酒井玲子の日々

2009.09.15(火)
    「 酒井玲子の日々」を訪れてくださってありがとうございます。
 どうやってここにたどり着かれたかはわかりませんが、これも何かのご縁です。
 酒井玲子ってどんな人間なの?? と興味を持っていただけたら、時々のぞいてみて
 ください。
  私自身は、一期一会を大事にしたいと思いながら日々生活していますので、
 そんな酒井玲子のつぶやき、出会った人々、読んだ本の感想、
 失敗談(たくさんあって困るだろうなぁ)、もちろん仕事のうえで参考になるようなことも
 色々と徒然なるままに書いてみたいと思っています。
  

遺言書の書き方 『これから塾』にて

2017年4月18日(火)

 毎月第一火曜日の午後に街かどケアカフェこぶしで開催している「これから塾」ですが、第10回目となる4月4日(火)は私がこれからのスタッフとして『遺言書の書き方』についてお話しさせていただきました。

 聞きに来てくださったのは一般の高齢の方が多かったので、遺言書の主な種類と書き方のポイント、遺言書を作ることをお勧めする場合等を中心に、最後には私が実際に経験した、遺言書を作っておけばよかったという事例についてお話ししました。

 今回も反省点はたくさんありましたが、わかりやすかったとの感想もいただいたので、この経験を次に活かしていきたいと思います。

 なお、「成年後見推進ネットこれから」のホームページに今回の「これから塾」についてのブログが載っていますので、そちらもご参照ください。

http://www.sactown.jp/happy/smile/korekara/od010050/view/Vj44Dm23/13918710

 

2017年 新年のご挨拶

2017年1月9日(月)

 遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 旧年中は成年後見活動を中心に、相続、遺言から許可についてのご相談を受けた1年でした。新しく高齢男性の後見人を受任したことが大きな変化です。今お手伝いさせていただいている方々は皆さん無事新年を迎えられて、ほっとしています。

 自身の体調については、ちょこちょことした不具合はありましたが、大きな悪化や再発はなく、無事1年間過ごせたことに感謝です。 

 今年は少しでも人間として成長できるよう、積極的に人とかかわることを目標にして、何事にも興味と好奇心をもって取り組むようにしたいと思います。そして、表現力、発信力を高める努力をしなくてはと考えています。まるで子どもの目標のようでお恥ずかしいのですが、いくつになっても自分の心がけ次第で成長できるものだと信じています。小さな一歩でも少しずつ前に進みたいものです。
 相続関係や成年後見についての法改正や運用等の動向にも注意していかなくてはと、あらためて肝に銘じました。 

 頭の痛みや痺れとの付き合い方にもだいぶ慣れてきましたので、自分の体の声をよく聞きながら、体力や筋力のアップにも取り組みたいと思っています。

 そして、今年こそ目指せ富士山頂! 

 

アリスのクリスマス

2016.12.31(土)

アリスのクリスマスケーキ(縮小).jpgChristmasTree.jpg

 光が丘の介護事業所「NPOむすび」で毎週月曜日の午前中に開かれている「オレンジカフェアリス」では、毎月最後の月曜日には参加者のうちの誰かがメインシェフとなって、みんなで作って食べる食事会をしています。12月はクリスマスということで、チキンとポテトのマスタードソテーとピラフ、デコレーションケーキ、それに加えておいしいお酒が供されました。

 お酒が楽しみで参加している方もいるのでは? という感じで、参加される皆さんが毎回自分の好きなワインや日本酒等を持参してこられるのですが、この日も次から次へとアルコール類が集まってきました。

 参加者が3班に分かれて、チキン、ピラフ、ケーキそれぞれを準備するということで、私はご婦人方中心のケーキ班に参加。市販のスポンジケーキとホイップクリームを使って、イチゴと、なぜかリンゴがトッピングされたデコレーションケーキが3台出来上がりました。

 それぞれ作った人の個性が表れたステキなケーキは、カットするのがなかなか大変でしたが、参加した80代の女性が一生懸命に切ってくださって、皆さんに配られました。

 アリスでの食事会はできるだけみんなが参加して作ることと、昼間から(ほとんど朝?)お酒が飲めるというのが特徴です。これまでもホットプレートで焼きそばを焼いたり、一生懸命具を皮に包んだ餃子は色々な形のものができました。手打ちのうどんやそばは専門家に教えていただきながら、みんなで叩いたり伸ばしたり。

オレンジカフェなので、認知症の方も参加していますが、それでも皆さん自分のできることを積極的にやって楽しみながら作っています。自分の役割があるということは誰にとっても生きがいにつながるのではないかと実感します。

そしておしゃべりを楽しみながらの食事はまた格別です。普段おひとりで生活している方も多いので、誰かと一緒に食事をするということだけでもうれしいことなんだろうなと思います。

1日遅れのクリスマスパーティーは、皆さんの笑顔とおしゃべりに溢れたステキな時間となりました。新たな年も「カフェアリス」が、ますます皆さんにとっての居心地の良い場所となりますように。

BuchedeNoel.jpg  こちらは我が家のクリスマスケーキです。ビスケットと生クリームを使って作った簡単ブッシュドノエル風ケーキ。簡単で結構おいしいので、ここ何年もケーキは買うことなく、これで済ませています。今年はイチゴとマシュマロでサンタさんを表現したつもりなのですが、とてもサンタさんには見えず、家族からは「クリスマスとハロウィンが一緒になったみたい」との感想が。

これから塾「高齢期の住まいについて」

平成28年12月30日(金)

 街かどケアカフェこぶしで開催されているこれから塾、12月は「高齢期の住まいについて」のタイトルで、一般社団法人アスラサポート代表林あつ子さんとシニアライフアドバイザー鈴木紀子さんを講師にお迎えしました。

 アスラサポートは、さいたま市で機能訓練型デイサービスを運営している経験から、それまで元気にデイサービスに通っていた方が色々な事情で施設に入所して、急激に身体能力が落ちて歩けなくなったり、元気がなくなってしまうという例を目の当たりにして、自分たちで一人ひとりに合った良い施設を紹介できたら、という気持ちで有料老人ホーム紹介センターを立ち上げたそうです。

 介護度に応じて、在宅ではどのようなサービスが使えて、入居できる施設にはどのようなものがあるかという基本的な説明とともに、実際の老人ホームの画像や具体的な費用についても示してくださいました。有料老人ホームは入居金が高額で月々の費用もそれなりにかかるのでは…というイメージを持っていた方が多いかもしれませんが、有料老人ホームにも色々なタイプがあって、費用も特養に近いところもあるということが実感できたのではないかと思います

 途中に体をほぐす体操を挟んで、実際に相談を受けたケースの紹介がありました。家族(子ども)が良かれと思ってした選択がご本人の希望と合わなかった例では、本人の希望を元気なうちに記録しておくことが大切で、そのために「これからノート」はいいですね、と宣伝してくださいました。また、自宅を売却して施設に入所しようと思っていたところ、本人が認知症になって家を処分することができなくなってしまったということもよくあって、その場合、成年後見制度の利用が必要になるという説明もありました。

 高齢期の住まいについては、切羽詰まってから考えたり探したりしたのでは、選択肢も少なくなってしまうし、思うようにいかないことが多いと感じます。自分のことも親のことについても、元気で判断能力もしっかりしている時に、色々な情報を集めて考えておくこと、そしてそれをいざというときに周りにわかるように記録しておくことが大事だということをあらためて実感しました。そして、アスラサポートさんのような頼れる専門家がいることを知っていると心強いですね。

