酒井行政書士事務所

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入院(2)治療

2016年5月24日(火)

 入院して最初は、まず「ステロイドパルス」という、点滴でステロイドを大量に体内に入れる治療が始まりました。
 ステロイドは副腎皮質ホルモンの一種で、炎症や免疫を強力に抑える作用があるので、自己免疫疾患や炎症疾患の治療にはステロイド剤が広く使われています。そして、炎症が強い等症状が重くて早急な対応が必要な場合は、ステロイド剤を短期間に大量に点滴によって体内に注入する治療を行いますが、それを「ステロイドパルス療法」と言っています。

 入院後は心臓や酸素濃度のモニターをつけられ、点滴が入っていることもあってトイレにも一人では行くことができずに、看護師さんを呼ばなくてはいけないので、特に夜中はなんだか申し訳なくてなるべく我慢するという状況でした。トイレに一人で行かれないということがどれだけ不自由で、精神的にも辛いのか、身に染みました。

 ステロイドパルスと並行して、脳、頸椎、腰のMRI撮影、脳波等ひと通りの検査が入っていて、車いすを押してもらってそれぞれの外来病棟に検査に行く毎日が続きました。

 吐き気はその頃にはほぼ治まって、食事も普通に摂れるようになっていましたが、頭の痺れと痛み、ふらつきは残っていました。また、左腕が一時的に痺れて力が入らなくなるという症状もありました。脱力は1分もしないうちに治まって、力が入るようになるのですが、いつ起こるかわからないので、困りました。

 この頃からの頭痛とふらつきはその後も後遺症としてずっと改善されず、いまだに悩まされています。

 

〔視神経脊髄炎の治療としては、次のことが標準的に行われるようです〕

・発症、再発時は早急にステロイドパルス治療を行う。そして、パルス治療開始から数日間経過時点で症状の改善が全くない場合は単純血漿交換を行う。

・パルス治療の後はステロイド剤(プレドニゾロンが一般的:経口)を服用開始し、維持量(15mg〜30mg/日)まで少しずつ減量した後は、15mg以上を最低6か月間服用する。

このあたりからは再発予防の範囲になります。
・ステロイド剤15mg/日で半年以上再発がない場合に、数か月毎に1mgずつぐらいのゆっくりしたペースで減量する(目標は5mg/日)。
・ステロイドの副作用が問題になる場合は免疫抑制剤(イムランなど)を併用してステロイド剤の内服量を減量する(1年間は10mg以上の併用が望ましい)。

注:これらはあくまで標準的な治療ということなので、医療機関や医師、患者さんの状態によって違ってくることをご了解ください。

 

 視神経脊髄炎の場合は、ステロイドを全く服用しないと再発しやすいことがわかっているので、服用する量をどこまで減らせるかは様子を見ながら主治医とも相談して決めることになります。年に何回も再発する患者さんもいると聞いてるのですが、私の場合は発症から2年近く経ちましたが、幸いなことに今のところ再発することなく過ごせています。現在のステロイド服用量は、本当に少しずつ減らしてきて11r/日です。



入院(3)退院へ向けて

2016年6月13日(月)

 ステロイドパルス治療が終わると、頭痛・痺れ・脱力といった症状を緩和する治療が主となります。治療といっても私の場合は薬を色々と調整するしかありませんでした。

 頭痛に効くと思われる薬を処方してもらい、服用してみますが、左耳とその周辺の頭のズキズキとした痛みはほとんど緩和されなくて、夜も一度は寝付くものの、夜中に目が覚めると痛みでなかなか眠れない状態が続きました。冷やすといいのではということで、アイスノンのようなものを借りて当てたりもしたのですが、気休め程度という感じ。

 ある薬を何回か飲んでみて効果がないと、また違う薬を試してみるということで、何種類かの薬を試してみましたが、頭痛にはほとんど効果がありませんでした。 

 一方、この病気になると他にも色々と影響が出るということで、入院中に眼科、歯科、耳鼻科等々ひと通りの科を受診して検査してもらいました。視神経脊髄炎というぐらいなので、目が急に見えにくくなる場合も多いようですが、私の場合は目については多少ドライアイの傾向はあるものの、特に問題はないようでほっとしました。歯についても、ステロイド製剤をずっと飲み続けるということは、抜歯ができなくなると言われて、それでは入れ歯にもできないのか…と変なことが頭をよぎりましたが、それ以後は歯磨きも丁寧にするようになり、歯のケアには気を遣っています。

 ひと通りの検査が終わると、退院がみえてきました。



入院(4)退院したはずが

2016年6月13日(月)

  入院した際には大体4週間程度の入院になるでしょうと言われていましたが、ほぼ3週間で退院できることになりました。

 退院時の状態としては、食欲はもうすっかり回復していましたが、体重は健康時より8sぐらいは減ったまま。左耳周辺のズキズキがずっと続き、何も考えずに歩くと少しずつ右に寄っていく状態。時々左腕が肩から痺れて固まってしまう(力が入らなくなる)こともありました。それでも食事が摂れずに何が原因かわからなくて不安だった何か月かを思えば、気持ちのうえでも随分前向きになることができたように思います。

 その後は定期的に通院して様子を見ることになりましたが、急に目が見えにくくなったり、痺れが強くなったり、力が入らなくなるようなことがあったら、すぐ連絡してくださいと言われました。

 外来では様子の確認と、頭痛に対する薬の調整をすることになりましたが、頭痛については薬を変えても効き目があるものはなく、先生の前に行く度に「またダメでした…」と報告するのもこちらが申し訳ないぐらいになってきました。

 そんな折に、国立精神・神経医療研究センターという神経難病の患者さんを多く看ている病院でセカンドオピニオン外来があるというのを見つけたのです。一度他の医師の意見も聞いてみたいと思って、主治医に紹介状を書いてもらい、そこのセカンドオピニオン外来を受診することにしました。

 今までの経緯や検査データを見てもらい、医師の意見を聞いたのですが、東北大学で検査した結果が陽性ということなので、病気の診断としても間違いないだろうし、その後の治療方針としても妥当なものだろうということでした。後遺症としての痛みについては、やはり薬を色々と試してみて合うものを探すしかないので、なかなか難しいとの話で、そういうものなのかと納得できたような、がっかりしたような気持ちになりました。

 そんな毎日を過ごしていたところ、腕の内側に発疹ができはじめたので、夏だしあせもかしらと思っていたところ、少しずつ発疹が広がってきたのです。ちょうど受診の時だったので、主治医に診てもらったところ、薬疹かもしれないということで、すぐに皮膚科に回してもらいました。すると、やはりその可能性が高いということで、塗り薬をもらうとともに、元の病気でその時に飲んでいた薬について、ステロイド以外の薬疹が出る可能性があるものを別の薬に変えてもらいました。

 それで数日過ぎたころ、今度は腕の力が入らなくなる脱力が増えてきたのです。一時治まってきた脱力ですが、一日に起きる回数が増えたように感じたので、主治医に電話して相談したところ、受診してくださいということになり、病院へ。その場で念のために入院したほうがいいということになり、またしてもそのまま入院。今回は「もしかすると」との予感もあったので、初回よりは心の準備ができていましたが、また舞い戻ってしまったとちょっと落ち込みました。
 それが最初に退院してからほぼ1か月後にあたる8月後半のことでした。



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