎知識と生き方のヒント~』(2016年 扶桑社)という本でした。それだけであれば、そのような書籍を出版されるようなお医者様、しかも千葉の病院の先生にご講演をお願いしようとは思わないのですが、そこに不思議なご縁がありました。
 後日、私の卒業した高校の同窓会誌を読んでいたところ、同窓会の記念講演で、卒業生であるお医者様が「最期まで自分らしく生きる」というタイトルでお話された内容をまとめたものが掲載されていました。そのご講演をされたのが高林先生だったのです。
 珍しいお名前なのできがつきましたが、そうでなければそのままになっていたかもしれません。そこにもご縁を感じてしまった私は、ぜひ「これから」の講演会でもお話をしていただきたいと熱望し、単に同じ高校の卒業生であるというだけの伝手を使って、厚かましくも先生にお手紙を書き、病院宛に講演の依頼書をお送りしました。
 ダメで元々の気持ちでしたが、直ぐにメールでおのお返事を頂戴し、しかも講演についても「いいですよ」と快諾していただきました。この時は、本当に「願いは通じるのだな」と感激したことを覚えています。それが2019年の秋ごろのこと。その後、新型コロナウィルスの感染拡大が顕著になり、せっかくの高林先生の講演会も残念ながら中止の判断をせざるを得なくなりました。
 それから2年たった2022年の秋。コロナの感染も少しずつ収まり、大勢の人が集まるイベントも開催可能になったのを機に、あらためて高林先生にご講演をお願いしたところ、今回も快くお引き受けいただいて、ようやく本日を迎えることができました。

 先生の今回のご講演のテーマは、私ども「これから」としても、個人としてもじっくり考えなくてはいけないこと、そして悩みつづけなくてはいけない大事なことだと思っていますので、本日は皆さまと一緒に学ばせていただきたいと考えております。
 そして、参加してくださった皆さまにとっても本日の講演が、ご自身やご家族、支援する方々のこれからを考えるうえでの一助となることを願いつつ、ご挨拶とさせていただきます。2023年7月2日』

オレンジカフェアリスと関根奈々さんのコラボ展

2023年5月31日(水)

 光が丘のNPOむすびでやっているオレンジカフェアリスは、5/12-14の3日間、練馬駅すぐの練馬区立区民・産業プラザ(ココネリ)にある産業イベントコーナーにおいて、関根奈々さんとのコラボ展を開催しました。

 奈々さんは知的障害がありますが、独特のイラスト的な絵を描いて、展覧会で入賞したこともあります。その奈々さんの作品の展示と、関連グッズの販売をする一方、アリスに参加している方が作った作品の展示・販売や、水引アクセサリーのワークショップも行いました。
 中には95歳の方が丁寧に作って袋物もあり、93歳の方はお得意の布草履をコツコツ作って出品してくださいました。亡くなった奥様の絵を出してくださった方もいて、会場に花を添えてくださいました。
 当日はアリスの参加者が交代で受付や販売員を務めながら、自分たちも楽しみました。スタッフも含めると1日平均100人以上の来場者があり、初めての試みとしては良かったのではないかと思います。

 今回の企画は、アリスのリーダーが関根奈々さんのお母様と知り合いだったというご縁で、アリスとして奈々さんを応援したいという気持ちから企画されたものですが、アリスは高齢の方だけでなく、障害のある方も子どもたちも、誰もが安心して生活できる地域を目指す、インクルーシブな活動をしていることを発信する機会にもなったと思います。

 また、コラボ展を訪れてくださった福祉事務所の所長さんに、アリスで福祉事務所についてお話をしていただけないかと直談判(?)したところ、週明けすぐにご連絡をいただき、高齢者支援課かの方がアリスを見学に来てくださいました。また、コラボ展の隣のホールで「看護の日」というイベントをやっていたのを覗いてみた際には、地域の在宅看護の事業所さんにもアリスでのお話をお願いしたところ、こちらもすぐに連絡をいただき、近いうちにアリスに来てくださることになりました。これにはこちらからお願いしてみたものの、その反応の速さにこちらのほうがびっくりしてしまいました。なんとありがたいことでしょう!

 

コラボ展の隣に朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルとなった牧野富太郎博士がいたので、一緒にパチリ!

