酒井玲子の日々

2009.09.15(火)
    「 酒井玲子の日々」を訪れてくださってありがとうございます。
 どうやってここにたどり着かれたかはわかりませんが、これも何かのご縁です。
 酒井玲子ってどんな人間なの?? と興味を持っていただけたら、時々のぞいてみて
 ください。
  私自身は、一期一会を大事にしたいと思いながら日々生活していますので、
 そんな酒井玲子のつぶやき、出会った人々、読んだ本の感想、
 失敗談(たくさんあって困るだろうなぁ)、もちろん仕事のうえで参考になるようなことも
 色々と徒然なるままに書いてみたいと思っています。
  

成年後見人講習会の講師

2018年9月4日(火)

 私が理事を務めるNPO法人成年後見推進ネットこれからと同じように、練馬区で成年後見制度に関わる活動をしている「NPO法人成年後見のぞみ会」が、主に市民後見人(社会貢献型後見人)を目指す方や成年後見制度について学びたい方向けの講習会を開催しています。

 社会貢献型後見人については、練馬区では練馬区社会福祉協議会が養成研修を行っていますが、研修は平日開催なので、そこには参加できない方を想定して土曜日の開催とし、基礎編2日、応用編2日の計4日間の研修です。
 講習内容は認知症や障害の理解をはじめ、介護保険や生活保護、年金等の制度についてということで、練馬区の行政の現場で仕事をしている職員や各分野の専門家が講師となっています。

 その応用編の1日目、後見受任後の実際の業務を学ぶという部分で、「在宅の方の後見活動」という内容で1時間弱お話しする機会をいただきました。実際にどのような活動をしているかを話してほしいというリクエストだったので、私が法定後見と任意後見を受任している事例を1件ずつ挙げてお話させていただきました。

 成年後見人としての基本的な考え方は施設等に入所している方も在宅の方も基本的に変わらないこと。つまり、ご本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況に配慮した支援をするのが大事であること。そのような支援をするためには、ご本人の性格や成育歴、嗜好、趣味等々ご本人のことについて知ることが必要になることをお伝えしました。

 そのうえで、在宅の方で特に気をつけたほうがよいと思われることを、下記の四つにまとめてみました。

@ご本人の周りの他の支援者とのコミュニケーションを密にして情報共有する

A生活環境を整える(転倒防止、温度管理、服薬管理、栄養状態、郵便物、不要なものがないか等)

B緊急時の連絡体制を決めておく

C今後の住処について考えておく

 緊急時のことについては、医療同意や延命治療をどうするかというところにも関わるので、難しい問題です。成年後見人等に入院時や手術の同意を求められても、後見人にはその権限がありません、と主張するしかないのですが、実際の場面では、身寄りがなければ後見人の同意がないと入院できませんと言われて、形式上署名するということもあるようです。
 延命治療をどうするかということについても、ご本人にしか決めることができないことなのに、ご本人が意思を表明することが難しい場合は、後見人に判断を求められることもあるのが現実です。

 そういった問題に対応するためには、可能な限りご本人がお元気なうちに、ご本人の意思を確認しておくことが大切になります。そして、できればそれを他の関係者と共有し、書面に残しておくことがよいと考えています。
 NPO法人成年後見推進ネットこれからでは、エンディングノートの機能を持ち、高齢期を自分の希望どおりに過ごすために必要な情報も書き込める『これからノート』を作成していますが、そこにも「私の療養に関する事前指示書」という書類を付けて、チェック方式で書き込めるようにしています。

 一般的に在宅の方の後見活動で気をつけることをお話しした後には、私が後見人となっている在宅の方について、財産管理と生活の支援として実際にはどのようなことをしているかをお伝えしました。一般の方が実際の後見活動について知る機会はあまりないと思うので、あくまでも一つの事例であるということをご理解いただいたうえで、可能な範囲で聴いていただきました。

 限られた時間の中で、伝えたいことが参加者に伝わるようにと準備はしたつもりでしたが、言いたかったことが抜けてしまったりと、またまた反省材料がたくさん残りましたので、次につなげていきたいと思っています。

 私がお話ししたのは午後でしたが、同じ日の午前中に弁護士の土肥尚子先生から「成年後見制度〜関連する法律・制度」についての講義があったので、私も聴かせていただきましたが、とても勉強になりました。

 「のぞみ会」の皆様には貴重な機会を作っていただいたことに感謝するとともに、これからも練馬区で同様の理念を持って活動するNPO同士として協力しながら、練馬区での成年後見制度の情報提供や利用促進に努めて行けたらと考えています。

念願の富士登山3

平成30年8月14日(火)

 山頂では御来光こそ拝めたものの、神社へのお参りやじっくり記念撮影をする余裕はなく、いよいよ砂利道が延々と続く下山ルートへと向かいました。下りは歩幅を小さく、リズム良く足を運ぶことを心掛けて、とガイドさんに教えてもらったものの、足が勝手に大股で前に行ってしまい、膝や太もも、ふくらはぎの筋肉への負担は相当なもの。休憩の度に次の休憩ポイントはどこ?という感じを繰り返しながら、なんとかスタート地点となった富士スバルライン吉田口五合目まで戻ってくることができました。私の場合はあれ以上下りが続いたら、ギブアップしていたかもしれないと思うギリギリのところでした。

 今回の『一生に一度は富士登山』ツアーは、参加したみんながそれぞれの場所で美しい御来光を拝んで無事に下山し、家まで帰りつくことができたということで、本当に楽しく思い出に残る登山となりました。1,2年目に行かれなかったのは、きっと富士吉田ルートで上りなさいということだったんだな、と今になって思います。
 何年も私の勝手な想いに付き合ってくださったお仲間と、一緒に参加したメンバー、ツアーのガイドさんと付添いの方、その他にも色々な方のおかげで実現できたものと感謝の気持ちでいっぱいです。メンバーの1人が下山の7合目からペースダウンしてしまったため、馬に乗って下って行ったことも忘れられない思い出となりました。

 戻ってきた次の日からは思っていたとおり足がひどい筋肉痛になり、まともに歩けないし、一度座ったら起き上がるのが大変な状態が今も続いています。当分は富士山は登るのではなく、遠くから眺めて楽しみたいと思います。今度は美しい富士山が眺められるところに行きたいなぁ。

念願の富士登山2

平成30年8月14日(火)

 『一生に一度は富士登山』ツアーは、新宿から高速バスで富士スバルラインの吉田口5合目にお昼頃到着し、そこから吉田ルートを登って、8合目の蓬来館という山小屋を目指しました。久しぶりの山歩き、しかも富士山ということで、自分の足がどこまでもつのかということと、初の3,000m超えの地で自分の体がどうなるのかという不安はありましたが、深呼吸を心掛け、こまめに水分補給をすることで、幸いにもひどい高山病になることもなく、八合目に到着しました。ただ、日頃から抱えている頭痛に関しては、普段は左耳周辺がビリビリする痛みなのが、さすがに八合目まで来ると頭全体がズキズキする感じになり、山小屋での仮眠はほとんどできませんでした。それでも、吐き気やその他の症状はなかったので、歩くことに集中している間は頭痛も気になりませんでした。

 富士登山蓬来館1Resize.jpgそしていよいよ頂上目指して夜中に山小屋を出発。寒さ対策でもこもこに着込んで、ヘッドランプを着け、前の人の足元を見ながらひたすら登ります。ふと見ると、前も後ろもヘッドランプの灯の行列が点線となって続いています。休憩のときに見上げた空には満点の星!下のほうには雲海が広がり、ところどころ灯が点滅するように光るのは稲妻でしょうか。ここは雲の上なんだなぁとしみじみ感じました。じっくりと空を見上げていた人たちの中から、何度か「流れた!」という声が上がったのが聞こえてきたのは、この時期、ペルセウス座流星群の流れ星だったのでしょうか。私も見たかった!

 そして、歩き始めてから4時間弱でとうとう富士吉田ルート頂上に到着。ヤッター!

