「介護家族の気持ちが楽になるヒント」講演会
2016年9月11日(日)
私が理事をさせていただいている『NPO成年後見推進ネット これから』が主催して、健康長寿医療センター研究員で看護師の伊東美緒先生をお招きした講演会が開催されました。「認知症を理解して 介護家族の気持ちが楽になるヒント」というタイトルで、数多くの実践を重ねてこられた中から導き出された認知症の方への接し方や、介護者が気持ちに余裕を持つためのアドバイス等、とても分かりやすく具体的にお話ししていただき、参加した皆さんも聞き入っていました。
最後にはユマニチュードという認知症ケアの方法の実践動画も紹介してくださって、認知症の方の表情の変化や体の反応を実感しました。
記憶や認知等の障害は避けられない症状(中核症状)で、それによって本人は不安になったり混乱したりしますが、そういったご本人の不安・混乱を理解して、その想いに寄り添ったケアをすれば、暴言や徘徊といったいわゆる周辺症状と言われる困難な状態を回避できることが多い。相手と同じ目の高さで、ゆっくり話しかける等々の方法は介護に携わる人にとっては知識として知っていることも多かったと思いますが、日々時間に追われて介護をする中で、自分の接し方がこれでいいのだろうか、とあらためて振り返る意味でも、このようなお話を聞く機会は大切だとの声が「これから」スタッフの中でも出ていました。
一方、家族介護者の感じやすいストレス(ご本人の認知症状に対して、他の家族やご近所との関係で)についても、実例を挙げて説明してくださって、「あるある」と頷くことがたくさんありました。
まずは介護する人が自分の気持ちに余裕がないと他者にも優しくなれないので、気持ちに余裕を持つためには、使えるサービスは利用し、自分の楽しみも作る。近所や周りの人に伝えて協力者を増やす。施設入所になったとしても、可能な範囲で会いに行ったり、コミュニケーションを取り続ける努力ができれば、それ自体で介護放棄ではない。といったお話しが出ました。
聴きに来てくださった皆さまが、認知症ケアについての何かしらのヒントを得ていただけたらいいなと思います。