 

「介護家族の気持ちが楽になるヒント」講演会

2016年9月11日(日)

 私が理事をさせていただいている『NPO成年後見推進ネット これから』が主催して、健康長寿医療センター研究員で看護師の伊東美緒先生をお招きした講演会が開催されました。「認知症を理解して 介護家族の気持ちが楽になるヒント」というタイトルで、数多くの実践を重ねてこられた中から導き出された認知症の方への接し方や、介護者が気持ちに余裕を持つためのアドバイス等、とても分かりやすく具体的にお話ししていただき、参加した皆さんも聞き入っていました。

 最後にはユマニチュードという認知症ケアの方法の実践動画も紹介してくださって、認知症の方の表情の変化や体の反応を実感しました。

 記憶や認知等の障害は避けられない症状(中核症状)で、それによって本人は不安になったり混乱したりしますが、そういったご本人の不安・混乱を理解して、その想いに寄り添ったケアをすれば、暴言や徘徊といったいわゆる周辺症状と言われる困難な状態を回避できることが多い。相手と同じ目の高さで、ゆっくり話しかける等々の方法は介護に携わる人にとっては知識として知っていることも多かったと思いますが、日々時間に追われて介護をする中で、自分の接し方がこれでいいのだろうか、とあらためて振り返る意味でも、このようなお話を聞く機会は大切だとの声が「これから」スタッフの中でも出ていました。

 一方、家族介護者の感じやすいストレス(ご本人の認知症状に対して、他の家族やご近所との関係で)についても、実例を挙げて説明してくださって、「あるある」と頷くことがたくさんありました。

 まずは介護する人が自分の気持ちに余裕がないと他者にも優しくなれないので、気持ちに余裕を持つためには、使えるサービスは利用し、自分の楽しみも作る。近所や周りの人に伝えて協力者を増やす。施設入所になったとしても、可能な範囲で会いに行ったり、コミュニケーションを取り続ける努力ができれば、それ自体で介護放棄ではない。といったお話しが出ました。

 聴きに来てくださった皆さまが、認知症ケアについての何かしらのヒントを得ていただけたらいいなと思います。

幻となった富士登山の夢

2016年8月22日(月)

  実は昨日から1泊2日の予定で、あるツアーに参加して富士山登頂を目指すはずでした。予定では今頃(8/22 午後)御殿場ルートの大砂走りを走っているか、転がっているか、とにかく下山の途についている頃。

 ところが日本列島をトリプル台風が襲い、出発前日のお昼頃になって、「現地ガイドの判断で、今回のツアーは中止になりました」との連絡がツアーを主催する旅行会社から入り、私の人生初の富士登山計画は幻となってしまったのです。

 富士山には一生に一度は登ってみたいと思いながら、なかなかその機会がなく今まできてしまったのですが、たまたま新聞の広告にローカルな観光会社のツアー案内が入っていて、そこで目にしたのが【日本最高峰富士山剣が峰 〜プリンスルートとダイナミックな大砂走 8月21日(日)〜22日(月) 】のタイトル。しかも、練馬区内の中堅観光会社のようで、ツアーバスの乗車地に光が丘が入っていました。これが一番の決め手だったと思いますが、慣れたガイドが同行し、7合目の山小屋に1泊して剣が峰を目指すということなので、今の私でも大丈夫ではないかと考えて、最初は家族に相談したところ、今回の日程では皆仕事の関係で一緒に行けないとのこと。ツアーなので、ひとりでも参加するかどうか…。病気になる前だったら、たとえひとりでも行きたいと思ったら申し込みしていたと思いますが、さすがに常に頭が痛いという今の体調と、筋力もだいぶ衰えてしまっている現状を考えた時に、ひとりでは不安だったため、時々ハイキング程度の山歩きを一緒に楽しんでいる練馬区内の行政書士のお仲間二人に、ダメ元で相談してみたところ、たまたま二人とも日程が空いていて、一緒に行きましょうと言ってくださったので、3人で申し込みをし、それぞれに装備等も準備して当日を迎えるはずでした。

 よりによってこの時期にトリプル台風が発生し、しかも登頂予定当日にそのうちのひとつが関東上陸。これは行くなという何かの啓示だったのかもしれないと考えてしまうような出来事で、やはり自然の力を侮ってはいけないとあらためて感じました。

 もっと体力をつけて、低山から登って準備を整えてから、来年また挑戦しましょうと同行予定のお二人とは話をしていますが、幻の富士登山計画、いつか実現できる日がくるのでしょうか…。

今年の七夕

2016年7月7日(木) 

 七夕カフェアリス2リサイズ.jpg昨年は半ば意地になってやっているとここに書いた七夕さま。今年も小さな笹を買ってきてベランダに飾りました。短冊にはほとんど私の願い事ばかりが書かれていますが、今年は家にいる娘が「良い出会いがありますように!」と切実な願いを込めた短冊を飾りました。

 また、今年は光が丘のNPOむすびでやっている「オレンジカフェ アリス」で先日、七夕の短冊に参加した皆さんそれぞれの願いを書いて、笹に飾り付けをしました。自分の家で相手にされない私が、皆さんと一緒にできたら嬉しいなと提案したところ、すぐに「やりましょう」ということになり、立派な笹(竹?)を用意していただきました。皆さんの願い事が天に届きますように!

街かどケアカフェ

2016年6月25日(土) 

 練馬区では高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる環境を作る取り組みのひとつとして、高齢者が気軽に集い、お茶を飲みながら介護予防について学んだり、体操に参加したりすることができ、地域の団体同士のつながりの場ともなる『街かどケアカフェ』を開設することになりました。

 その第一号として練馬高野台駅前に平成28年4月『街かどケアカフェこぶし』がオープンしました。高齢者の相談と交流の場として練馬区の谷原出張所内に開設され、隣には高齢者相談センター(地域包括支援センター)が併設されていることもあり、介護予防の拠点となることが期待されています。

 『街かどケアカフェこぶし』は月曜から土曜の10時〜16時(祝日を除く)オープン。そこでは看護師等の専門スタッフが医療や介護の相談を受けるほか、骨密度や血圧測定もできます。また、地域団体によって介護予防体操、歌声カフェ、各種講座も開かれているのですが、その中に『オレンジカフェ・ふらっと』という、いわゆる認知症カフェもあって、私が理事をしている『NPO法人成年後見推進ネットこれから』が毎月第一火曜日の午後を担当することになりました。

 『これから』では担当の時間を『これから塾』と称して、“暮らしに役立つちょっといい話”というシリーズで30分程度お話をして、その後は質問や相談があれば受けたり、ゆっくり懇談する時間を過ごしていただくことにしました。

 先日の第1回目は「成年後見Q&A」ということで、『これから』のスタッフ二人が劇仕立てで成年後見についての説明をしました。ひとりが相談者となって、相談員に扮したスタッフのところに相談に来るという設定です。
 ひとつ目の相談は、物忘れが出てきて判断能力が落ちてきたお父さんの介護に必要なお金を、相談者が銀行に行ってお父さんの口座からおろそうとしたところ、本人ができないならお父さんに成年後見人をつけてくださいと言われたんだけど…というもの。どういう場合に後見制度を利用したらいいのか、どういう手続きが必要なのかといったことを相談員が簡単に説明してくれます。
 そしてもうひとつは、独身の相談者本人が自分の老後について心配して相談に来るという設定。こちらは判断能力がしっかりしているうちに自分で信頼できる人を見つけて契約を結ぶ任意後見というものがありますよ、という説明がありました。