 

 富士山登頂がちょうど「山の日」ということもあったのか、山頂にはどんどん御来光を待つ人が到着し、身動きできないほどの状態。私たちは午前3時前には着いてしまったので、山小屋で温かいトン汁を食べたらすぐに外で御来光を待つことになりました。御来光を待つポイントも既に大勢の人が陣取っていて、ようやく端っこの隙間に潜り込むことができましたが、半端ない寒さに手は凍りそうで、体はガタガタ震えが止まらない状態。富士登山山頂の碑Resize.jpgそれでも動くこともできずに待つこと1時間近くでしょうか、雲海の向こう側が明るくなり始め、刻々と雲の状態や明るさを変えていきます。まだかまだかと心急く気持ちが頂点に達した頃、ようやく太陽の頭らしい形が、雲の切れ目からのぞいたと思ったら雲海の中に浮かび上がったり、私の想像していた御来光とはずいぶん違う光景が繰り広げられた末に、やっと丸くてオレンジ色に輝く太陽が全貌を現したのです。あの雲海と輝く太陽を目の当たりにしては、言葉を失うしかありません。昨年も登って御来光を拝んだお仲間は、ぼそっと「昨年とはまた違って、とても幻想的だった」と…。富士登山ご来光1Resize.jpg富士登山ご来光2Resize.jpg富士登山ご来光3鳥居Resize.jpg

 

念願の富士登山1

平成30年8月14日(火)

 行って来ました!日本一の山、富士山。3年越しのプロジェクト(?)が実現できて、今はとても充実した気持ちです。富士山記念品縦Rsize.jpg

「一生に一度は富士山に登ってみたい」と思い立ったのが2年前。その時は光が丘からバスが出るツアーがあったので、それはいい、ということで申し込んだのですが、ちょうど台風直撃でツアー自体がキャンセルとなってしまいました。あらためて挑戦しようとした昨年は、行く予定だった8月に入って頭痛が酷くなり、悩んだ末に結局断念。2年続けてこういうことになると、それは富士山には行くなということかなと思ったりもして、諦めかけていました。

 富士山に登るにはルートがいくつかあります。1,2年目に行こうとしていたツアーはプリンスルートという比較的マイナーで空いているルートで上り、下山は須走ルートという、砂が深くて長い下り坂を半ば走り降りるようなルートでした。実際昨年参加した人は、下りで足の指に血豆ができてしまって、下山後もしばらく大変だったそうです。そこで、今年は最も一般的で登りやすいといわれている富士吉田ルートを使うツアーを、それなら酒井も登りやすいだろうと、昨年行ったお仲間が探してくださったのです。その名も、はとバスの『一生に一度は富士登山』ツアー! 諦めかけていた私も行かないわけにはいきません。名前のとおり、「一生に一度は登ってみたい」と言っていた他の仲間も加わって、今年は5人での挑戦となりました。

 

成年後見制度の研修(2)診断書の改定

平成30年7月20日(金)

 成年後見制度を利用して本人らしい生活を実現するためには、何よりも本人のニーズに合った後見人を選ぶことが重要であり、そのためには成年後見制度を担う地域連携ネットワークの中核機関と、後見人等を選ぶ家庭裁判所が本人に必要な後見人等のイメージを共有する必要があります。

 今のところ後見開始の申し立てがあった場合、申立書類のひとつである医師の診断書が主な判断材料になっていますが、現在使われている診断書の様式は本当に簡単なもので、しかも自分の財産を管理・処分できるかどうかということが判断基準になっています。この診断書で判断ができない場合はより詳しい鑑定をすることになっていますが、私の経験の中では、鑑定まで必要とされたケースは1件だけでしたし、周りでもあまり聞かないので、ほとんどは最初に提出する診断書で判断されているものと思います。

 本人について何も知らない裁判官が、あんな簡単な診断書で本人にふさわしい後見人等を選ぶのはとても無理です。だから、後見人候補者として書いてある人が、ほとんどの場合はそのまま成年後見人等として選任されることになります。

 このような選任のしかたでは、どうしても選任後に本人の希望する支援がされなかったり、本人の希望が考慮されなかったりという、いわゆるミスマッチが起こることも多いのではないでしょうか。

 そのようなミスマッチをなくすためにも、利用促進基本計画や意思決定支援の考え方をふまえて、診断書の改定に向けた検討が進められているそうです。
 医師・福祉関係団体、各当事者団体から意見を聞いて検討したとのことで、改定案のポイントは以下の通りです。

@    現在の財産管理ができるかどうかという質問ではなく、『支援を受けて契約等を理解・判断できるか』について四択で答えるように改定

A    判定の根拠を明らかにするために、見当識や意思疎通など4点について障害の有無等を記載する欄が新設された

B    福祉関係者が記入して、本人の生活状況等を医師に伝えるための「本人情報シート」の書式を新たに作成する

  記載内容が増えて、少しでも本人の状況が伝わりやすい書式になることはいいことです。また、私にとっては「本人情報シート」というものが作られるというのは、今回初めて知ったことです。介護や福祉関係者が記入することを想定してるようで、本人の日常・社会生活の状況や現在の金銭管理について、また今後の課題等についても書くようになっています。今の申立事情説明書を少し詳しくしたようなイメージでしょうか。

 このシートの提出は必須ではありませんが、医師が診断書を作成する際の参考にしたり、家庭裁判所が後見等の審判を下す際にも、より本人にとって適切な後見人等を選任するための資料にすることを想定しているそうです。そして、平成31年中に運用開始予定とのこと。

 2000年に新しい成年後見制度が始まって17年が過ぎました。利用促進計画にもあるように、何よりも本人を含めて利用する人がメリットを実感できる制度になるように、これからも関係者の意見を取り入れて柔軟な運用がされることを期待します。そして、私自身も利用する人に寄り添った支援ができるように、考え、行動したいと思いました。

成年後見制度の研修(1)地域連携と社会福祉士への期待

平成30年7月20日(金)

 先日、所属している社会福祉士の団体「ぱあとなあ東京」の研修で、最高裁判所事務総局家庭局の西岡様から『診断書の改定と本人情報シート 〜社会福祉士に期待すること〜』というタイトルで、大きく分けて下記の三つの内容でお話を伺いました。

(1)  成年後見制度を取り巻く状況

(2)  地域連携における社会福祉士への期待

(3)  診断書の改定

内容を記しているときりがないので、私が印象に残った部分を何点か書いてみたいと思います。

(2)については、平成29年3月に閣議決定された「成年後見制度利用促進基本計画」に話が及びました。利用する人がメリットを実感し、本人の生活をより豊かにするためには地域福祉との連携、各専門職同士の連携が必要であり、そのために地域連携ネットワークおよび権利擁護支援の中核機関を整備することが求められています。

 今までどちらかというと本人の財産管理(保全)に主眼が置かれていたように思われる成年後見制度ですが、本人がメリットを感じられる制度・運用にするために、本人の社会生活の質の向上という視点を大事にする支援が求められるようになってきたと言えそうです。

 そんな中で社会福祉士には、福祉の専門家として司法と福祉を結ぶ役割が求められるとともに、自身が後見人等として活動することはもちろん、親族が後見人等になった場合の相談窓口になることも期待しているとの話がありました。
 私自身、親族後見人に対する情報提供や相談支援はとても大事なことなのに、そういった体制が整っていないと感じているので、これからは地域連携を図る中で、親族後見人を支援する仕組みができることを期待するとともに、自分でもそのようなことに関わりたいと考えています。

「ハウジングファースト」−稲葉剛氏の講演−

2018年6月3日(日)

 先日、ねりま社会福祉士会の定期総会が開催されました。総会後の記念講演には、稲葉剛氏をお招きして『ハウジングファーストが福祉を変える』というテーマでお話をしていただきました。

 稲葉氏は1994年から新宿を中心に路上生活者の支援活動に取り組み、湯浅誠氏と共に自立生活サポートセンター・もやいを設立。2014年まで理事長を務め、幅広い生活困窮者の支援活動を展開してこられました。現在は一般社団法人つくろい東京ファンドの代表理事として、都内の他の6団体と共に「ハウジングファースト東京プロジェクト」を進めていらっしゃいます。稲葉氏の今までの実践と「ハウジングファースト」の考え方、実際どのような支援を行っているのか等についてお話を伺いました。

 「ハウジングファースト」とは、住まいを失った生活困窮者の支援において「安定した住まいの確保」を最優先とする考え方です。路上生活を続けている人の中には精神疾患や依存症を抱えたり、対人関係に苦手意識を持つ人も多いのですが、そのような人達に、これまでの支援は、住まいを提供するにしても、まずは施設や寮といった集団生活の中で治療を受けさせ、就労支援を受けて、社会に出る準備ができて初めてアパートでの独り暮らしができるというステップアップ方式が主流でした。このような支援では、集団生活になじめなかったり、人間関係でのストレス等によって途中でドロップアウトして路上に戻ってしまう人が多かったようです。
 1990年代に比べると路上生活者の生活保護申請は進んだそうですが、福祉事務所が民間宿泊所への入所を事実上強要するケースも多く、貧困ビジネスの存在も問題になっています。また、生活保護を利用することに対する心理的な壁も大きく、路上と施設を行ったり来たりする人が少なくありません。

