相次いだお別れ
2019年8月23日(金)
今年の7月には任意後見契約を結んで任意代理人としてお手伝いしていた方と、成年後見制度の保佐人として支援していた方が続けてお亡くなりになってしまいました。
どちらも高齢の女性で、ご主人が先にお亡くなりになっていて、お子さんはいなかったので、ご自身の兄弟姉妹の子どもである姪ごさんが最期に関わってくださって、亡くなった後はその姪御さんたちのご意向で、お身内だけですぐに荼毘にふされました。どちらの方の火葬にも立ち会わせていただき、7月は2回同じ斎場へ足を運ぶことになりました。
任意後見受任者(任意代理人)としてお手伝いさせていただいていた方(Aさんとします)は脳性麻痺による四肢麻痺だったので、電動車いすを利用して都営住宅で1人暮らしでした。判断能力はしっかりしていたので、ご自分の希望をしっかり表明できて、最期まで自宅で過ごしたいと望んでおられました。
被保佐人の方(Bさんとします)は認知症で、有料老人ホームで生活されていました。短期記憶の保持が難しいので同じ話を何度もされますが、明るくウィットにとんだ会話のできるステキな女性でした。
どちらもある程度お元気なときに、ご自分で自分の終末期には延命治療はしないでほしいということを表明されていました。Aさんは乳がんの手術をしていて、その手術をした医師が大好きで、先生の言うことなら何でも聞きますと公言されていましたし、医師も何かあれば自分の病院にくればいいからと言ってくださっていました。そして、できる限り自宅で過ごしたいというご本人の希望については、ケアマネージャー、訪問医、訪問看護師、ヘルパー等々関係者が皆で情報を共有していて、できるだけ本人の希望に添うようにしましょうという合意ができていました。結果的に最期は病院でお亡くなりになりましたが、ある程度ご本人の希望を叶えることができたと思っています。
お二人とも周りの人を気遣ってくださる優しくて明るい方で、そのお人柄故に関係する周りの人は皆ご本人のことが大好きでした。認知症であっても、障害があったとしても、人として人生の最期の時にどのように過ごすか、どのように周りの人と関わるかということについて、とても良い見本を示してくださったように感じて、そんなお二人と関わらせていただけたことはとても有難く幸せなことでした。
まだお二人の笑い声が耳の奥に残っているような気がします。Aさん、Bさん、ありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りください。