 成年後見についての研修や講座というと制度の説明が多くて、なかなか一般の方にはわかりにくいことが多いので、実際の相談の場面を想定して見ていただくという形にして、制度のポイントだけまず理解してもらえるようにということで、時間も30分弱に収めました。

 定員20名としていましたが、当日はたくさんの方にお越しいただき、補助席(?)を出すほどの盛況。お話の後には質問が出たり、残ってお茶を飲みながらスタッフと話をする方もいらして、とても良い雰囲気となりました。

 7月の『これから塾』は『これから』の代表による“認知症サポーター養成講座”、8月は管理薬剤師をお呼びして“在宅介護でのお薬との上手な付き合い方”について話をしていただく予定です。『これから』のスタッフとその繋がりを総動員しての講師陣となっています。お近くの方、興味のある方はぜひお立ち寄りください。

『NPO法人成年後見推進ネットこれから』のホームページもご覧いただければ幸いです。

http://www.korekara.sactown.jp/

 

成年後見制度の本人申立

2016年5月30日(月)

 成年後見制度を利用しようとする場合、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に制度を利用したいという申請をすることになります。それを申し立てというのですが、誰でも申し立てができるわけではなく、申立権者というのが決まっています。

 法定後見の申立権者としては、本人、配偶者、四親等内の親族、成年後見人等、任意後見受任者、任意後見人、成年後見監督人等、市区町村長、検察官等となっています。
 一般的には親族が申立人になることが多いですが、申し立てできる親族がいない場合や、いてもかかわれない場合等は、行政が対応していわゆる首長(市区町村長)申立になったり、保佐、補助類型の場合は本人申立ということもできます。

 私が後見人等をさせていただいている中にも、保佐や補助で本人申立というかたちをとった方は何人かいらっしゃいます。ただ、後見類型での申し立てとなると、本人の判断能力がないと診断されたということなので、本人申立はできないだろうと考えていました。

 ところが、一番最近私が後見人に就任した男性の場合、後見相当の診断書が出たのですが、本人申立で申請したところ、すんなり通って後見の審判がおりたのです。

 その方は、脳梗塞で入院後1人暮らしのアパートに戻ったのですが、介護者がお金や物を盗っていくとの訴えや、上階の住人が勝手に入ってきて年金を下してしまう等の妄想が出現し、食生活も乱れて体調を崩し、再度精神科の病院に入院となり、ひとりいる娘さんも体調が良くなくてかかわりをもてないということで、地域包括支援センター支所の担当者とも保佐で酒井を候補者として本人申立でやりましょうということになっていたのですが、主治医の診断書で後見類型との判断が出たので、区長申立にしてもらうしかないかなと思ったところ、相談した練馬区の地域包括支援センター本所からは後見類型でも本人申立でやってくださいとの回答があったため、ご本人にも説明をして、委任状をいただいて必要書類を集め、申立書類を整えて東京家庭裁判所に申し立てをしたところ、特にご本人に調査官が会いに来るということもなく、後見の審判がおりました。

 後見制度に詳しい弁護士の先生にも「後見類型でも本人申立ができるのでしょうか」と伺ったところ、植物状態で寝たきりとか重度の障害というような方の場合は難しいかもしれないけれど、後見で判断能力がないとの診断を受けていても、ある程度日常会話ができて、制度を利用することを希望しているような場合は、本人申立も可能なのでしょうとの見解でした。

 確かに今回の被後見人も、ご自身が自分の財産を信じられる人に預かってもらいたい、という希望をはっきり表明していらっしゃるので、ご自分で財産管理をすることは難しいけれど、申立能力はあるということになるのだろうと納得しました。

 今回の件で、補助・保佐類型でないと本人申立はできないという認識を新たにして、後見類型でも本人申立が可能ということを学びました。

認知症カフェ

2016.3.7(月)

 光が丘地域で介護事業をしている「NPOむすび」で、昨年から「カフェアリス」という、いわゆる『認知症カフェ』が、毎週月曜日の午前中にはじまりました。『認知症カフェ』という名称がどうなのか、という議論もありますが、ここでは”「自分であること」を大事にすることに共感し、認知症に関心がある人が集う場”ということをコンセプトにしています。

カフェアリスちらしR.jpg 基本的には色々な方が集って、気軽におしゃべりを楽しむ場なのですが、毎月第2週は「ミニ講座」、第4週は「ランチ会」ということになっていて、2月の「ミニ講座」は「認知症サポーター養成講座」を行い、今月は私が「成年後見について」のお話をさせていただきました。

 高齢の方も多い中で1時間程度ということだったので、制度の細かいお話はしても仕方がないと思い、新しい後見制度の理念と利用する際のポイントをお伝えできればと思って用意していたのですが、いざその場で話しだしたところ、あっちこっちに話が飛ぶは時間を大幅にオーバーするはで、皆さまにご迷惑をおかけしてしまいました。せっかく集まっておしゃべりをするという本来のカフェの時間を奪ってしまうことになり、猛反省です。

 病気になって以来、人前でお話しする機会がなかったので、久しぶりのことだったのですが、もっと要領を得たお話ができるようにならないといけないなと、あらためて思いました。

 この「カフェアリス」は男性の参加者が多いことも特徴です。毎月1回の「ランチ会」も毎回違う男性シェフが主導して、第1回目はカレーライス、2回目はお稲荷さんがメインでした。ワインや日本酒も用意されて、昼間から飲めるという素晴らしい場所です。

 認知症当事者の方を含めたご夫婦も参加されていて、新しく顔を出してくださる方も少しずつ増えています。色々な方が気軽に集える場としてのカフェが、これからも発展していくといいなと思っています。

2016年葉山の海

2016.02.28(日)

 もう1か月近く前になってしまいましたが、今年の誕生日は湘南ドライブとなりました。本当はひとりで京浜急行に乗って海を見に行こうと思っていたのですが、諸事情により長女が車でドライブがてら連れて行ってくれることになりました。お天気がいまひとつだったのですが、せっかくだから行こうと言ってくれたので、まずは鎌倉方面から七里ガ浜へ。海沿いにある「アマルフィ」というレストランで、おいしいランチを娘にご馳走になってしまいました。

 くらげR.jpgその後は江の島・・・へは渡らずに「新江の島水族館」へ。実は私はここは初めてでした。イルカのショーは見られませんでしたが、この水族館には珍しいクラゲがたくさん飼育されていて、プロジェクションマッピングを使ったクラゲについてのパフォーマンスを見ることができ、それはとても幻想的できれいでした。

 江の島からは海沿いを走って葉山・長者が崎へ。朝から曇り空だったので、夕陽を見ることは諦めていましたが、それでもいつもの海には行きたいという想いで、今年も来てしまいました。もしかするとしばらく来られないかもしれないし・・・。ずっと変わらない波の音と海岸の様子は、これから何十年も(?)変わらないだろうし、また変わらないでいてほしいなと思いました。葉山の海2R.jpg

 ひとつ歳を重ねて、これからはもしかすると今までできていたことができなくなることのほうが多いのかもしれません。それでも、そのときできることを精一杯やって、笑顔で生きていきたいとあらためて思いました。