 これまでのステップアップ方式の支援に対して「ハウジングファースト」は、『本人のニーズに応じて、安定した住まいの確保と支援を提供する』というシンプルな考え方です。治療や就労支援を受けること、施設や寮での集団生活を条件にしないで、本人が望めばプライバシーの守られる安全な住まいを得ることができるという、今までゴールだった住まいがスタートとなる、正反対のアプローチと言えます。そして、ハウジングファースト東京プロジェクトは「住まいは基本的人権である」を理念のひとつとして活動しているそうです。 

 今回の稲葉氏の講演で、初めて「ハウジングファースト」という考え方について知りましたが、確かに誰にとっても安全で安心できる空間(住まい)が保証されるというのは、生活するうえでとても大事なことだなとあらためて感じました。また、住まいが提供されるだけでなく、住まいと同時に本人に寄り添って相談に乗り、継続的にサポートしてくれる支援者の存在がとても重要で、そのような支援者がいるかどうかが、このプロジェクト成功のカギといってもいいように思いました。
 さらには、路上生活者に提供される住まいがどれだけ確保できるかも大きな問題だろうと思います。

 講演後の懇親会にも稲葉氏は参加してくださいましたが、その席で、「目の前の困っている人をどう支援するか、ということが一番大事だ」とお話しされていたのが印象的でした。困っている人、弱い人達を支援する実践の積み重ねによって、後から制度や法律が整備されるというのはよくあることです。制度の壁があるならそれを変えてしまえばいい、人にとって何が一番大事なのかを常に考えて、行動を起こせる人間になりたいなと思った講演会でした。

NPOむすびとてんびん橋の接続問題(行政相談委員の奮闘)

2018年5月21日(月)

 私が参加しているオレンジカフェアリス(いわゆる認知症カフェ)を主催しているNPOむすびの事務所は、光が丘内の以前UR都市機構の事務所があった場所(UR賃貸団地の2階部分)です。

 むすびの事務所の隣にはフローリングの比較的広い空間があり、そこを「むすび倶楽部」として、オレンジカフェ、PUBむすび、歌声喫茶、各種研修等々に利用しています。広間の隣には開閉できるカウンターがついたキッチンもあって、最終月曜日のアリスでは、食事会を開催しています。

 このように、とても利用価値のある空間なのですが、そこに大きな問題がひとつ。光が丘という街自体の造りにも関係すると思うのですが、この団地の住人の入口エレベーターホールは1階にありますが、むすびの事務所へ行くには外階段を上って直接2階へ行くしかありません。そして、それが結構急な階段なので、高齢者、特に足が不自由な方にとっては、この階段がネックとなって、むすびのイベントやカフェに来られないという声が多く聞かれるのです。車いす利用の方に至っては、むすびに来ることができません。せっかく良い事業をやっても、来てほしい方に来てもらえない状況になっています。
 ただ、その2階部分のすぐ横にはてんびん橋という、光が丘のメイン道路を渡る橋が建物と並行してかかっていて、素人目には柵さえ取っ払ってちょっとしたスロープでもかければ、その橋から直接2階の事務所へ入れそうに思えるのです。

 今回、オレンジカフェアリスの参加者が練馬区の行政相談委員の方と知り合いになったことがきっかけで、むすびの事務所の橋からの接続問題について、なんとかならないか、という相談をその方にもちかけました。相談委員の方はすぐに現場であるむすびの事務所を見に来られて、相談内容をURと練馬区に伝え、色々と働きかけてくださいました。

 一時は結構良い感触との経過を聞いていましたが、結論としては、建物の持ち主であるUR都市機構が「難しい」と判断したとのこと。それについての経緯の説明と行政相談委員の仕事についての話が本日のカフェアリスで、関わってくださった行政相談委員の方からありました。

 UR、練馬区ともに建物や橋(区道になるそうです)の耐荷重量等を再計算するとともにURでは他の可能性(外付けエレベーター、他に使える空き部屋がないか 等々)も検討した結果、建築基準法の関係や費用の問題もあって、『どうしようもない』との結論に達したとのことです。行政相談委員の方によると、UR側も担当者はとても熱心に動いてくれて、練馬区も基本的にはURが持ち主である建物のことなので、URで何とかなれば、区も動くというスタンスだったようです。

 実はこの問題、私個人的にも何とかならないかと考えていて、関係者の署名を集めて議会に陳情書を出そうか…などと思ったことも。だって「NPOむすび」は練馬区が推進する「街かどケアカフェ」として区と協定を結んでいる場所なのに、そこに高齢者や障害者が来にくいというのはどう考えてもおかしい気がします。

 ただ、今回行政相談委員がUR,練馬区との間に立って色々と奮闘してくださり、それでも難しいということになったのであれば、これ以上どうしようもないのかと、ある意味納得せざるを得ませんでした。

  今までも行政相談委員という方がいることは知っていましたが、具体的にどのようなことをしているのか、どんな時に相談できるのか、ということはよくわかっていませんでした。今回行政相談委員の役割や実際にどんな相談を受けているのか、そして改善された例を聞くことができて、とても参考になりました。また、行政相談委員は無報酬でその仕事をしているということを知って、とても驚きました。

 本日のアリスでは、行政相談委員のお話の他に、読売新聞WEB版を担当する方がみえて、ご自身の仕事について説明するとともに、昔の新聞を利用した『回想法』を実践するためのDVDを発売するということで、そのPRとアリス参加者に対してのインタビューをされました。

  このようにオレンジカフェアリスでは、フリートークのほかに、毎週ではありませんがミニ講座として色々ためになる話を聞く時間があります。薬剤師、看護師、福祉用具といった専門家の話や消防署、清掃事務所の職員による出前講座に加えて、アリス参加者がそれぞれの経験や専門知識を披露することもあります。こういったプログラムも、むすびのネットワークや参加者自身の提案、人脈によるところが大きく、生活に活かせる知識も多いので、話を聞く側もとても熱心です。私個人としてもとても勉強になります。

 これからもどんな話が聞けるのか、楽しみなアリスです。

「ウイズタイムハウス」内覧会見学

2018年5月12日(土)

 練馬区大泉学園町に「ウイズタイムハウス」という名前の、新しい形の共同住宅がオープンします。高齢の人、障害のある人、子育て中の人など、「生活に少しサポートがあると暮らしやすくなる」という人が入れる2階建ての共同住宅で、1階は地域の障害のある人の働く場としてカフェを運営したり、地域に開かれたイベントを行ったりするそうです。

 「ウイズタイムハウス」オープンにあたっての内覧会が5月12日(土)、13日(日)に開催されるということで、いつも第一土曜日の午後に集っている「プレケアカフェ」の出張版ということにして、何人かのメンバーで見学に行って来ました。

 まだ外構工事の途中でしたが、大泉学園町の閑静な住宅街の中にあるベージュの壁のきれいな建物は2階が8部屋の個室になっていて、既に東日本大震災を機に東北から東京に避難してこられた高齢の方が入居されているそうです。1階のオープンスペースはフローリングの気持ちの良い空間で、壁際には白いピアノが置かれていました。

 この住宅を運営する「一般社団法人 ウイズタイムハウス」の代表は、練馬区議で社会福祉士でもある加藤木桜子さんです。地域で色々な活動をされていますが、もともとやっていた若者支援や映画の上映会等の活動も今後は「ウイズタイムハウス」の活動として行っていくそうです。

 また、1階のスペース「ウイズタイム」を地域に開かれた場にするためのイベントや、棚作りやまかないカレーを作るといった作業を行うプロジェクトを立ち上げ、そのための資金を募る手段として、クラウドファンディングを活用するとのこと。

 本日の内覧会には大勢の人が見学に訪れていて、意外な出会いがあったり、新たなつながりもできました。また、ワンコインで提供された、練馬で『旬の地場産野菜と発酵食を毎日の食卓に』と活動している《ねりベジ》yaさんのおむすびと手作り味噌のお味噌汁(野菜の具がたっぷり)はとても体に優しく美味しかったです。

 既存の制度にとらわれない新しい形の共同住宅が、地域の中で今後どのように根付いていくのか興味深いところです。

 

家族信託についての講演会

2018年4月1日(日)

 3月11日(日)に特定非営利法人成年後見推進ネットこれからの第11回総会が開催され、理事として再任されました。また、立ち上げから代表を務めてきた小泉晴子が10年の節目に退任し、石川正博が新しく代表に就任いたしました。今後とも新しくなった「これから」をどうぞよろしくお願いいたします。