2009.10.30(金)

 私の所属している「ねりま社会福祉士会」では、2カ月に1回程度『社会福祉士の倫理綱領』についての勉強会を、講師をお招きして開いています。

 前回はその倫理綱領を最初から読んでいって、疑問に思う点やここはどうなの?という点を出し合いましょうということになりました。読み始めたところ、前文の最初から4行目ぐらいに“自己実現”という言葉が出てきます。『……社会福祉の推進とサービス利用者の自己実現をめざす専門職であることを言明する。』という文章の中で使われているのですが、ここでまず「利用者の自己実現とは?」という疑問が出されました。参加者はみなさん日頃の自分の仕事の場での経験を思い浮かべながら考えたと思うのですが、有料老人ホームで仕事をしているメンバーからは「入居者でお風呂に入りたくないという方に対して、その人の希望通りにすることが自己実現なのか、それとも健康や清潔を保つという点から、ご本人の意向を無視して、無理やりにでも入浴させてしまうしかないのだろうか? そういう場合の自己実現とはどう考えたらいいのか、皆さんはどうしていますか?」といった投げかけがありました。

 それに対して、それぞれ自分の立場や経験から、色々な意見が出されました。
最近は地域で、とかなるべく在宅で、という流れがあるけれど、ご本人が施設のほうがいいと思っている場合もあるとか、高齢の方はよく自分が生きていることが迷惑だと感じているけれど、それでいいのだろうか考えてしまう、という意見もありました。
 路上生活者になんとか支援をと思っても、本人がそのままがいいという場合もある。そういう場合に無理やりどこかの施設に入ってもらうことが、本当にその人の自己実現につながるのだろうか、という悩みも出されました。

 それらの現場が抱えるジレンマや悩みに対して、結局はご本人が「生きててよかった」と思えるように手助けするのが私たちの仕事なのではないか、そう思って仕事をしているという意見や、ご本人が選択肢を知らない場合も多いので、可能な選択肢を示して、色々な道があることをわかったうえで、現在の生活を選ぶのならば、それでもいいのではないか、という意見が出ました。
 また、自分の自己実現ができていないと、他人の支援はできないのではないか、という考えもありました。

 結局倫理綱領を読み始めて4行目までのところで、2時間を費やす議論となりました。私自身はそうやって、倫理綱領の文章をそれぞれの現場に当てはめて考えていくということは、とても大事なことだなと感じました。なかなか充実した時間でした。

 私にとっての自己実現って何だろう???と考えてしまうきっかけにもなりました。

 2009.10.19(月) 

 2009年4月に出版された幻冬舎新書です。

 内容が

 1.コミュニケーション論・メディア論
 2.若者論・教育論
 3.幸福論
 4.米国論
 5.日本論

 と大きく五つに分かれており、そのどれから読んでも、自分の興味のある部分だけ読んでもわかるようになっています。

 「2.若者論・教育論」の中に、「いじめ」は本当に決してなくせないのか という項目がありました。そしてその中で筆者は 「いじめ」はなくならない のではなく、「いじめ」は殆どなくすことができる という考え方の転換が必要と述べています。  そして、少し前に阿部寛の主演で映画化された重松清の『青い鳥』に出てくる、吃音の先生の言葉を引用しています。 「本気で話されたことは本気で聞かなくちゃいけないんだ」と話す先生の本気が、やがて生徒たちに“感染”していきます。心底スゴイと思える人に出会い、思わず「この人のようになりたい」と感じる“感染”によって初めて理屈ではなく気持ちが動く。そして、スゴイ奴に接触し「スゴイ奴はいじめなんかしない」と“感染”できる機会をどれだけ体験できるか……。

また、ダメなものはダメということを伝えられる人(大人?)がどれだけいるのか とも書いています。

 “感染”によっていじめが減るかどうかは疑問もありますが、確かに理屈抜きに「スゴイ」と感じる人に出会う体験というのは、人生の中でとても大事だなと、自分自身を振り返っても感じます。
言っていることは全部が全部正しいとは思えなくても、それでもなんだか「スゴイ」と思える人、そんなスケールの大きな人間が減ってきたのかもしれないと思うとちょっと淋しいですね。
これからの社会を担う子ども達には、心が動く体験をたくさんしてもらいたいと思います。

