ケアマネさんに向けた成年後見制度についての講演

2017年8月20日(日) 

 先日、縁あって練馬区高齢者相談センターの中村橋支所で開催している『中村橋ケアマネ会』という管轄内のケアマネージャーの集まりで、『成年後見制度を知ろう! 〜利用促進の橋渡しに〜』というタイトルでお話をさせていただきました。

 一般の方とは違って、ケアマネージャーは制度についてはある程度ご存じということと、いただいた時間も1時間弱ということだったので、実務的なことを中心に、私が担当している方の事例もいくつかお話するという形にしました。

 特に強調したのは、『権利擁護』の視点を大事にして、ご本人が安心して暮らせないような状況があれば、成年後見制度を利用することによってそれが解決できないか考えていただきたいということ。ご本人から信頼されているケアマネージャーだからこそ、制度利用に踏み出す後押しをしてほしいということ。そして、何か問題があった場合には、早めに高齢者相談センター(地域包括支援センター)に相談してほしいということでした。

 また、成年後見制度を利用することによるデメリットもあるということも、後になってから「こんなはずではなかった」ということにならないように、きちんと知っておいていただきたいと思い、お伝えしたつもりです。
 例えば、事前にいただいた質問に、ご夫婦両方に後見人等が就いた場合に、夫婦の財産を併せることは可能ですか、というものがあったのですが、夫婦にしろ親子にしろ、後見制度を利用すると、本人の財産をたとえ家族であれ、他の人のために支出することは基本的に難しくなります。親から子への贈与や貸し付けといったこともできなくなります。ただ、一緒に生活しているご夫婦のような場合は、光熱費や食費といった生活費を按分して支払うことは可能です。ご本人の環境や制度利用に至った経緯等の事情は個々に皆違うので、各々の場合によって臨機応変な対応もできますし、そのような対応が求められます。

 また、皆さんが気になることとして、費用についても質問が出ましたが、後見報酬は東京家裁の場合は基準が決まっているので、ご本人の財産によって変わってきますが、基本は2万円/月程度となっています。申し立てにかかる費用も、鑑定がなければ印紙代や切手代、登記費用等として1万5000円もあればすみますし、その費用も、審判がおりると、ご本人のところから支払って構わないということになっています。(戸籍や診断書の手数料等は申立人の負担です)。

 講演後のアンケートでは、おおむね好評価をいただき、ほっとすると同時に、ケアマネージャーとして制度自体についての話を聴く機会はあっても、実際の後見人の活動や、申立てに至るまでのところ、どのように制度につなげたらよいのか、といったことについては、なかなか知っていただく機会がないのだなと感じました。

 今回お話させていただくにあたって、ケアマネージャーが成年後見制度の利用について、どのようなことに困っているのか等自分なりに調べたり、資料を集めたりすることによって、私自身が新しい視点で後見制度を考えるよい機会になりました。このような機会をいただいた中村橋支所の皆様にはとても感謝しております。

 毎度のことながら、反省点がいっぱいの拙いお話でしたが、今後も色々な立場から成年後見制度について考えていきたいと感じた講演となりました。