 葉山の海と娘に「ありがとう!」

2016年の葉山の海は…

2016年1月19日(火)

 この時期にしばしば訪れて元気をもらっている葉山・長者が崎の海ですが、今年はちょうど誕生日の日に行くことができそうです。もちろんお天気にもよりますが、波の音だけが響く浜辺に大きな夕陽が沈むところを眺めていると、雄大な自然の中での自分の卑小さを否応なく感じさせられます。ただ、そこからまた、もう少し頑張ってみようという力も涌いてくるので、私にとってはとても大切な場所であり、時間です。

 どうぞまたあの夕陽に会えますように

2016年 新年のご挨拶

* 2016年1月4日

    謹んで新年のご挨拶を申し上げます *

   昨年は、病気を抱えながらも再発することなく過ごし、お仕事もさせていただけたこと、多くの方々の応援とお力添えのお陰と心より感謝申し上げるとともに、本年も温かく見守っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

  昨年は自分の体調と、業務や日常生活のバランスを見ながら試運転のような状態でした。再発予防の薬を調整しながら、後遺症的な頭の痛みが何とかならないかとそちらの薬を色々と試したり、秋には1か月近く入院して血漿浄化(吸着)療法という治療を受けたりもしましたが、痛みについてはあまり効果はありませんでした。ただ、作業療法士(PT)の先生から効果的な筋力&体力アップの方法等について指導を受けたので、自宅でも実践するようにして、少しずつ筋力、体力は戻ってきたかなというところです。今後も病気(痛み)とうまく付き合いながら、その時に自分にできることは精一杯やって、毎日を大切に過ごしていきたいと思っています。

 仕事では成年後見業務が主となりますが、行政書士としては相続手続きや遺言についてのご相談に応じ、その方にとって一番良い方法をご提案できるように努力していきたいと考えています。

 また、 地域の活動についても少しずつ再開し、地域の中で課題解決のために自分にできることを考え、実践していきたいとも思っています。

 何より毎日の生活の中に楽しいことを見つけて、笑顔でいたいものです。

 皆様にとっても、本年が良い1年でありますようにお祈り申し上げます。

小さな旅(おまけ)

2015.9.2(水)

  木曽への小さな旅のおまけは妻籠宿で見つけた自分自身へのお土産です。

木曽ヒノキに書かれた絵と言葉に惹かれて、私が画像のものを、娘には「一期一会」の文字が描かれた、やはりほんわかするような絵のものを求めました。

1441119045475 (00000003)土産1.jpg1441119119667 (00000003)土産2.jpg 私にとっては今までの色々な出会いに心から感謝!

 そして、娘にはこれから良い出会いがありますように!との願いを込めて。

小さな旅(2)

2015.8.30(日)

 木曽の旅二日目はやはり雨でしたが、思ったほどひどくはなかったので、馬籠宿、妻籠宿を散策することにしました。馬籠では石畳の坂道を歩き、店先で売っている「おやき」と「ぬれおかき」を食べて、島崎藤村の生涯や作品を展示してある「藤村記念館」に立ち寄りました。

DSC00543.jpg 妻籠宿は江戸時代の街並みが保存されていて、水車や高札場がそのまま残っていたり、郵便局の一角は「郵便資料館」になっていました。妻籠宿のお店でおいしいお蕎麦を食べ、次に向かったのは木曽福島に戻る途中、上松にある「寝覚めの床」。

  木曽川の激流によって刻まれた大きな花崗岩が並ぶ景勝地ですが、ここに「浦島太郎伝説」があるということを初めて知りました。            

DSC00549.jpg  浦島太郎が亀を助けて竜宮城へ連れて行ってもらったのは、今の京都の天橋立あたりということですが、戻ってみると親兄弟はもちろん親族隣人誰一人として知っている人がいなくなって、家もないのでそこに住むことができず、山の中をさまよううちに木曽にやってきて、釣りをしたり、村人に竜宮の話をしたりして暮らしていたところ、ある日お土産にもらった玉手箱を開けてみると、いっぺんに三百歳のおじいさんになってしまい、びっくりして目が覚めた。目を覚ましたということで、ここが寝覚と言われるようになったというお話しです。
 本来は床岩を渡って浦島堂というところまで行かれるのですが、小雨の中だったので、さすがにそこまでは行かずに、近くから色々な形の岩と木曽川の流れを眺めました。 

  これで今回の旅の目的地はほとんど巡ることができたので、木曽福島に戻り、レンタカーを返して帰路についたのでした。

 「田立の滝」の山道を今の体力で登れるかどうか、少し心配でしたが、時折フラフラして娘に「気をつけてよ!」と言われながらも、何とか上まで登って、下りて来られたので、自分でも自信がつきました。今回の旅で、田立の近くに「柿其渓谷」という秘境(?)があることを知ったので、次はぜひそこへ行ってみたいと思っています。

 貴重な夏休みに母に付き合って、ずっと車を運転してくれた娘には感謝です。また一緒に旅ができたら嬉しいなぁ。

 



 

小さな旅(1)

2015年8月23日(日) 

 お盆が終わった8月の16日(日)、17日(月)、久しぶりに遠出をしてきました。

 目的地は木曽郡南木曽にある『田立の滝』。木曽川水系の坪川を源流として花崗岩質の峡谷にあるいくつかの滝を総称して『田立の滝』と言っているようです。何年間か治山作業のため入山禁止となっていて2011年頃に入れるようになったので、機会があれば行きたいと思っていたところ、社会人の長女が夏休みを利用して付き合ってくれることになりました。

 当初のプランは、木曽福島を拠点にレンタカーを借りて、1日目は上松の寝覚めの床辺りを散策し、2日目に田立の滝へ行くつもりでしたが、17日は全国的に雨という予報でしたので、急遽木曽福島に着いたその足で、娘に運転してもらって田立まで行くことに。

 午後からの登りで、しかも体調の関係で自分がどれだけのペースで登れるかわからなかったので、夕方までに戻って来られるか不安もありましたが、いざとなれば途中で引き返せばいいということで、他の登山者が戻ってくる中を登り始めました。

田立の滝1

 滝を見ると言ってもほぼ登山と同じで、山道を登りながら次々に現れる表情の違う滝を眺めてちょっと休憩、という感じ。新鮮な空気と水の音を味わいながらではありましたが、汗だくになって、まるで滝に打たれた(ちょっとオーバー?)ような恰好で登って、なんとか不動岩展望台というところまでたどり着きました。苦労して登った後に見る遠くの山々や眼下の緑、久しぶりに自然の雄大さを感じることができました。田立の滝2

 下りは誰にも遭遇せず、駐車場に着く頃には陽も傾きかけて、残された車は私たちのだけという状況でした。それでも雨にも遭わず、無事目的を果たすことができて、汗と泥にまみれた姿にはなってしまいましたが、爽やかな気分で木曽福島の宿に到着し、温泉でゆっくり汗を流して美味しいお料理を堪能しました。

田立の滝3

 

 普段はまだ頭が痛くて時折フラフラするのですが、なぜか自然の中にいると元気になれるようで、娘によると「お母さんは野生(?)のほうが合ってるんじゃないの」…う〜ん、確かに!