 この総会に先立ち、記念講演として「家族信託を知ろう〜安心の老後を過ごすために」と題して司法書士で家族信託普及協会会員でもある海埜千果(うみのちか)氏にお話をしていただきました。早い時期から各方面にチラシを配布したこともあり、当日はスタッフも含めると100名近い参加者が集まり、家族信託への関心の高さを感じました。
 講師の説明は家族信託の基本的な仕組みから、信託を使ってうまくいった実例等家族信託の入門としてはわかりやすいものだったと思います。
 信託の基本的な登場人物は3人で、自分の財産を預ける委託者、それを預かって管理、運用、処分等をする受託者、そして預けた財産の恩恵を受ける受益者です。家族信託の場合は親が委託者となって、受託者となる子どもに財産を預け、自分が受益者となって自分のために財産を使ってもらうという形が基本です。
  例えば認知症対策としては、遺言や成年後見制度の利用も考えられますが、遺言は本人が亡くなった後にしか効力を発生させられないですし、成年後見制度は手続きが大変で時間もかかることに加え、家庭裁判所の監督を受けるので、財産の自由な管理処分が難しくなるという、どちらかというと短所があります。それに対して家族信託を導入すると、本人が認知症になった後も、裁判所の監督は受けることなく、受託者の判断で本人の財産を管理、利用、処分することが可能です。
 他にも、複数の委託者が共有している不動産の管理を一人の受託者に一括して任せることができるので、例えば不動産の共有者の一人が認知症になってしまった場合でも、何もしていなければ成年後見制度を利用して裁判所の許可を得て処分をしなければいけないという煩雑なことになりますが、家族信託を利用することによって、受託者一人で手続きできるというメリットがあります。

 このように書いていくと良いことばかりのように受け取られるかもしれませんが、受託者の権限の濫用を防止する手立てが必要であったり、委託者・受託者以外の家族との関係が難しく、かえって家族間の争いを生む可能性もあるといった面も理解して、上手に利用することが大事だと感じました。
 何より、高齢者が元気で判断能力がしっかりしているうちに、自分の財産をどうしたいか、誰に託したいのかを考えて、家族できちんと話し合っておくことが大切です。そして、これは家族信託の導入を考える場合に限ったことではないですね。


 NPO法人成年後見推進ネットこれからのブログにも講演会について載っていますので併せてご覧いただければ幸いです。

 http://blog.canpan.info/korekara/

光が丘の雪景色

平成30年1月23日(火)

 東京に4年ぶりの大雪が降りました。
 ちょうど4年前に大雪が降った後にインフルエンザを発症し、その後具合が悪くなったので、その時のことはよく覚えています。あれから4年なんだなぁと感慨深い思いがします。

光が丘駅雪景色リサイズ.jpg 雪景色ベランダよりリサイズ.jpg 昨日雪が積もり始めた頃の光が丘駅と家のベランダからの風景、そして今朝の雪景色とベランダから見た日の出を写真に撮りました。とてもすがすがしい気分で1日が始められそうです。

  ただ、昨日の東京は交通機関に遅れや運休が相次ぎ、道路も大混乱。本当に東京は雪に弱い都市だなとあらためて感じました。雪の日の出リサイズ.jpg

 今朝は雪がやんで晴れているものの、積もった雪が凍りついているところもあるので、滑らないように気をつけないといけないですね。事故のないように祈ります。雪と日の出→

2018年新年のご挨拶

2018年1月9日(火)

 明けましておめでとうございます

2018正月飾りHP用.jpg  昨年はたくさんの出会いがあり、皆様に支えられた1年でした。心より感謝申し上げます。
 今年も様々なご縁を大切にして、新しいことにもチャレンジしていきたいと思います。
  嫌なことはすぐに忘れて(?)笑顔を忘れずに! をモットーにします。

  個人的には終末期の医療の問題や家族信託について研究してみたいと考えています。
 また、人に物事を伝えることの難しさを痛感するこの頃(前から?)なので、少しでも自分の考えや事実を相手にきちんと伝えられるように、実践を積み重ねていきたいと思います。2018初日の出HP用.jpg

  どうぞ皆様にとっても幸多い1年となりますように、心よりお祈り申し上げます。

今年の夏を振り返る(2)

2017年11月5日(日)

 この夏の思い出に残ることとして、もうひとつあげるとするなら、ミュージカル「ビリー・エリオット 〜リトル・ダンサー〜」の舞台を観たことがあります。

「リトル・ダンサー」という映画のストーリーがもとになっているのですが、イギリス北部の炭鉱の町に暮らす11歳の少年ビリーがバレエに出会い、プロのバレエダンサーになる夢をかなえようとする姿を、家族や周りの大人たち、友人との関係とともに描いた舞台です。エルトン・ジョンが作曲を担当しているミュージカルで、ロンドンで初演されてから今までに、ブロードウェーを始め世界五大陸で上演されて、好評を博しているそうです。

 日本では1年以上前から主役となるビリー役についてオーディションを行い、バレエ、体操、タップ、歌等のレッスンをしながら、次第に人数を絞って、最終的には5人のキャストが選ばれて、交代でビリーを演じるということでも話題になりました。

 私は「ビリー・エリオット」というミュージカルを上演するということはなんとなく知っていましたが、当初は特に見たいという気持ちはありませんでした。ところが、テレビでビリーの父親役である吉田鋼太郎さんが「ビリー・エリオット」の舞台の魅力を語っているのを聞いて、特にビリー役の少年たちについて絶賛していたのですが、「これは見なくちゃ」と強い想いに突き動かされて、すぐにチケットを手配してしまいました。キャストについては、少年は5人、他のメインキャストも何人かの交代で演じることになっていて、私は父親役を吉田鋼太郎さん、バレエの先生を島田歌穂さん、ビリーの祖母を久野綾希子さんが務める舞台を選びました。ビリー役は木村咲哉さん。

 劇場はTBS赤坂ACTシアター。ここへ行ったのは初めてでしたが、広すぎず、舞台を鑑賞するにはちょうど良い大きさだと感じました。

 主役のビリーは上演時間中ほとんど出ずっぱりで、歌い踊り、ある時はバレエダンス、あるシーンではタップ、そしてアクロバティックなダンスも交えて感情をぶつける演技は、見る者の心にダイレクトに訴えかけ、役と実際の少年の姿が重なって、どんどん引き込まれていきました。炭鉱の男を武骨に演じる鋼太郎さんもいいなぁ。ビリーの才能に気づいて育てようとするバレエの先生役の島田歌穂さんはさすがに歌が上手!ただ、大人たちの言葉が「〜ったい」といった九州弁(…だと思うのですが…)なのが、私にはちょっと違和感がありました。

 メインキャストはもちろんすばらしいですが、それを支えるアンサンブルがまたステキ!コーラスは時に力強く、時にはユーモラスに。人の声の重なりって、無条件に心の中に響き渡り、心を揺さぶられます。最後のカーテンコールでは、鋼太郎さんが慣れないタップに必死になっている様子がまたチャーミング!

 劇場を後にする時も、とても爽やかな気持ちになって、素直に観てよかったと思える舞台でした。東京公演の後は大阪梅田でも公演があり、確かちょうど今日あたり最終日だったのではないかと思います。結局かないませんでしたが、他のキャストの回も観たかったなぁ。

今年の夏を振り返る(アウトドア編)

2017年10月30日(月)

  今年も夏が終わったと思ったら、もう11月が目の前。忘年会の話も聞こえてくるシーズンになってしまいました。1年が過ぎる速度の速いこと! 今頃になってですが、今年の夏について振り返ってみました。

一番の思い出は、何といっても屋久島への旅です。お天気に恵まれて、自然の中をひたすら歩いた二日間は、今から思うと夢の中の出来事のよう。

 本当はその後に富士山にも登る予定にしていたのですが、訳あって、今年も富士山には行くことができませんでした。今年の新年のご挨拶では「目指せ富士山!」などと調子よく掲げてしまいましたが、やはり富士山は日本一の山。そうそう簡単には登らせてもらえないようです。もしかすると私には縁がないのかもしれない…と思ったりもします。「目指せ!」と意気込むよりも、いつか登ることができたらいいな、と目標にする程度にしておくことにしました。

 富士山には行かれませんでしたが、富士登山の前哨戦(?)として秩父の武甲山に登ったことも楽しい思い出です。お天気がすっきりしない中でしたが、それはそれでモヤに霞んだ幻想的な山の姿はとても印象的でした。

