成年後見セミナーの講師
2019年9月8日(日)
昨年講師を務めたNPO成年後見のぞみ会主催の「成年後見セミナー」で、ありがたいことに今年も声をかけていただき、お話する機会を頂戴しました。昨年は特に在宅の方の後見活動の実際ということでしたが、今回は在宅に限らず、後見人等として実際にどういう活動をしているかということについて、約1時間、私が担当している方の例を主にお話しさせていただきました。
成年後見人等がやらなくてはいけないことは大きく分けると、生活、療養看護(身上監護)と財産管理ということになっています。それについては練馬区社会福祉協議会の権利擁護センター「ほっとサポートねりま」で出している『成年後見制度ガイドブック』にわかりやすく出ているので、それを参照していただくことにして、では、実際はどういうことをやっているの?という部分をお話ししました。ただ、ご本人も皆さんそれぞれ違う人、違う環境なので、後見業務も1件1件違ってくるはずです。あくまでも私が行っている身上監護の例ということでご承知いただいたうえで聴いていただきました。
私がお伝えしたかったことは、まず、後見業務をするうえで、対象となるご本人のことを知ることが大事だということ。その方が今までどんな生活をしてきて、どんな仕事をして、何を大事に考えてきたか、趣味は? そういったことを知ることによって、その方らしい生活とはどんなものか考える手掛かりになります。 ご本人とコミュニケーションがとれるようであれば、面談を重ねる中で色々と話を聞いていく、それが難しい場合はご家族や周りの支援者に聞いたり、ご本人の自宅や衣類、持っているもの等から類推することもできると思います。
それから、延命治療をどうするかということについては、ご本人しか決める権利はないはずなので、あらかじめお元気な時に確認しておく。認知症や障害があっても、ある程度は希望を表明することはできると思うので、聞いておいて、できればそれを書面に残しておくことが大事だと思います。
また、終末期の延命治療については、元気な時に考えることと、実際そういう時期になってしまってから思うことでは違ってくることもあるはずです。ですから、一度聞いてそのままではなくて、折にふれて確認するということも必要です。
のぞみ会の皆さまにはこのような機会をいただき感謝申し上げるとともに、少しでも参加してくださった方々の参考になったのであれば幸いです。