光が丘図書館での講座
2019年4月23日(火)

4月13日(土)の午後、光が丘公園内にある光が丘図書館にて、光が丘図書館利用者の会主催の高齢者医療・介護関連の連続講座 第3回として「知って安心・成年後見制度の実際」と題したお話をさせていただきました。
お天気も良く、お出かけ日和の土曜日でしたが、40名近い方にお集りいただきました。
このお話をいただいた時に、どのような内容にしたら良いのか、色々と悩みました。最初は制度そのものや理念、利用の仕方等についてお話ししようかと考えましたが、そのような話は他でも聞く機会はあると思いましたし、私が地元の光が丘でお話をする意味はなんだろうと考えた時に、後見人が実際にどのような活動をしているのか、現実にどのようなことが起こって、どのように対応したのか、といった実例をお話ししたほうが、皆さんに成年後見制度をより身近に感じていただけるのではないかと思い至り、制度や利用の仕方については大まかなことだけをお伝えして、詳しいことは練馬区社会福祉協議会の権利擁護センターほっとサポートねりまで作成している「成年後見制度ガイドブック」をお配りして見ていただくことにしました。
そして、私が後見人等としてお手伝いしている方について、実際にどのような支援をしているかをお話ししました。職業婦人だった方には毎回名刺をお渡ししてご挨拶すること、金銭管理について工夫している例、お墓の改葬をした例、そして麻雀がお好きなご婦人のために、有料老人ホームで麻雀大会をしたこと等々。
その中で一番お伝えしたかったのは、いざご家族の判断能力が不十分になって、成年後見制度を利用する必要が出てきてから慌てるのではなく、どのような場合に必要になるのか、どのようなことに気を付けて利用したらいいのか、予め知っておくと成年後見制度を上手く使うことができるということ。それから、成年後見制度の利用だけでなく、判断能力が不十分になってしまった方を支援する場合には、その方がどのような性格で、今までどのような生活をしてきたのか、何を大事にしてきたのかといったことがわかるとより良い支援につながるので、ご自身で自分の今までのことや希望することを書いておくことが大事。特に終末期の医療についての意思表示を書面に残しておくことをまずやりましょうということです。
それから、成年後見制度に関する最近の動向として、利用する際の申立てに必要な医師の診断書が改訂され、福祉関係者が記入する「本人情報シート」の運用が始まったこと。これも本人のことを知ることによって、よりふさわしい後見人等の選任につなげようという裁判所の考えの現れです。
また、後見人等の報酬についても、現在は本人の持っている流動資産の額によって基準が決められていますが、今後は行った仕事についていくらという積み上げ方式にすべきとの通知が最高裁判所から出されたので、変わって来ることと思われます。
成年後見制度だけではなく、家族信託、委任代理契約、遺言、死後事務委任契約といった備えもありますが、いずれも本人の判断能力がしっかりしている時でないと利用できないものです。自分自身が元気でしっかりしているうちに色々と準備しておくことが大切です。
今回も反省点がたくさんでしたが、参加者してくださった皆さんが真剣に耳を傾けてくださったことがとてもありがたく、このような機会を作ってくださった光が丘図書館利用者の会に感謝申し上げます。