 

終末期の医療・介護に関する意思表明について

2017年10月29日(日)

 終末期の医療や介護については、本人が元気で自分の意思が表明できるうちに、家族なり支援者がきちんと本人の意思を確認して、できれば文書や記録に残しておくことが大事だと強く感じることが多くあります。

 グループホームで生活していたある被後見人の場合、命にかかわる重い病気の疑いがあったのですが、大きな病院で検査して治療を受けるか、そのまま看取りまでそこで生活し続けるか、判断が求められる状況になりました。それでも医療的な判断をする親族がいなかったので、複数の支援者が本人の意思を確認したところ、無用な延命措置はしてほしくないということを述べられたので、それに沿って情報共有しながら対応することになり、施設で最期まで過ごして穏やかに旅立たれました。
 成年後見人等には今のところ医療同意をする権限はありませんので、これが現実的な方法なのかなと思います。

 ただ、この方の場合は本人がなんとか自分の意思を表明できるだけの判断能力と身体状況だったので確認できましたが、急に倒れて意識不明となったり、自分の意思を表明する力が無くなってしまったような場合、医療的な判断をする親族がいない方はどうなるのでしょう。救急車を呼んで病院に運ばれれば、そこでは心臓マッサージや気管切開といった救命措置が行われ、その結果回復して自宅や施設に戻れるぐらいの状況になれば幸せですが、そのまま回復しなくても、人工呼吸器に繋がれたり、鼻からのチューブや胃ろうによる栄養補給といった延命措置がされることになります。たとえそれが本人の意に添わないことだったとしても、本人の意思を確認できなくなってしまった以上は、医療者は本人の命を救って生きながらえさせることが使命です。

 成年後見人等、本人の支援者としては、本人が元気なうちに、複数の人間で、いざという場合にどうしたいかという希望を確認して、書面に残しておくことが大事だと考えます。

 また家族の間でも、親御さんとはできるだけ元気なうちに、いざというときにどうしたいか、延命措置をしてほしいか、最期はどこで迎えたいかといったことを話し合って、希望を聞いておくことが大切です。何らかの形で記録に残しておくとより確実ですね。
 時には親の療養や介護について、兄弟姉妹の間でも意見が食い違うことがあります。ずっと近くで親の面倒を見てきて、親が余計な延命を望んでいないことを知っている娘が、緊急時に医師に余計な治療はしないで静かに見送りたいと伝えても、遠くから急にやってきた兄弟が「なんで救命措置をしないんだ、何としても生かしてほしい」と口を挟んだために、親御さんは人工呼吸器をつけられ苦しいまま何カ月も過ごすことになり、結局そのまま亡くなった、などということは少なくありません。

 そんな場合でも、本人が自分の終末期についての希望を書いて署名押印した文書があれば、これが本人の意思ですということで、兄弟や医師を説得しやすいのではないでしょうか。

 親御さんだけでなく、自分自身についてもいつ何が起きるかは誰にもわかりません。いざというときのために、まずは自分の介護や療養についてどうしたいのか、自分でよく考えて、それをきちんと文書として残しておくと、家族や周りの人にとっても助かることでしょう。

 それをもっときちんとした形で文書に残すものとして、費用はかかりますが、公正証書で「尊厳死の宣言書」を作るという方法もあります。

ケアマネさんに向けた成年後見制度についての講演

2017年8月20日(日) 

 先日、縁あって練馬区高齢者相談センターの中村橋支所で開催している『中村橋ケアマネ会』という管轄内のケアマネージャーの集まりで、『成年後見制度を知ろう! 〜利用促進の橋渡しに〜』というタイトルでお話をさせていただきました。

 一般の方とは違って、ケアマネージャーは制度についてはある程度ご存じということと、いただいた時間も1時間弱ということだったので、実務的なことを中心に、私が担当している方の事例もいくつかお話するという形にしました。

 特に強調したのは、『権利擁護』の視点を大事にして、ご本人が安心して暮らせないような状況があれば、成年後見制度を利用することによってそれが解決できないか考えていただきたいということ。ご本人から信頼されているケアマネージャーだからこそ、制度利用に踏み出す後押しをしてほしいということ。そして、何か問題があった場合には、早めに高齢者相談センター(地域包括支援センター)に相談してほしいということでした。

 また、成年後見制度を利用することによるデメリットもあるということも、後になってから「こんなはずではなかった」ということにならないように、きちんと知っておいていただきたいと思い、お伝えしたつもりです。
 例えば、事前にいただいた質問に、ご夫婦両方に後見人等が就いた場合に、夫婦の財産を併せることは可能ですか、というものがあったのですが、夫婦にしろ親子にしろ、後見制度を利用すると、本人の財産をたとえ家族であれ、他の人のために支出することは基本的に難しくなります。親から子への贈与や貸し付けといったこともできなくなります。ただ、一緒に生活しているご夫婦のような場合は、光熱費や食費といった生活費を按分して支払うことは可能です。ご本人の環境や制度利用に至った経緯等の事情は個々に皆違うので、各々の場合によって臨機応変な対応もできますし、そのような対応が求められます。

 また、皆さんが気になることとして、費用についても質問が出ましたが、後見報酬は東京家裁の場合は基準が決まっているので、ご本人の財産によって変わってきますが、基本は2万円/月程度となっています。申し立てにかかる費用も、鑑定がなければ印紙代や切手代、登記費用等として1万5000円もあればすみますし、その費用も、審判がおりると、ご本人のところから支払って構わないということになっています。(戸籍や診断書の手数料等は申立人の負担です)。

 講演後のアンケートでは、おおむね好評価をいただき、ほっとすると同時に、ケアマネージャーとして制度自体についての話を聴く機会はあっても、実際の後見人の活動や、申立てに至るまでのところ、どのように制度につなげたらよいのか、といったことについては、なかなか知っていただく機会がないのだなと感じました。

 今回お話させていただくにあたって、ケアマネージャーが成年後見制度の利用について、どのようなことに困っているのか等自分なりに調べたり、資料を集めたりすることによって、私自身が新しい視点で後見制度を考えるよい機会になりました。このような機会をいただいた中村橋支所の皆様にはとても感謝しております。

 毎度のことながら、反省点がいっぱいの拙いお話でしたが、今後も色々な立場から成年後見制度について考えていきたいと感じた講演となりました。

屋久島への旅(2)

2017年7月17日(月祝)

 今回の屋久島の旅は6月に大菩薩峠に行った時と同じ「Yamakara」というツアーでした。さすがに今回は寝袋とマットはレンタルして屋久島で受け取り、帰りも屋久島の温泉で返却ということで、とても助かりました。他の荷物はリュックに詰めて背負って行きましたが、普通の旅行の恰好で身軽に行って、現地でレンタルできるものはしてトレッキングの準備をして歩き、帰りもまた身軽にということも可能だなと思います。
 ツアーで一緒だったメンバーは15人程度で、年齢も住んでいるところも様々。もう一組母娘で参加している方がいたのですが、娘さんの20歳の記念にというお話でした。福島からいらしたという60代のご夫婦は初日の途中で奥様がみんなのペースについていかれなくなってしまいましたが、ガイドさんがひとり付きっきりで奥様の荷物も背負ってゆっくり歩き、暗くなってから無事山小屋に到着したということもありました。

屋久島石碑(加工済).jpg 二日目はトロッコ軌道を延々と歩き、無事荒川登山口に出ることができました。そこから「まんてん」という日帰り温泉に寄って汗を流し、高速船の港で皆さんとお別れしました。

 屋久島は1年を通して雨が多いと聞いていたし、ましてや梅雨時なので、雨は覚悟で準備していましたが、前日まで降っていた雨が私たちが行った2日間は全く降らず、とても良いお天気。これも日頃の行いが良いから(?)と1人で勝手に納得していました。戻ってしばらくすると台風3号による豪雨で九州北部に被害があったので、ちょうどよい時に行けたのだなとつくづく思いました。

 鹿児島市に戻ってからは、今年5月にご主人の転勤で鹿児島市内に引っ越したばかりの知人が会いましょうと言ってくれたので、飛行機の時間まで、娘も一緒にお茶をしておしゃべりに花が咲き、しばしの再会を楽しみました。鹿児島で有名な「しろくま」というかき氷のような甘味があるのですが、そのハーフサイズがあって、「白こぐま」という可愛い名前だったので思わず注文。美味しくいただきました。そしてお土産にさつま揚げもしっかり買いました。