 

 

季節の行事(七夕)

2015.7.7(火)

 きょうは七夕です。梅雨真っ只中できょうも雨かなと思っていましたが、星は見えないものの雨は止んで空を見上げることができました。

 子どもたちが小さい間は短冊に願い事を書いて一緒に飾り付けたりしていましたが、ここ何年も母が短冊を作って渡しても相手にされなくなってしまいました。それでも半ば意地になって(?)毎年小さな笹を用意して短冊に願い事を書き、折り紙で星やちょっとした飾りを作ってくくりつけてはベランダに出しています。

 七夕だけでなくて節分の豆まきやひな祭りといった季節の行事について、子どもが育ってしまうとその子どもたちがあまり興味を示さなくなり、だんだんおざなりになってしまうように感じます。私個人としてはそれではなんだか寂しいので、そんなに大々的にはしなくても、季節感や行事の持つ意味を大事にしていきたい、家族があまり関心を示さなくても、しつこく節分の豆をまき、短冊に小さな願い事を書いて笹に飾りたいと思っています。

 さて、織姫と彦星は天の川を渡ってデートできたのでしょうか? 星に願いを夜

 

 

プレケア・カフェ

2015.7.5(日)

 練馬の商店街にある「ビーンズアクト」は珈琲豆屋さんでありコミュニティスペースの役割もしています。そこで毎月第一土曜日の午後「プレケア・カフェ」という集いが開かれています。

 立ち上げのきっかけとなったのは、2012年8月、NHK厚生文化事業団制作の認知症ケアに関するDVDをレンタルし上映会を開いたことでした。その後、参加メンバーの中にも介護まっただ中、介護予備軍、あるいは介護を経験されたりと、様々な状況が生まれました。個々に悩んだり、情報を収集したり、経験を積んだ中から、相互に介護や自らの老後の準備などを語り合い、情報や経験をシェアする場があってもいいよね! ということになり、上映会に参加された方々を中心に店主の蜂谷さんの呼びかけで、2014年2月2日に第1回の会合が開かれ、プレママ教室ならぬ、プレケア・カフェと名付けて1ヵ月に1回、第一土曜日の午後に、プロ・アマ、男女・年齢問わず、コーヒーを飲みながら、介護や老後のことを話すという「ゆるゆる」な活動が始まりました。

 自治体や行政の取り組みの紹介、認知症について、成年後見人制度、遺言状の書き方、若年性認知症についてなど、専門家を迎えて話を伺ったり、介護をされた方、現在されている方の経験談などを聞きながらのフリートークが中心です。

 私は社会福祉士として成年後見制度のこと、行政書士としては遺言書についてお話しさせていただきました。お話しといっても構えたものではなく、成年後見制度については、実際に制度を利用しようとした場合にどのような手続きが必要になるのか、費用はどれぐらいかかるのか、親族が後見人等になった場合のメリットとデメリット等、遺言書がテーマの時には自筆と公正証書の違いや、どんな場合に遺言書があったほうがいいのか等々実用的なことを、参加者の皆さんの興味や必要に応じてお話しするという形でした。

 また、私も参加者として高齢者施設を選ぶ際の考え方や若年性認知症のご家族の話等はとても参考になりました。フリートークでは、親の介護でこんなことに困っているという話や、あそこの医師は対応がとてもよかった等身近な話も多く、「それってどこのお医者さん?」ということになり、自分の生活している地域の情報が得られるというのもこのカフェのいいところではないかと思います。

 7月のカフェの際には、認知症の義父の介護について、義父と一緒に生活している義兄夫婦に対して何がしてあげられるのか悩んでいる若手女性参加者が、ショートステイの利用を勧めようかと思っていると話をすると、実際に義父を介護している嫁の立場の参加者から、「直接あなたが言うと素直に受け取られないかもしれないから、ケアマネジャーから提案してもらうといいわよ」といった声が上がり、若手参加者は「なるほど」と納得した様子でした。こんな感じで、介護する側も実の娘であったり嫁であったり、色々な立場の参加者がいるので、それぞれの経験からくる声が聴けて、とてもいいなぁと思います。

 介護する人は自分の生活している地域での身近な情報を知りたいと思ってるので、このような情報やすぐに役立つ知識、自分と同じような立場の人の経験談を気軽に聞くことができて、ほっとできる場はとても大切だなと感じます。

 練馬の小さなお店の片隅でやっている点のような活動が色々なところに広がって、介護している人や自分の老後をどうしようかと悩んでいる人、色々な人がちょっとほっとできて自分の欲しい情報が得られるような行き場所が、練馬の中にも増えていくといいなと感じるこの頃です。

2014年 新年のご挨拶

*2014年

   謹んで新年のご挨拶を申し上げます*

  2013年は皆さまに支えていただき、無事過ごすことができました。
 応援してくださった皆様に感謝申し上げるとともに、本年も
 どうぞよろしくお願いいたします。

  昨年は仕事では成年後見活動が増え、練馬区内を走り回る毎日でした。
 また、学生時代や職場、地域でかかわった方々が、それぞれに色々な場所で
 活躍したり、頑張っている姿に接する機会が多く、そういう方たちの生き様に
 触れると、私も頑張ろうと元気をいただきました。

  今年もそういう方たちの音楽ライブや展示会、セミナーに足を運んだり、会って
 近況報告をし合う機会を多く持ちたいと思っています。

  そして、私自身は馬のように地道に歩を進めながら、飛躍できることを願いつつ
 毎日を大切に過ごしたいと思っています。
 成年後見活動と行政書士としての仕事に加え、自分たちが安心して楽しく生活できる環境を
 つくるために地域活動にも力を入れたいと考えています。

  皆さまにとっても、どうぞ良い1年となりますように!

 

ドキュメンタリー映画(『空とコムローイ』『風のなかで』)

2013.9.16(月・祝)

 先日、渋谷アップリンクにてドキュメンタリー映画を2本見てきました。三浦淳子監督『空とコムローイ〜タイ、コンティップ村の子どもたち』と杉並区にある中瀬幼稚園の年長組の子どもたちの1ヶ月間を追った『風のなかで むしのいのち くさのいのち もののいのち』 。どちらも子どもが自然の中で、子ども同士の中で、そしてしっかりした大人の見守りの中で成長していく姿がそのまま映し出されていて、ドキュメンタリーだけれど色々なドラマが詰まっていました。上映後には三浦淳子監督と中瀬幼稚園の井口佳子園長とのトークショーもあり、その中で、『子どもの成長には覚悟を持った大人の存在が大事。今はそういう大人が少なくなったのではないか』との話があり、本当にそうだと思いました。今の子ども達の状況は大人の責任ですもの。自分自身も反省…。

http://www.kazenonakade.com/


http://www.tristellofilms.com/scom.html


http://www.uplink.co.jp/movie/2013/15896

 

認知症サポーター養成講座と地域の見守り活動

2013.8.4(日)

 先日、光が丘区民センターにて「認知症を地域で支える〜認知症サポーター養成講座」に参加しました。認知症の方への声掛けや接し方についての講習の後、光が丘地域の見守りの取組みについても説明がありました。 区内6生協が連携して、安心して暮らせる街づくりを目指す「福祉のまちづくり・練馬」と福祉事務所、高齢者相談センターの主催です。配送や診療で地域に入っている生協が日頃から地域の様子に目を配り、関係者と連携して見守りをするという取り組みはいいなぁと思いました。