 それから、そういう「スゴイ奴」というのは、みな利他的であるとも書いてありました。なるほど……。

 この本には「深いかかわり」というような意味での「コミットメント」という単語がよく出てくるのですが、それが私にはなんとなく違和感があって、ちょっとすっきりしませんでした。日本語で言ってくれたほうがわかりやすいのに。多分英語だとひとつの単語で表せるからなのだろうと思いますが……。

2009.10.6(火) 

 私は日本社会福祉士会の会員でもあるので、社会福祉士会で行っている成年後見人養成講座を受けてきました。8月1日から先日10月4日まで、土日を使った5日間の講座です。制度の理念や制度に関わる法律、支援対象者の理解といった講義の間に申立書や家庭裁判所への報告書の書き方といった実務をグループワークで学びました。講座を修了して認定されると、家庭裁判所の名簿に成年後見人候補者として載せられることとなります。

 講座の始まる前には事前課題がいくつか出され、途中でも宿題が出たり、結構大変でした。グループワークでは成年被後見人となる方をどのように支援したらいいかということで、メンバーそれぞれが自分の普段の仕事の観点から意見を出して、「そういう見方、考え方もあるんだな」と色々な気付きがありました。

 行政書士としては書類の書き方や財産管理の面に重点を置きがちですが、たとえ判断能力が十分でないとしても、ご本人がその人らしく生活するにはどうしたらいいのかという、いわゆる身上監護の面を大事にして活動することを期待され、実際にもそういう支援ができるように考えるのが社会福祉士なのだろうなと思います。

 私個人としても、財産管理と身上監護の両方のバランスがとれた成年後見というものを考えていきたいと思います。また、成年後見人の活動は、基本的には個人での活動になりますが、常に属している団体や家庭裁判所、周りの支援者とのつながりを大事にして、迷ったり悩んだりしたときには相談しながらやっていくことが大事なのだろうと感じました。

2009.9.26(土)

 きょう、2009年 首都圏統一 帰宅困難者対応訓練というものに参加し、日比谷公園から地元の光が丘公園まで、20㎞弱を歩いてきました。

 「帰宅困難者」って何? と思われる方が多いことと思います。 これは首都圏で大規模な地震災害が発生したときに、自宅まで帰る交通手段をなくす人々のことを言います。その数は650万人にものぼるそうです。災害で電車が止まり、道路も混乱をきたした場合、ひたすら自宅をめざして歩いて帰らなくてはならなくなります。 そんな場合を想定して、大勢の人が沿道に住む人やお店の支援を受けながら、安全に自宅に帰るためにはどうしたらいいか。歩く人と沿道で支援する人や団体の両方が考えながら行うのがこの訓練ということになっています。

 私は今年のゴール地点である光が丘公園が近くにあるので、そこでゴールした人の支援のお手伝いをしようと思っていたのですが、関係者に「手伝いの手は足りているので、よかったら歩くほうで参加してください」と言われ、歩くことは嫌いでないので、それなら、と参加を決めてしまいました。職場単位や家族で参加する人が多い中、おばさん一人でちょっと淋しかったですが、都心から地元までのルートが具体的にわかったですし、気候もいい時期なので、周りの景色を見たり、「こんなところに面白そうなお店が…」といった発見もあり、さすがに最後のほうは足も疲れましたが、結構楽しく、気分的にはすっきりしました。 とはいえ明日の朝が起き上がれるか???

 休憩所であるエイドステーションやゴールでは温かく迎えてくださり、沿道では立って案内したり声をかけてくださったスタッフやそれぞれの地域の方々に感謝です!

 ただ、実際の災害時にはなかなか訓練のようにはいかないだろうと思います。でも、何もしないよりは、やはり色々なことを想定してみることは大事ですよね。私が一番心配なのは、トイレでしょうか。

 いずれにしても、久しぶりにたくさん歩いて気持ちよかったです。学生時代に山手線一周ハイクをしたり、海岸沿いを夜通し歩いたこと等思い出してしまいました。

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東京都練馬区(光が丘、田柄、石神井、平和台、大泉学園 等)、板橋区(成増、小竹向原 等)、西東京市(ひばりが丘、保谷、田無)、その他都内全域、埼玉県(和光市、志木市 等)、神奈川県など