 今回の屋久島ツアー、飛行機に乗るのも病気をしてから初めてでしたし、長距離を歩いて山小屋泊というのも今の体力で大丈夫かと不安は色々ありました。それでも、逆に行くなら今しかないかなという想いと、娘が一緒ということで、何かあっても何とかなるだろうという気持ちで思い切って行くことにしました。準備の段階では、大きなリュックにパッキングするのも久しぶりで、結構時間がかかったので、もっと手早くできないとなぁ、なんて思いました。

 お陰さまで飛行機でも頭痛が酷くなることもなく、無事鹿児島まで往復することができました。もっとも国内なので、あっという間でしたが…。山歩きに関しては、さすがに1日目でふくらはぎが痛くなり、足はボロボロでしたが、なんとかガイドさんやツアーメンバーの皆さんのおかげで歩ききることができました。そのうえ、もともと汗かきなのですが、歩いているときも1人汗だくで、川に落ちたのじゃないかと思われるぐらい髪の毛びっしょり。恥ずかしい限りでした。それでも、屋久島の自然の造形や植物、動物に会い、おいしい水を飲み、満点の星を眺めてとても幸せな気持ちになることができました。歩いている間は必死で頭の痛みも忘れるぐらいだった気がします。

 今回思い切って屋久島まで行って、本当に良かったと思っています。ツアーに関わったガイドさんたち、ツアーのメンバー、一緒に行ってくれた娘、皆さんのおかげです。ありがとうございました!

 屋久島で得たパワー(?)でこの夏を乗り切れたらいいな。

屋久島への旅(1)

7月16日(日)

 出掛けた話題が続いてしまいます。

 6月30日(金)の夜からは長女と屋久島へ行って来ました。長女が行きたいと言っていたのに乗っかって、では一緒に!ということで実現しました。金曜日の夕方に飛行機で鹿児島市に到着し、一晩市内のビジネスホテルに宿泊。翌朝高速船で屋久島へ渡りました。

飛行機からの富士山(加工済).jpg ←行きの飛行機から見えた富士山。
  雲海から顔を出し、頂にも雲をまとう姿はなんだか幻想的でした

 1日目は白谷雲水峡ー苔むす森ートロッコ軌道ーウィルソン株ー縄文杉とひたすら歩きです。現地ガイドさんが付いてくれたので、色々と説明を聞きながら歩いていたら、野生の猿の一団やシカが普通に通り過ぎるところに遭遇。白谷雲水峡入口(加工済).jpg  

自然のハート(加工済).jpg これはウィルソン株から見える自然のハート → 

 最後のほうはさすがに足が痛くなりましたが、なんとか頑張って樹齢7200年ともいわれる縄文杉に到着しました。

縄文杉看板(加工済).jpg縄文杉とこだま(加工済).jpg今は近くまで行かれなくなっていますが、それでもその姿には威厳がありました。ちなみに手前にいる『こだま』(もののけ姫に登場する木の精霊)は

ガイドさんが持ってきて置いたものです。


 ここからはあと少し頑張って高塚小屋という避難小屋に到着。そこがこの日の宿泊場所です。

 山小屋の食事(加工済).jpg避難小屋というだけあって、本当に板張りの小屋があるだけで、そこにマットと寝袋をしいて寝ることになります。久しぶりにこんな本格的な小屋に泊まることになり、なんだか学生時代の山行を思い出しました。

 夕食はガイドさんが運んでくれた鹿肉の炒め物、あごだしの効いたうどん、ガイドさんが自分で海で取ったというとこぶしまでついて、満点の星空の下、美味しくいただきました。


 次の日の朝は5時に小屋を出発、もう一度朝焼けの中の縄文杉を眺めて元来た道をしばらく戻り、後はひたすらトロッコ軌道を歩くコースです。昨日頑張ったおかげでふくらはぎが張って痛かった私は、ただでさえ少しフラフラしているのに、下り道ではさらに危なっかしかったらしく、すぐ後ろにガイドさんが付いて見守ってくれました。危ないところでは後ろから差し出してもらったポールに捕まらせてもらいながら、なんとか歩き通すことができました。

  

大菩薩峠

2017年7月16日(日)

 もう1か月以上前になってしまいますが、6月14日に、よく一緒にハイキングに行く行政書士のお仲間二人と、「YAMAKARA」というバスツアーに乗っかって大菩薩峠まで行って来ました。「YAMAKARA」というのはフィールド&マウンテンという山道具のレンタル屋さんが企画するツアーで、最大の特徴が、山行に必要な道具を無料でレンタルできるというところです。私は今回は何も借りませんでしたが、リュックやポール、登山靴まで借りられて、身軽に参加できるのはとってもいいなと思いました。

 お天気もよかったのですが、晴れていれば見えるはずの富士山の姿は、残念ながら目にすることはできませんでした。

大菩薩看板(加工済).jpgガイドさんがついてくれるので、安心して歩くことができました。同行のお仲間がひとり、途中で足がつってしばらく動けなくなるというアクシデントもありましたが、ガイドさんの持っていた漢方薬を飲んで、なんとか最後まで皆さんと一緒に降りてくることができました。

 山頂近くで持参したおにぎりを食べたのですが、ガイドさんがバーナーとワッフルメーカーを持参して、お餅をワッフルメーカーに挟んで焼いたもの(モッフルというのでしょうか?)にきな粉、あんこ、黒蜜まで付けてふるまってくれました。

大菩薩の玲子(加工済).jpgおいしいコーヒー付きで、山で食べる食事は最高です。

 山を降りてからはバスにしばらく揺られて、日帰り温泉に寄り、疲れを癒してさっぱりしたところで水分補給をして、またバスに乗って新宿に到着したのでした。

  実は今年は同じ「YAMAKARA」のツアーで、同じメンバーで富士山に挑戦する予定です。

遺言書の書き方 『これから塾』にて

2017年4月18日(火)

 毎月第一火曜日の午後に街かどケアカフェこぶしで開催している「これから塾」ですが、第10回目となる4月4日(火)は私がこれからのスタッフとして『遺言書の書き方』についてお話しさせていただきました。

 聞きに来てくださったのは一般の高齢の方が多かったので、遺言書の主な種類と書き方のポイント、遺言書を作ることをお勧めする場合等を中心に、最後には私が実際に経験した、遺言書を作っておけばよかったという事例についてお話ししました。

 今回も反省点はたくさんありましたが、わかりやすかったとの感想もいただいたので、この経験を次に活かしていきたいと思います。

 なお、「成年後見推進ネットこれから」のホームページに今回の「これから塾」についてのブログが載っていますので、そちらもご参照ください。

http://www.sactown.jp/happy/smile/korekara/od010050/view/Vj44Dm23/13918710

 

2017年 新年のご挨拶

2017年1月9日(月)

 遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 旧年中は成年後見活動を中心に、相続、遺言から許可についてのご相談を受けた1年でした。新しく高齢男性の後見人を受任したことが大きな変化です。今お手伝いさせていただいている方々は皆さん無事新年を迎えられて、ほっとしています。

 自身の体調については、ちょこちょことした不具合はありましたが、大きな悪化や再発はなく、無事1年間過ごせたことに感謝です。 

 今年は少しでも人間として成長できるよう、積極的に人とかかわることを目標にして、何事にも興味と好奇心をもって取り組むようにしたいと思います。そして、表現力、発信力を高める努力をしなくてはと考えています。まるで子どもの目標のようでお恥ずかしいのですが、いくつになっても自分の心がけ次第で成長できるものだと信じています。小さな一歩でも少しずつ前に進みたいものです。
 相続関係や成年後見についての法改正や運用等の動向にも注意していかなくてはと、あらためて肝に銘じました。 

 頭の痛みや痺れとの付き合い方にもだいぶ慣れてきましたので、自分の体の声をよく聞きながら、体力や筋力のアップにも取り組みたいと思っています。

 そして、今年こそ目指せ富士山頂! 