 認知症サポーターのことは知っていましたが、今回は区内の6生協と行政、民生児童委員、社会福祉協議会が連携して地域での見守りに取り組むということで、どのようなことをしているのか興味があって参加しました。そこに地域の住民が加わって、地域の人を地域で見守るという体制ができると、少しでも安心して生活できる地域になるのではないでしょうか。

 参加者には認知症サポーターのしるしとして「オレンジリング」が配られました。

高齢者の経済状況と社会保障費の世代内負担

2013.5.19(日)
 
 本日、ねりま社会福祉士会総会に参加してきました。総会後には記念講演として長く練馬区の高齢者福祉に携わり、昨年から田園調布学園大学に転身された今井伸先生による「高齢者の貧困と介護保険における負担の在り方について」のお話がありました。
 
 増大する高齢者の社会保障関連費用を誰が負担するのかという議論のほとんどは、現役世代が支えるという世代間支援の考え方に支配されている。
 一方、高齢者の経済的状況を統計等から検証すると、平均値で語られることの多い「高齢者金持ち論」の実態は、多くの低所得高齢者の存在とともに、高所得高齢者も少なからず存在することを示している。所得の多寡にかかわらず医療や介護の普遍性を担保するためには、現役世代の負担をあてにしないで、高齢者世代内での負担の分かち合いが必要である。
 では、なぜ高齢者にかかる費用を同じ高齢者世代の高所得者に負担させるという施策への転換が進まないか。社会保障の充実を強く願うのはその恩恵を受ける高齢者とその前段階の50歳代であるが、それらの世代は人口も多く、選挙に行く割合も高い。つまり、選挙では彼らの声が大きくなるので、政治家は彼らを向いて仕事をする。高齢者世代内での支援を掲げて立候補したら、負担が増える高齢者層の票は逃げていくので、普遍的な社会保険の構築を目指して高齢者の負担増を訴えることは選挙に負けることを意味する。
 だからといってこのまま施策の転換を行わずにいると、普遍的な制度構築どころか、現役世代に負担を押しつけることで制度破綻を招く。
 今こそ増大する社会保障費の負担の在り方を根本から考え直し、高所得高齢者の負担を増やして、世代内支援を実現すべきとのご意見でした。
 
 制度の転換を図るためには、若者や現役世代が自分たちの将来の希望を託せるような選挙制度にならないといけないのかなという気持ちにもなりました。

30年後も団地で暮らそう

2013.3.2(土)

光が丘で介護事業所をしながら、地域活動にも熱心な「NPOむすび」で、『30年後も団地で暮らそう〜これからの暮らしは自分たちでつくる〜』というイベントがあったので、参加してきました。
千葉大学大学院工学研究科の学生さんが中心になって企画したもので、第一部はそこの教授である小林秀樹氏による『高齢者の置かれている住宅事情&将来像―団地を中心に―』という講演。
第二部が『これから先30年の暮らしについて』と題したワークショップでした。
 ワークショップは参加者を高齢者、若者、子育て世代のグループに分けて(参加者の属性で分けたわけではないです)、それぞれにとって魅力的な地域になるためには、何が必要かといった視点でワイワイと。

 私は若者チームでしたが、団地内にコンビニがない、24Hやっている飲食店があるといいといったことから、空いているUR賃貸マンションのワンフロアを若者に期間限定で安く貸して、ドアにペイントしたり、自由にできる空間として、光が丘の良さを体験してもらえば、その後も住み続けてくれるのではないか。
光が丘のアクセスの良さをアピールして、学生が住みやすい地域にできればいいのでは、等々色々な意見が出ました。
 また、地元の団地を扱って25年という不動産業者の代表の方も参加していて、若者が住みやすい団地になるには、元から住んでいる高齢世代が、若者を受け入れるための体制、意識改革することも必要だと感じているとの話があって、なるほど、と思いました。

 

遺産分割協議のための成年後見制度利用

2013.2.27(水)

 お亡くなりになった方の相続手続きの際に、遺言書がない場合は法定相続人全員での遺産分割協議が必要になります。その際に法定相続人の中に認知症や障がい等で判断能力の不十分な方がいらっしゃる場合は、その方の代理人となる人を決めて、代理人が分割協議に参加して分割協議書に署名押印することになります。つまり、成年後見制度を利用する必要が出てくるわけです。

 もともと後見制度を利用していて、第三者の専門家が後見人等として就いている場合は、その後見人等がご本人の代理でご本人のために分割協議を行えばいいのですが、同じ立場の法定相続人となるご親族が後見人等になっている場合、利益相反と言って、遺産分割協議についてはご本人の代理をできないことになっています。そのため、分割協議を含めた相続に関してだけ『特別代理人』という人を立てて分割協議を行うことになります。『特別代理人』は相続に関係のない遠い親族あたりがなる場合が多いようで、相続手続きが終われば、その役目も終わりになります。

 成年後見制度を利用していないけれど、判断能力が不十分な方が相続人になっている場合、まずは成年後見制度を利用するための申立てをして親族が後見人等となり、それから特別代理人選任の申立てを行うという2段階が必要です。

 先日、まさに上記のような相続案件のご相談があり、親族が候補者となる後見の申立てと同時に特別代理人選任の申立てができるのかどうか、東京家裁の後見センターに問い合わせてみました。

 回答としては、『特別代理人を選任するためには、まず成年後見人等の選任がされていないといけないので、同時にはできない』というものでした。ただ、『後見の申立て時点で、相続が発生しているので、後見監督人を就けてほしいということを伝えてもらえれば、監督人は後見の審判と同時に決められるので、相続に関しては監督人が本人を代理して行えます』というアドバイスもいただきました。

 申立てを2度行わなくてはいけない手間を省けるという面ではいいと思いますが、後見監督人が就くということは、相続手続きが終わっても、ずっと監督人の立場は続き、それに対しては報酬も発生するということになります。それを考えると、多少時間がかかってもよいということであれば、まずは親族がご本人の成年後見人等に就任して、それから相続のためにだけ親類等に『特別代理人』を依頼して分割協議を行うということが、一番合理的なのかもしれません。

コミュニティビジネスA

2012.10.6(土)

 前回コミュニティビジネスについての永沢映さんのお話を聞いて、とってもワクワクしたということを書きましたが、ちょうど永沢さんが代表をしているNPO法人コミュニティビジネス サポートセンターで『コミュニティビジネスアドバイザー(CBA)認定講座』が開催されるというので、そこに参加することにしました。

 コミュニティビジネスアドバイザーはコミュニティビジネスサポートセンターが認定するCBをサポートするために必要な資質を備えた専門家ということで、CBを起業したい、CBで働きたいと希望する方に対して広い視点でサポートし、助言するために、地域のネットワークづくりから事業プランづくりまで、CB独自の視点でアドバイスを行う専門家を養成することが講座の目的となっています。 

 5月から始まって、全6回の講座では、『コミュニティビジネスとは』という基本から、成功と失敗両方の事例、法人格の選び方、地域ネットワークづくりのポイント、補助金・助成金といったことについての知識と、アドバイザーとして相談を受けるための演習を行いました。
 そして、最後の回では総まとめをした後に筆記と演習による認定試験。久しぶりの試験で緊張しましたが、筆記は持ち込み可ということだったので、なんとか記入して終えました。演習の試験では、試験官がCBの相談にやってきた人になって、それぞれ色々な設定で相談を持ちかけるのを、我々が対応するということをしました。意地悪(?)な試験官もいて、対応に苦労した人もいましたが、なんとか終了してあとは結果待ち。

