人生会議
2020年1月14日(火)
「人生会議」とは、人生の最終段階における医療や介護について、あらかじめ医療関係者を含めて家族や周りの人と話し合いをして、自分の希望を伝えておくアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に付けられた愛称(?)です。その人生会議について、地域の皆さんに学んで実践してもらうために、練馬区光が丘の地域福祉おたすけ隊と東京福祉大学の佐藤惟講師が主催して開かれた「人生会議講座」は1月13日に全3回を終えました。
第1回は福祉関係者の話、第2回が医療関係者の話ときて、最終回は私が理事を務めるNPO法人成年後見推進ネットこれからが独自に作成している人生整理ノート「これからノート」の活用について話をさせていただきました。
「これからノート」の中でも特に重要だと考えている「もしものときの自分の意思」のうちの延命についての自分の希望を皆さんに考えてもらおうと、その材料とするために、「これから」のメンバ―で寸劇をやることにしました。
母が同居している息子の嫁に、自分はもし終末期になっても、余計な延命治療はしないで、家で静かに逝きたい、という希望を伝えていたのですが、いざ実際にそういう場面になったときに、今までずっと遠くに離れて住んでいた娘がやってきて、「なんでお母さんを病院に入れて延命治療をしないのか」と強く主張し、医師も結局娘の意見には従わざるを得なかったため、母は病院で管につながれてしばらく生かされた後に亡くなった。というシナリオと、同じ設定で、母が自分の終末期についての希望を書面に遺していたので、娘もそれを見て母の希望を知り、家族みんなで母が自宅で静かに亡くなるのを見守った、というシナリオの2パターンを演じました。
両方の場合を続けて演じて15分程度のもので、やるほうも素人ばかりであまり準備もできなかったので、セリフは飛ぶしアドリブは出るし・・・と、中々思っていたとおりにはいきませんでしたが、その割には皆さんの評判は良かったようです。その素人っぽさが逆に良かったのかもしれないですし、設定を単純にしてわかりやすくしたところも、受け入れられた要因かもしれません。
その後のグループでの話し合いには、ボランティアスタッフとして参加してくれた日本社会事業大学と東京福祉大学の学生さんも加わって、終末期の医療や介護を中心に、活発な意見交換が行われました。
今回の連続講座を通じて、地域の高齢者の方たちが、子ども…というより孫に近い世代の若者と話をすることが、とても楽しそうでよい刺激になることを感じました。一方、福祉を志す若い学生さんにとっても、普段はあまり接する機会のない、地域の元気な高齢者がどんなことを考えているのか、ということを知る良い機会になったのだろうと思います。
思いつきでやってみた「これから劇場」(?)ですが、やる側も結構楽しめて、しかも今回ダメだった点をなんとか改善したいと考えている自分がいたりして…。今回だけで終わりではもったいないと思っているところです。