 

アリスのクリスマス

2016.12.31(土)

アリスのクリスマスケーキ(縮小).jpgChristmasTree.jpg

 光が丘の介護事業所「NPOむすび」で毎週月曜日の午前中に開かれている「オレンジカフェアリス」では、毎月最後の月曜日には参加者のうちの誰かがメインシェフとなって、みんなで作って食べる食事会をしています。12月はクリスマスということで、チキンとポテトのマスタードソテーとピラフ、デコレーションケーキ、それに加えておいしいお酒が供されました。

 お酒が楽しみで参加している方もいるのでは? という感じで、参加される皆さんが毎回自分の好きなワインや日本酒等を持参してこられるのですが、この日も次から次へとアルコール類が集まってきました。

 参加者が3班に分かれて、チキン、ピラフ、ケーキそれぞれを準備するということで、私はご婦人方中心のケーキ班に参加。市販のスポンジケーキとホイップクリームを使って、イチゴと、なぜかリンゴがトッピングされたデコレーションケーキが3台出来上がりました。

 それぞれ作った人の個性が表れたステキなケーキは、カットするのがなかなか大変でしたが、参加した80代の女性が一生懸命に切ってくださって、皆さんに配られました。

 アリスでの食事会はできるだけみんなが参加して作ることと、昼間から(ほとんど朝?)お酒が飲めるというのが特徴です。これまでもホットプレートで焼きそばを焼いたり、一生懸命具を皮に包んだ餃子は色々な形のものができました。手打ちのうどんやそばは専門家に教えていただきながら、みんなで叩いたり伸ばしたり。

オレンジカフェなので、認知症の方も参加していますが、それでも皆さん自分のできることを積極的にやって楽しみながら作っています。自分の役割があるということは誰にとっても生きがいにつながるのではないかと実感します。

そしておしゃべりを楽しみながらの食事はまた格別です。普段おひとりで生活している方も多いので、誰かと一緒に食事をするということだけでもうれしいことなんだろうなと思います。

1日遅れのクリスマスパーティーは、皆さんの笑顔とおしゃべりに溢れたステキな時間となりました。新たな年も「カフェアリス」が、ますます皆さんにとっての居心地の良い場所となりますように。

BuchedeNoel.jpg  こちらは我が家のクリスマスケーキです。ビスケットと生クリームを使って作った簡単ブッシュドノエル風ケーキ。簡単で結構おいしいので、ここ何年もケーキは買うことなく、これで済ませています。今年はイチゴとマシュマロでサンタさんを表現したつもりなのですが、とてもサンタさんには見えず、家族からは「クリスマスとハロウィンが一緒になったみたい」との感想が。

これから塾「高齢期の住まいについて」

平成28年12月30日(金)

 街かどケアカフェこぶしで開催されているこれから塾、12月は「高齢期の住まいについて」のタイトルで、一般社団法人アスラサポート代表林あつ子さんとシニアライフアドバイザー鈴木紀子さんを講師にお迎えしました。

 アスラサポートは、さいたま市で機能訓練型デイサービスを運営している経験から、それまで元気にデイサービスに通っていた方が色々な事情で施設に入所して、急激に身体能力が落ちて歩けなくなったり、元気がなくなってしまうという例を目の当たりにして、自分たちで一人ひとりに合った良い施設を紹介できたら、という気持ちで有料老人ホーム紹介センターを立ち上げたそうです。

 介護度に応じて、在宅ではどのようなサービスが使えて、入居できる施設にはどのようなものがあるかという基本的な説明とともに、実際の老人ホームの画像や具体的な費用についても示してくださいました。有料老人ホームは入居金が高額で月々の費用もそれなりにかかるのでは…というイメージを持っていた方が多いかもしれませんが、有料老人ホームにも色々なタイプがあって、費用も特養に近いところもあるということが実感できたのではないかと思います

 途中に体をほぐす体操を挟んで、実際に相談を受けたケースの紹介がありました。家族(子ども)が良かれと思ってした選択がご本人の希望と合わなかった例では、本人の希望を元気なうちに記録しておくことが大切で、そのために「これからノート」はいいですね、と宣伝してくださいました。また、自宅を売却して施設に入所しようと思っていたところ、本人が認知症になって家を処分することができなくなってしまったということもよくあって、その場合、成年後見制度の利用が必要になるという説明もありました。

 高齢期の住まいについては、切羽詰まってから考えたり探したりしたのでは、選択肢も少なくなってしまうし、思うようにいかないことが多いと感じます。自分のことも親のことについても、元気で判断能力もしっかりしている時に、色々な情報を集めて考えておくこと、そしてそれをいざというときに周りにわかるように記録しておくことが大事だということをあらためて実感しました。そして、アスラサポートさんのような頼れる専門家がいることを知っていると心強いですね。

 

「介護家族の気持ちが楽になるヒント」講演会

2016年9月11日(日)

 私が理事をさせていただいている『NPO成年後見推進ネット これから』が主催して、健康長寿医療センター研究員で看護師の伊東美緒先生をお招きした講演会が開催されました。「認知症を理解して 介護家族の気持ちが楽になるヒント」というタイトルで、数多くの実践を重ねてこられた中から導き出された認知症の方への接し方や、介護者が気持ちに余裕を持つためのアドバイス等、とても分かりやすく具体的にお話ししていただき、参加した皆さんも聞き入っていました。

 最後にはユマニチュードという認知症ケアの方法の実践動画も紹介してくださって、認知症の方の表情の変化や体の反応を実感しました。

 記憶や認知等の障害は避けられない症状(中核症状)で、それによって本人は不安になったり混乱したりしますが、そういったご本人の不安・混乱を理解して、その想いに寄り添ったケアをすれば、暴言や徘徊といったいわゆる周辺症状と言われる困難な状態を回避できることが多い。相手と同じ目の高さで、ゆっくり話しかける等々の方法は介護に携わる人にとっては知識として知っていることも多かったと思いますが、日々時間に追われて介護をする中で、自分の接し方がこれでいいのだろうか、とあらためて振り返る意味でも、このようなお話を聞く機会は大切だとの声が「これから」スタッフの中でも出ていました。

 一方、家族介護者の感じやすいストレス(ご本人の認知症状に対して、他の家族やご近所との関係で)についても、実例を挙げて説明してくださって、「あるある」と頷くことがたくさんありました。

 まずは介護する人が自分の気持ちに余裕がないと他者にも優しくなれないので、気持ちに余裕を持つためには、使えるサービスは利用し、自分の楽しみも作る。近所や周りの人に伝えて協力者を増やす。施設入所になったとしても、可能な範囲で会いに行ったり、コミュニケーションを取り続ける努力ができれば、それ自体で介護放棄ではない。といったお話しが出ました。

 聴きに来てくださった皆さまが、認知症ケアについての何かしらのヒントを得ていただけたらいいなと思います。

幻となった富士登山の夢

2016年8月22日(月)

  実は昨日から1泊2日の予定で、あるツアーに参加して富士山登頂を目指すはずでした。予定では今頃(8/22 午後)御殿場ルートの大砂走りを走っているか、転がっているか、とにかく下山の途についている頃。

 ところが日本列島をトリプル台風が襲い、出発前日のお昼頃になって、「現地ガイドの判断で、今回のツアーは中止になりました」との連絡がツアーを主催する旅行会社から入り、私の人生初の富士登山計画は幻となってしまったのです。

 富士山には一生に一度は登ってみたいと思いながら、なかなかその機会がなく今まできてしまったのですが、たまたま新聞の広告にローカルな観光会社のツアー案内が入っていて、そこで目にしたのが【日本最高峰富士山剣が峰 〜プリンスルートとダイナミックな大砂走 8月21日(日)〜22日(月) 】のタイトル。しかも、練馬区内の中堅観光会社のようで、ツアーバスの乗車地に光が丘が入っていました。これが一番の決め手だったと思いますが、慣れたガイドが同行し、7合目の山小屋に1泊して剣が峰を目指すということなので、今の私でも大丈夫ではないかと考えて、最初は家族に相談したところ、今回の日程では皆仕事の関係で一緒に行けないとのこと。ツアーなので、ひとりでも参加するかどうか…。病気になる前だったら、たとえひとりでも行きたいと思ったら申し込みしていたと思いますが、さすがに常に頭が痛いという今の体調と、筋力もだいぶ衰えてしまっている現状を考えた時に、ひとりでは不安だったため、時々ハイキング程度の山歩きを一緒に楽しんでいる練馬区内の行政書士のお仲間二人に、ダメ元で相談してみたところ、たまたま二人とも日程が空いていて、一緒に行きましょうと言ってくださったので、3人で申し込みをし、それぞれに装備等も準備して当日を迎えるはずでした。

 よりによってこの時期にトリプル台風が発生し、しかも登頂予定当日にそのうちのひとつが関東上陸。これは行くなという何かの啓示だったのかもしれないと考えてしまうような出来事で、やはり自然の力を侮ってはいけないとあらためて感じました。

 もっと体力をつけて、低山から登って準備を整えてから、来年また挑戦しましょうと同行予定のお二人とは話をしていますが、幻の富士登山計画、いつか実現できる日がくるのでしょうか…。

今年の七夕

2016年7月7日(木) 

 七夕カフェアリス2リサイズ.jpg昨年は半ば意地になってやっているとここに書いた七夕さま。今年も小さな笹を買ってきてベランダに飾りました。短冊にはほとんど私の願い事ばかりが書かれていますが、今年は家にいる娘が「良い出会いがありますように!」と切実な願いを込めた短冊を飾りました。

 また、今年は光が丘のNPOむすびでやっている「オレンジカフェ アリス」で先日、七夕の短冊に参加した皆さんそれぞれの願いを書いて、笹に飾り付けをしました。自分の家で相手にされない私が、皆さんと一緒にできたら嬉しいなと提案したところ、すぐに「やりましょう」ということになり、立派な笹(竹?)を用意していただきました。皆さんの願い事が天に届きますように!