 2週間後に郵送されてきた結果は、一応『コミュニティビジネスアドバイザーとして認定します』というものでした。よかった! ほっと胸をなでおろしたのでした。

 この講座を受けてみて、私にとって一番の収穫は、全国のコミュニティビジネスの実践事例を色々と知ることができたことと、一緒に講座を受講した仲間とはもちろん、Facebookを通じて全国でCBにかかわっているたくさんの方とつながりができたことだと思っています。

 CBアドバイザーの次のステップとして、CBコーディネーターの認定講座もあるのですが、さすがにそちらは今回は受けませんでした。

 今後もCBにかかわる活動をしている全国の先輩方の活躍に刺激を受けながら、地元のCBをサポートしたり、いずれは自分でも何かできたらいいなと考えています。

コミュニティビジネス@

2012.10.4(木)

  コミュニティビジネスという言葉を見聞きしたことのある方は多いと思いますが、実際はどういうことなのか、はっきり説明できる人はそんなにいないかもしれません。私もそういう中の1人だったのですが、今年の3月に東京都行政書士会の研修でコミュニティビジネス(CB)について、考え方や各地の実践事例について、NPO法人 コミュニティビジネスサポートセンターの代表である永沢映先生のお話を伺う機会がありました。

 コミュニティビジネスとは、ひと言で表現すると「地域の課題を、市民がビジネスの手法で解決する事業活動」となるでしょうか。

 地域の抱える課題や問題を解決するためには、効率的で安定的かつ継続性のある活動が必要です。そのためには事業として収益をあげていくことが大切で、そこには「ビジネスの視点や手法」を活用することが欠かせません。

 今の時代、地域・コミュニティが見直され、地域の特性を活かしたまちづくりやお互いに顔が見えて助け合えるコミュニティづくりが言われるようになりました。コミュニティビジネスはそこで生活する地域住民が活動主体となることによって、自己実現や社会貢献を果たすことができる満足感や生きがいを感じることができるので、地域社会全体の活性化にもつながるものです。

 色々と理屈を並べてしまいましたが、私がコミュニティビジネスに興味を持ったのは、永沢先生のお話を聞いて、とてもワクワクして楽しかったからです。全国のコミュニティビジネスの事例をいくつか紹介してくださったのですが、それぞれの地域で、地域の特性に合わせて、そこにある課題を解決するために、色々な人や機関が繋がって、工夫して様々な活動を展開していて、その活動が軌道に乗ると、地域の課題も少しずつ良いほうに向かい、かかわっている人たちが元気になっていく様子が伝わって、本当に『ワクワク』というのが私のそのとき感じた気持ちにぴったりです。

 それで、単純な私は「私もこんな活動にかかわっていきたい」と強く思ってしまったのでした。

間に合わなかった遺言書

2012.9.23(日)

 行政書士の立場から、皆さまには元気なうちに、ご自分の意思をはっきり記した遺言書を作っておくことをお勧めしていますが、特にお子さんのいらっしゃらないご夫婦の場合は、ご両親もすでにお亡くなりになっていると兄弟姉妹が法定相続人となり、もしその方も亡くなっていてお子さんがいる場合は、亡くなったご本人の甥姪にまで相続権が移ります。甥姪というと、普段あまり交流がないことが多いでしょうから、遺産分割協議をするのも大変です。そういう場合、『配偶者にすべての財産を相続させる』という遺言書を作っておけば、兄弟姉妹には最低取り分である『遺留分』もありませんので、遺言書のとおりに財産をすべて配偶者に相続させることが可能です。

 ただ、多くの方々が遺言書を作っておいたほうがよいということはわかっていても、なかなか実際に実行に移すまでには至らない、一歩が踏み出せないことが多いようです。

 先日ご相談を受けた事例で、もう少し早くご相談いただければ…ということがあったので、ご紹介します。

 遺言書作成のご相談だったのですが、ご本人はご主人を亡くされてお子さんがいない90歳を超えた女性です。この場合もご本人が亡くなった場合はご兄弟(9人兄弟)が相続人となるのですが、ご本人が90歳を超えているので、ご本人より上の兄弟はすでに亡くなられていて、相続権はその子どもたちに代襲されます。ご本人の下の兄弟姉妹3人は健在で皆さん仲が良く、ご本人の面倒もよくみているようでした。この状態でご本人に万が一のことがあると、甥姪もたくさん登場して、相続人に連絡を取るだけでもひと苦労となることが予想されます。そのため、すぐ下の弟さんが中心になって、「財産がほしいわけではないけれど、このままだと手続きが大変だから、遺言書を作っておいてほしい」ということをご本人にお願いして、ご本人もそれならすぐ下の弟に全部任せるから、というお話にはなっていたようです。ただ、やはりなかなかそれを実行に移せず、ようやく「それでは」とご本人もその気になった矢先にご本人が体調を崩してしまって入院、検査の結果、色々と具合の悪いところが見つかって、そのまま自宅には帰れない状況となってしまいました。

 その時点で私のところにご相談をいただいたのですが、最初にご兄弟からお話を伺った時点では、無理に遺言書を書かせようとしているようには思えませんでしたが、あくまでもご本人の意思を確認しないといけないということと、ご兄弟も入院してからご本人の判断能力が落ちてきていて、時々辻褄の合わないことを言ったりするということを心配されていて、ご本人の判断能力が遺言書作成が可能な程度なのか、ということも確認できないと公正証書遺言はつくれない状況でした。

 いずれにしてもご本人が遺言書を作りたいということと、どのような財産があって、それをどのように分けたいかということをはっきり意思表示できないと遺言書の作成は難しいので、ご本人の入院先に伺ってお話をさせていただきました。医師の診断書があればより確実かと思いますが、入院先の医師は病院で遺言書を作成することは構わないが、病院側には関係がないというスタンスのようでした。

 私がお話を伺った際には、昔の話を何度もしたり、認知症的な感じもありましたが、財産は弟にすべて残して後はお願いしたいとおっしゃったので、私だけでは判断しかねる部分もあり、遺言書の作成能力については、公証人にご本人と面会して判断していただくことにしました。

 幸い公証人の先生が都合を付けてすぐに来てくださったので、私も立ち会って再度遺言書作成についての確認を行いました。最初のうちはやはり「遺言書は作っておいたほうがいいと思います」とはっきりおっしゃっていたのですが、お話をするうちに、ご主人が生きていて昨日も一緒に食事をした、というようなことを口にされ、財産についてもある程度の預金をお持ちのはずなのですが、「たいしてありません」とお答えになるなど、私も聞いていて、「あ〜これは難しいな」と思いました。
 案の定、公証人からは「この状態では無理ですね」と言われ、私も「そのようですね」とお答えするしかありませんでした。

 ご兄弟も半分は難しいだろうと思われていたところもあり、しかも公証人がすぐにご本人に面会して確認してくださったので、「それなら仕方がない」と納得されました。「それにしても、もう少し早くに遺言書を作っておけば・・・。こんなにすぐ本人の判断能力が衰えてしまうとは思っていなかった」と残念そうでした。

 この事例のご兄弟は、日頃からご本人のことを気にして色々と手伝っていたという経緯があり、入院中もご本人の家に泊まりこんで毎日病院に通っていらしたので、悪意があるとは思えませんが、同じようなシチュエーションで、ご本人の意思ではなくて兄弟姉妹が本人に自分たちに有利な遺言書を書かせようとする場合もありがちなので、遺言書はあくまでも本人の意思で、自分の財産をどのようにしたいか、ということがはっきり確認できないと作成のお手伝いもできないということを肝に銘じています。