街かどケアカフェ

2016年6月25日(土) 

 練馬区では高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる環境を作る取り組みのひとつとして、高齢者が気軽に集い、お茶を飲みながら介護予防について学んだり、体操に参加したりすることができ、地域の団体同士のつながりの場ともなる『街かどケアカフェ』を開設することになりました。

 その第一号として練馬高野台駅前に平成28年4月『街かどケアカフェこぶし』がオープンしました。高齢者の相談と交流の場として練馬区の谷原出張所内に開設され、隣には高齢者相談センター(地域包括支援センター)が併設されていることもあり、介護予防の拠点となることが期待されています。

 『街かどケアカフェこぶし』は月曜から土曜の10時〜16時(祝日を除く)オープン。そこでは看護師等の専門スタッフが医療や介護の相談を受けるほか、骨密度や血圧測定もできます。また、地域団体によって介護予防体操、歌声カフェ、各種講座も開かれているのですが、その中に『オレンジカフェ・ふらっと』という、いわゆる認知症カフェもあって、私が理事をしている『NPO法人成年後見推進ネットこれから』が毎月第一火曜日の午後を担当することになりました。

 『これから』では担当の時間を『これから塾』と称して、“暮らしに役立つちょっといい話”というシリーズで30分程度お話をして、その後は質問や相談があれば受けたり、ゆっくり懇談する時間を過ごしていただくことにしました。

 先日の第1回目は「成年後見Q&A」ということで、『これから』のスタッフ二人が劇仕立てで成年後見についての説明をしました。ひとりが相談者となって、相談員に扮したスタッフのところに相談に来るという設定です。
 ひとつ目の相談は、物忘れが出てきて判断能力が落ちてきたお父さんの介護に必要なお金を、相談者が銀行に行ってお父さんの口座からおろそうとしたところ、本人ができないならお父さんに成年後見人をつけてくださいと言われたんだけど…というもの。どういう場合に後見制度を利用したらいいのか、どういう手続きが必要なのかといったことを相談員が簡単に説明してくれます。
 そしてもうひとつは、独身の相談者本人が自分の老後について心配して相談に来るという設定。こちらは判断能力がしっかりしているうちに自分で信頼できる人を見つけて契約を結ぶ任意後見というものがありますよ、という説明がありました。

 成年後見についての研修や講座というと制度の説明が多くて、なかなか一般の方にはわかりにくいことが多いので、実際の相談の場面を想定して見ていただくという形にして、制度のポイントだけまず理解してもらえるようにということで、時間も30分弱に収めました。

 定員20名としていましたが、当日はたくさんの方にお越しいただき、補助席(?)を出すほどの盛況。お話の後には質問が出たり、残ってお茶を飲みながらスタッフと話をする方もいらして、とても良い雰囲気となりました。

 7月の『これから塾』は『これから』の代表による“認知症サポーター養成講座”、8月は管理薬剤師をお呼びして“在宅介護でのお薬との上手な付き合い方”について話をしていただく予定です。『これから』のスタッフとその繋がりを総動員しての講師陣となっています。お近くの方、興味のある方はぜひお立ち寄りください。

『NPO法人成年後見推進ネットこれから』のホームページもご覧いただければ幸いです。

http://www.korekara.sactown.jp/

 

成年後見制度の本人申立

2016年5月30日(月)

 成年後見制度を利用しようとする場合、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所に制度を利用したいという申請をすることになります。それを申し立てというのですが、誰でも申し立てができるわけではなく、申立権者というのが決まっています。

 法定後見の申立権者としては、本人、配偶者、四親等内の親族、成年後見人等、任意後見受任者、任意後見人、成年後見監督人等、市区町村長、検察官等となっています。
 一般的には親族が申立人になることが多いですが、申し立てできる親族がいない場合や、いてもかかわれない場合等は、行政が対応していわゆる首長(市区町村長)申立になったり、保佐、補助類型の場合は本人申立ということもできます。

 私が後見人等をさせていただいている中にも、保佐や補助で本人申立というかたちをとった方は何人かいらっしゃいます。ただ、後見類型での申し立てとなると、本人の判断能力がないと診断されたということなので、本人申立はできないだろうと考えていました。

 ところが、一番最近私が後見人に就任した男性の場合、後見相当の診断書が出たのですが、本人申立で申請したところ、すんなり通って後見の審判がおりたのです。

 その方は、脳梗塞で入院後1人暮らしのアパートに戻ったのですが、介護者がお金や物を盗っていくとの訴えや、上階の住人が勝手に入ってきて年金を下してしまう等の妄想が出現し、食生活も乱れて体調を崩し、再度精神科の病院に入院となり、ひとりいる娘さんも体調が良くなくてかかわりをもてないということで、地域包括支援センター支所の担当者とも保佐で酒井を候補者として本人申立でやりましょうということになっていたのですが、主治医の診断書で後見類型との判断が出たので、区長申立にしてもらうしかないかなと思ったところ、相談した練馬区の地域包括支援センター本所からは後見類型でも本人申立でやってくださいとの回答があったため、ご本人にも説明をして、委任状をいただいて必要書類を集め、申立書類を整えて東京家庭裁判所に申し立てをしたところ、特にご本人に調査官が会いに来るということもなく、後見の審判がおりました。

 後見制度に詳しい弁護士の先生にも「後見類型でも本人申立ができるのでしょうか」と伺ったところ、植物状態で寝たきりとか重度の障害というような方の場合は難しいかもしれないけれど、後見で判断能力がないとの診断を受けていても、ある程度日常会話ができて、制度を利用することを希望しているような場合は、本人申立も可能なのでしょうとの見解でした。

 確かに今回の被後見人も、ご自身が自分の財産を信じられる人に預かってもらいたい、という希望をはっきり表明していらっしゃるので、ご自分で財産管理をすることは難しいけれど、申立能力はあるということになるのだろうと納得しました。

 今回の件で、補助・保佐類型でないと本人申立はできないという認識を新たにして、後見類型でも本人申立が可能ということを学びました。

認知症カフェ

2016.3.7(月)

 光が丘地域で介護事業をしている「NPOむすび」で、昨年から「カフェアリス」という、いわゆる『認知症カフェ』が、毎週月曜日の午前中にはじまりました。『認知症カフェ』という名称がどうなのか、という議論もありますが、ここでは”「自分であること」を大事にすることに共感し、認知症に関心がある人が集う場”ということをコンセプトにしています。

カフェアリスちらしR.jpg 基本的には色々な方が集って、気軽におしゃべりを楽しむ場なのですが、毎月第2週は「ミニ講座」、第4週は「ランチ会」ということになっていて、2月の「ミニ講座」は「認知症サポーター養成講座」を行い、今月は私が「成年後見について」のお話をさせていただきました。

 高齢の方も多い中で1時間程度ということだったので、制度の細かいお話はしても仕方がないと思い、新しい後見制度の理念と利用する際のポイントをお伝えできればと思って用意していたのですが、いざその場で話しだしたところ、あっちこっちに話が飛ぶは時間を大幅にオーバーするはで、皆さまにご迷惑をおかけしてしまいました。せっかく集まっておしゃべりをするという本来のカフェの時間を奪ってしまうことになり、猛反省です。

 病気になって以来、人前でお話しする機会がなかったので、久しぶりのことだったのですが、もっと要領を得たお話ができるようにならないといけないなと、あらためて思いました。

 この「カフェアリス」は男性の参加者が多いことも特徴です。毎月1回の「ランチ会」も毎回違う男性シェフが主導して、第1回目はカレーライス、2回目はお稲荷さんがメインでした。ワインや日本酒も用意されて、昼間から飲めるという素晴らしい場所です。

 認知症当事者の方を含めたご夫婦も参加されていて、新しく顔を出してくださる方も少しずつ増えています。色々な方が気軽に集える場としてのカフェが、これからも発展していくといいなと思っています。