 遺言書なんてまだ先のこと、と思っている方も多いでしょうが、人生いつ何が起こるかわかりません。特にお子さんがいないご夫婦、再婚している等で家族関係が複雑な方等々、遺言書があることで残された方がもめずにすむこともあります。認知症になってしまうと遺言書は作れません。元気で色々と考えられるうちに、まずは自筆でも構わないので、遺言書を作っておくことをお勧めします。

 

 

 

地域福祉おたすけ隊のバスツアー2012

2012.9.10(月)

 このコラムに時々登場する『地域福祉おたすけ隊』ですが、普段は「お出かけ企画」として大江戸線を利用して行かれるところを中心に、地域の高齢者の方たちと小旅行を楽しんでいますが、年に1回歳末助け合い募金の助成金を利用して、「大人の社会科見学 食の安全を考える」をテーマに、日帰りバスツアーを行っています。今年は横浜方面ということで、「味の素川崎工場」を見学した後、横浜中華街でランチを食べ、みなとみらい地区に新しくできた「日清カップヌードルミュージアム」に寄って帰ってきました。

 『地域福祉おたすけ隊』のお出かけ企画はだいぶ定着してきて常連さんも増え、お出かけの際に次回の企画を発表すると、すぐもう予約される方もいるぐらいで、今回のバスツアーも一般に広報する前に定員いっぱいとなってしまいました。

 10日ということもあって、道路が混むのではないかと心配しましたが、行きも帰りもとても順調でした。行きは少し遠回りをして、新木場から新しくできた「東京ゲートブリッジ」を通過して川崎方面へ。

 川崎大師近くにある味の素工場は、東京ドーム8個分の敷地面積があり、3000人超の従業員が働いているそうです。工場の入り口すぐのところに京浜急行大師線の『鈴木町駅』があり、これは味の素の創業者である鈴木三郎氏にちなんでつけられたとか。まさに味の素のための駅でした。
 味の素の「うま味」の発見と原料や製造方法等についての説明を受けた後、味噌をお湯で溶いただけのものに「味の素」を加えると味はどう変化するか、ということを実際に体験しました。確かに味にコクが出て、単なる味噌湯に比べておいしくなったと感じます。これが「うま味」なんだ、と実感。

 ほんだしの製造工程を見学して、最後には売店に案内され、賞味期限が近いけれどお得な味の素商品を見ると、つい買ってしまい、皆さんだいぶ荷物を増やしておりました。さすが、商売がうまい。

 その後バスで横浜中華街へ。予約しておいた「酔楼」というお店でランチを楽しみました。中華というと丸テーブルを囲んで皆で取り分けるイメージですが、今回はワンプレートに14種類の中華料理が載って、1人ずつ供されるもので、1人前980円。結構なボリュームでおいしかったです。

 次に行ったのは、みなとみらい21地区にちょうど1年前に開館した「日清カップヌードルミュージアム」です。ここの目玉は「 マイカップヌードルファクトリー」といって、世界でひとつだけのオリジナル「カップヌードル」を作ることができる工房ですが、さすがにここに50人の団体は参加できないので、我々は館内を見学するだけでした。上階には横浜港を見渡すテラスもあって、景色を眺めるだけでも気分爽快。若い人や小さいお子さん連れも多くて、結構人気スポットとなっているようです。

 おたすけ隊のスタッフは現在10人前後ですが、毎月定例会議を開いており、お出かけ企画を立てるときには、まず場所の選定から工場見学の予約、スタッフの担当者が下見をしてお昼を食べるお店を選んだり、皆さんを案内する行程、見学スポットを考えるといった準備をしています。今回もいかに参加してくださった皆さんが安全に楽しく過ごしていただけるか、スタッフ一同心がけたつもりです。そして、無事に光が丘に到着して、皆さんが笑顔で「ありがとうございました」と帰って行かれる姿が、私たちにとっての元気の源、次への活力となっています。

 

 

ドキュメンタリー映画『普通に生きる』

2012.9.1(土)

 静岡県富士市にある重度障害者の生活介護事業所「でら〜と」の設立から5年間の取り組みを記録したドキュメンタリー映画『普通に生きる』を見ました。下記に映画の公式ホームページのURLを載せておきますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

 http://www.motherbird.net/~ikiru/

 

 このタイトルに接したときから、そもそも『普通』ってどういうことだろう…と考えてしまいましたが、映画の中で「でら〜と」の職員心得に『−普通ーという概念は時代とともに変化していく。常に社会から学び、自分も成長していく姿勢を大切にする』と書いてある場面が出てきます。『普通』という概念は、確かにその時々によって変化するものです。昔は当たり前だったことが、今の時代では通用しないといったことがたくさんあります。重い障害のある人たちは、かつては家の中に隔離され、世間には知られないようにひっそり暮らしていました。やがて1人の人間として尊重され、福祉による支援の制度も整備されてきました。それでも、障害者の家族、特に障害を持って生まれた子どもの親は、自分がこの子を守らなければ、という気持ちが強かったと思います。そこに、いわゆる『親亡き後』という問題も生じてきました。

 でも、この映画に登場する親たちは、もちろん自分の子どもに障害があるとわかった時には、なかなかそれを受け入れられずに悩み、悲しみ、死まで考えたという人がほとんどですが、子どもたちと生活するうちに、その子どもたちの笑顔や生命力に自分たちのほうが力をもらって、子どもの自立や自己実現をめざすことはもちろん、自分自身の自己実現にも取り組むようになっていきます。そして、自分たちで動いて必要な施設や制度までをつくってしまうのです。

   何より画面に登場する人たちの活き活きとした表情、笑顔を見ているだけで、本当にこちらの心が洗われるような気持ちになります。彼らの存在そのものがすばらしいことなのだと心から感じました。

 また、自立、自立と言いますが、なんでも自分でできることが自立なのではなくて、他人の支援を上手に受け入れて、自分の生活を成り立たせることができることも立派な自立なのだと気付かされます。

 この映画は今年の初め頃からミニシアター等でロードショーされていましたが、関東地域でのロードショーは終わってしまったために、私は杉並区の浴風園という介護施設の中のホールを借りて、NPO法人が開催した自主上映会に足を運んでみました。たまたまこの映画を作成した「マザーバード」の本拠地が杉並だということで、制作スタッフで撮影とプロデュースを担当した貞末麻哉子さんがいらして、上映後に映画にかける想いや撮影エピソード等をお話ししてくださいました。それがまた、映画を観終わったあとに聞くと、とてもわかりやすく、より映画の理解に役立ちました。

 貞末さんのお話の中で、私の心に特に残ったのは、制度が最初からあったわけではなくて、必要に迫られた人たちが、色々な壁を突破してつくりあげてきたものだということです。

 この映画、ロードショーが終了してからも口コミで評判が広まり、各地で自主上映が行われているようです。新聞等にも取り上げられています。なかなか重度の障害のある方に接したり、触れ合う機会がない人が多いと思いますので、少しでも多くの方に彼らの素敵な笑顔に接して、彼らのことを知ってもらうことが、誰にとっても生きやすい社会になるための第一歩かもしれません。

 思わず「ありがとう」と言いたくなる映画でした。